つくろう、島の未来

2024年11月10日 日曜日

つくろう、島の未来

2021年と2022年に「まちの社員食堂」(鎌倉市)で開催し、好評をいただいたritokei×まちの社員食堂「島の魚食WEEK」(以下「島の魚食WEEK」)が今年も開催!

2024年2月26日(月)〜3月1日(金)の期間、鎌倉市の「まちの社員食堂」で、日本の島々から直送された新鮮な海の幸を使い、料理人が腕に寄りをかけたオリジナルメニューを日替わり提供しました。

5日間で合計281食を提供、関東では目にすることの少ない島の魚を味わいながら、島国日本の漁業をとりまく問題や課題解決に向けた取り組みを知っていただく機会となった「島の魚食WEEK」の様子をお伝えします。

2021年より「島の魚食」を盛り上げるプロジェクトを継続するリトケイは、豊かな海と日本の魚食文化を未来につなぐことをミッションに活動するChefs for the Blue(シェフスフォーザブルー、以下C-BLUE)と共に、島々の未利用魚や低利用魚を活用したサステナブルで海の学びにつながる商品づくりに取り組んでいます。

本企画は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

5つの島から直送された魚を日替わり提供!

リトケイは、面白法人カヤックが運営する「まちの社員食堂」(鎌倉市)で島々の海の幸を提供する「島の魚食WEEK」を2021年より開催しています。

第三弾となる2024年は、粟島(あわしま|新潟県)、弓削島(ゆげじま|愛媛県)、対馬島(つしまじま|長崎県)、奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)、与論島(よろんじま|鹿児島県)から新鮮な海の幸を鎌倉に直送。この期間だけのオリジナルメニューを日替わりで提供しました。

鎌倉「まちの社員食堂」で開催された「島の魚食WEEK」は、2021年に541食、2022年に295食を売り上げた人気企画

メニューを作成した「まちの社員食堂」の釘谷知樹さんは、普段からさまざまな地域の産品をアレンジした料理を同店で提供。その経験を活かし、今回は、産地も味わいも異なる5島5種の魚をおいしく味わう料理を考案していただきました。

<メニュー>
2/26(月)アイゴのフィッシュビリヤニ(対馬島|長崎県)
2/27(火)テングハギのフライ定食(与論島|鹿児島県)
2/28(水)ブリの漬け丼(粟島|新潟県)
2/29(木)チヌの潮らーめん(弓削島|愛媛県)
3/1(金)ツムブリのハーブソテー・サフランライス(奄美大島|鹿児島県)

2/27(火)提供メニュー「テングハギのフライ定食」(与論島|鹿児島県)
2/28(水)提供メニュー「ブリの漬け丼」(粟島|新潟県)

初日の2月26日は、対馬島で「磯焼け」(※)の一因として捕獲されたアイゴを使用。ニンジンとココナッツファインのあえ物を添えたエスニックな炊き込みご飯の上に、カレーとスパイシーなトマトソースをかけ、揚げたアイゴを乗せた「アイゴのフィッシュビリヤニ」は、揚げたアイゴのカリッとした食感がアクセントになり、魚の風味もしっかりと味わえる一品です。

※気候の変化や生物による食害などにより、海藻が著しく減少・消失し、海藻が繁茂しなくなる現象

2/26(月)提供メニュー「アイゴのフィッシュビリヤニ」(対馬島|長崎県)

「当店の人気メニュー、ビリヤニでアイゴをアレンジしてみました。独特の磯臭さがあるアイゴは皮ごと揚げることで余分な水分を飛ばして皮はカリッと、身はふっくらとした質感に。鰹節、七味唐辛子、クミンを混ぜた特製スパイスで魚の旨味を引き出しています」(釘谷さん)

同日は、同店の服部みゆきさんがメニューを提供しながら来店客にその日の魚や産地の島を紹介。「ご年配の方や一人暮らしの若い方など、なかなかお魚を自分で調理する機会が少なくなっているので、日替わりでいろいろな魚が食べられる企画は、楽しみにしているお客様も多いようです」(服部さん)

2/29(木)提供メニュー「チヌの潮らーめん」(弓削島|愛媛県)
3/1(金)提供メニュー「ツムブリのハーブソテー・サフランライス」(奄美大島|鹿児島県)

3島3種の未利用魚・低利用魚のスープも試食提供!

2023年度、リトケイは豊かな海と日本の魚食文化を未来につなぐことをミッションに活動するC-BLUEと協力し、島々の未利用魚・低利用魚を活用したレトルト食品「おいしく食べて海もよろこぶお魚スープ」を開発。「島の魚食WEEK」の期間中も同商品を日替わりで試食提供しました。

レトルトスープの商品開発について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

>>【リトケイ海の商品開発】弓削島・対馬島・与論島の未利用魚・低利用魚を活用。「おいしく食べて海もよろこぶお魚スープ」が完成しました!

「まちの社員食堂」の店内にはチヌ、アイゴ、テングハギの親しみやすいイラスト入りで商品開発の背景を伝えるポスターを掲示。商品開発プロジェクトの背景を伝えるフリーペーパー『季刊ritokei』44号も配布しました。

初日に来店した2人組の女性客は、ポスターを見ながら「テングハギってこんな魚なんだ」「かわいいね」と話題がはずんでいました。

おいしく食べて海もよろこぶお魚スープ」開発の背景をポスターで掲示した店内
商品開発プロジェクトの背景を伝えるフリーペーパー『季刊ritokei』44号

日替わりメニューやスープの試食はいかがでしたか?お客様に聞いてみました

鎌倉で働く常連客の男性は、「磯焼け問題のことは耳にしたことがあったが、詳しくは知らなかった。メニューを見て、お魚とビリヤニが合うのかな?と最初は思いました」とコメント。

実際に食べてみて「アイゴを食べるのは初めてですが、想像を超える美味しさでした。対馬島のアイゴとインド料理との融合が素晴らしかったです」と笑顔に。

来店客への聞き取りとスープを試食してのアンケートより、一部抜粋してお伝えします。

来店客のコメントより

・アイゴは臭みがなく、適度な弾力と歯ごたえがあってお肉のような食感さえ感じました。とてもおいしかったです

・いろんな島の未利用魚や低利用魚が定期便で楽しめるサービスがあると良いと思う

・アイゴを初めて食べました。年配の方には南蛮漬けなどのメニューも良さそうですね

スープを試食してのアンケートより

・フィッシュボールの食感が楽しかった

・テングハギのスープは臭みもなく、さっぱりしていてとても美味しかったです。キノコとよく合っていました

・便利で安くおいしいものがたくさん世にある中、それと競うよりもストーリー性を中心に伝えると良いと思う

「まちの社員食堂」店頭のイーゼルでは日替わりメニューと産地の島をご紹介

日頃関東では目にすることの少ない島々の未利用魚や低利用魚も提供した「島の魚食WEEK」。「僕自身、たくさんの魚を触って調理するのは久しぶりで、楽しい一週間でした」と、釘谷さんは振り返ります。

「粟島のブリはおいしいとの声が多く、皆さん箸が進んでいました」「弓削島のチヌは、こんがりと焼いてからゆっくりと煮出したスープがとても好評でした」(釘谷さん)と、来店客からの反響も上々。

会期中は「(テングハギを食べて)肉厚でプリッとした身質は初めての食感。なんという魚ですか」と聞かれたり「クロダイをチヌと呼ぶとは知らなかった」など来店客との会話が増え、島々の魚や海の課題について話題が広がったといいます。

5日間で提供したランチメニューは、合計281食。おいしい日替わりランチを楽しみながら、海をとりまく問題や課題解決に向けた取り組みに触れ、島の漁業・水産業を食べて応援していただける機会となりました。

     

関連する記事

ritokei特集