つくろう、島の未来

2025年01月30日 木曜日

つくろう、島の未来

有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』47号「逢いたい島人」(2024年12月7日発行)

12月7日に有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』47号「逢いたい島人」を発行しました。12月上旬より全国約1,300カ所の公式設置ポイントにて配布・閲覧を順次スタート、ウェブ版『ritokei』でも順次記事を公開していきます。47号の目次や見どころを紹介します。

日本の有人離島には、総人口の0.5%にあたる約90万人が暮らしています。島々の固有の自然や独特の歴史文化も魅力ですが、島に暮らす人やファンに、島の好きなところを尋ねると「人」という答えが返ってきます。

『季刊ritokei』47号では、2024年の今リトケイが注目する「逢いたい島人」を特集。逢いたい島人の想いやまなざしに、今とこれからを豊かに生きるヒントが隠れています。

特集の冒頭を飾るのは、相島・相島少年消防クラブの皆さん。漁業が盛んで「猫の島」としても知られる福岡県・相島の「相島少年消防クラブ」は、島の中学生たちが担い手となり、なんと76年にわたる伝統を誇る地域防災の活動です。

その背景を、新宮中学校相島分校の副校長は「1870年に島の大半を焼いた大火災をきっかけに、住民の間に強い防火意識が芽生えた」と語ります。

1948年に生徒会の発案で「火の用心」を呼びかける『夜廻り』がスタート。1955年に少年防災クラブが誕生し、島の中学生に代々受け継がれてきました。

相島では、大人が漁に出ている間は子どもや女性、高齢者ばかりとなり、本土から消防が駆けつけるにも時間がかかることから、大人が不在の時でも島を守れるよう、中学生たちが防災の担い手として活動しています。

提供:東盛あいか

続いては、ユネスコの消滅危機言語に指定された与那国島の方言「与那国語」を交えたラップを歌うドゥナンラッパー、俳優、映画監督として活動する東盛あいかさん。

大学の卒業制作として制作した映画『ばちらぬん』のタイトルは与那国語で「忘れない」の意味。企画・脚本・編集・演出・監督のすべてを東盛さんが担当した映画は2021年の「ぴあフィルムフェスティバル」でグランプリを受賞し、全国で上映されました。

「自分が与那国に対して思うことは、世界各地で起こっていることにも通じている」と語る東盛さん。海底に深く突き刺さる碇(いかり)のように、変わらぬ島への想いをさまざまな表現に乗せて発信しています。

特集ではほかにも、知夫里島で牛・カフェ・村議を担う川本息生さん・理子さん夫妻、周防大島(屋代島)でひじき漁を営むさかえるさん、日本のすべての有人離島を巡り続けた島旅作家・斎藤潤さんら斎藤潤さんら「逢いたい島人」「逢いたいマレビト」が登場します。

定番コーナーのインタビューでは、『デフレの正体』『里山資本主義』などの著書で知られるエコノミスト・藻谷浩介さんに話を聞きました。

日本の島々を含む全市町村を自費で訪問した藻谷さん。「離島の経済っていうのはまさに里山資本主義」だと語る藻谷さんの、地域へ向ける眼差しをお届けします。

島々に携わる仕事人の想いを紹介する「島々仕事人」。今回は、地域の未利用資源を活用し食ブランドを生み出すリファインホールディングスが登場。屋久島の「縄文牛」をブランド化する皆さんに話を聞きました。

提供:幸秀和

400島あれば400通りある島の文化を島に暮らす文化人が紹介する「島から島へ紹介したい島文化」は、「島ならではの島料理」。

カメラマンとして活動しつつ、島々の食を楽しむレシピの開発やイベント企画などを手がける幸秀和さんのコラムを読めば、島料理が食べたくなることうけあいです。

島にまつわる本や映画、音楽をお届けする「島Books & Cultute」は、2025年1月公開の『劇映画 孤独のグルメ』など、さまざまな視点から島の一面を描く映画6作品をピックアップ。

島に暮らす人が自身の想いを綴る「島人コラム」は、小豆島の喰代伸之さんが語る「国際交流支援員」の活動、桂島で地域おこし協力隊として活動してきた横山桂さんの寄稿コラムをお届けします。

10月某日、解剖学者の養老孟司先生をゲストに、鎌倉市の浄土宗総本山光明寺書院で『世界がかわるシマ思考-離島に学ぶ、生きるすべ』(『シマ思考』)出版記念特別対談を開催しました。

近い将来起こる可能性が高いとされる、南海トラフ巨大地震を経た世界がどうなるのか。そのとき必要となる「シマ思考」とは?

特別企画のレポート記事では、『シマ思考』の出版社issue+designの筧裕介代表、リトケイの鯨本あつこが聞き手となり養老先生に語っていただいたイベントの様子をリトケイ編集部の石原みどりがレポートします。

「有人離島の人口変動」では、平成27年・令和2年の国勢調査の人口と、リトケイ独自調べによる直近半年間の島々の人口変動を3カ月ごとに掲載。離島留学や移住の参考にしていただける、小学校・中学校・高校の設置状況も島ごとに掲載しています。

詳しくは『季刊ritokei』47号または、12月下旬よりウェブ版『ritokei』に掲載される記事をご覧ください。下記目次のリンクより、ウェブ版の記事をご覧いただけます(随時更新)。

ー 逢いたい島人 ー

●150年受け継がれる防災意識とキラキラと輝く誇りとあこがれ(相島 相島少年消防クラブの皆さん)
●島を知ることは自分を知ること ラップや映画で届ける「忘れない」思い(与那国島 東盛あいかさん)
●高校魅力化プロジェクト高校魅力化から10数年 牛・カフェ・村議を担う島の家族(知夫里島 川本息生さん・理子さん夫妻)
●Youはどうして島人に?この時代だからこそ島暮らしを選んださかえるさん(屋代島 さかえるさん)
●すべての有人離島を巡り続けて半世紀 逢いたいマレビト斎藤潤さん(全国の島 斎藤潤さん)

ー インタビュー ー

●「現実はどう?島国を歩き、見聞きする」地域エコノミスト・藻谷浩介さん
●「島々仕事人」リファインホールディングスと屋久島の皆さん

ー 定番企画ー ー

●有人離島の人口変動|島々の人口変動をチェック!
●島Books & Culture|映像でみつめる島々の一面
●島から島へ紹介したい島文化(全国の島 幸秀和さん)
●島人コラム|小豆島・桂島

ー 特別企画ー ー

●養老孟司先生と語る「シマ思考」「世界がかわるシマ思考」特別対談 in 鎌倉レポ(養老孟司さん)
●\開催しました/未来のシマ共創会議(レポ第一弾
●結果発表!未来のシマ共創アワード
●島で生きる人に寄り添うアイランデクスの志事