2021年よりメディア発信やイベント開催を通じ、島の魚食の魅力を発信してきたリトケイの「離島の魚食プロジェクト」。
2023年度は、対馬島(つしまじま|長崎県)のアイゴ、弓削島(ゆげじま|愛媛県)のチヌ、与論島(よろんじま|鹿児島県)のテングハギを活用したレトルト食品「おいしく食べて海もよろこぶお魚スープ」を開発しました。
3年間にわたるプロジェクトの歩みを振り返ります。
2021年より「島の魚食」を盛り上げるプロジェクトを継続するリトケイは、豊かな海と日本の魚食文化を未来につなぐことをミッションに活動するChefs for the Blue(シェフスフォーザブルー、以下C-BLUE)と共に、島々の未利用魚や低利用魚を活用したサステナブルで海の学びにつながる商品づくりに取り組んでいます。
本企画は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
『季刊ritokei vol.35』「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」発行
2021年にスタートした「離島の魚食プロジェクト」。初年度は、島々の海の幸の魅力を伝える『季刊ritokei vol.35』「おいしい!たのしい!島の魚食図鑑」特集号(5月27日、10,000部発行)を発行。
関連企画として、紙面に掲載しきれなかった島々の魚にまつわる話題を届けるライブ配信トークイベントも開催し、約350人がオンラインで視聴しました。
また、リトケイウェブサイトでは、島々で海の仕事に携わる人々の声を集めて発信する「島々会議」をスタートしました。
オンラインも活用、島々の魚を味わう体験イベント開催
2022年度は、オンラインも活用しながら、島々の誇る海の幸を身近に味わっていただく機会をつくりました。
オンラインでは、島々が誇る極上の出汁の楽しみ方をオンラインでレクチャーするイベントや、海の旨味と島酒をたのしむオンラインイベントを開催。
オフラインでは、鎌倉市と東京有楽町のオフィス街で「島の魚食WEEK」を開催し、島々の魚介をアレンジしたオリジナルメニューは好評を得て、合計534食を提供しました。
また、2022年10月10日「ととの日」には、島々の魚の目利きが選んだ食材を提供する「プロが選ぶ3島直送のおさかなレストラン」を開催。公募で集まった40人のリトケイ読者に、料理人のうすいはなこさんがアレンジしたコースメニューをご堪能いただきました。
島々の未利用魚・低利用魚を活用した商品開発へ
2023年度はこれまでの活動を発展させ、C-BLUEと共に島々の未利用魚や低利用魚を活用した「おいしく食べて海もよろこぶお魚スープ」の商品開発に挑戦しました。
C-BLUEのメンバーとして活動する後藤祐輔シェフがレシピを考案し試作した「対馬島のアイゴと野菜の具沢山スープ」は、10月21日(土)22日(日)に催された「海のごちそうフェスティバル2023」で300食を完売しました。
イベントでの好評を得て、シェフのレシピを元にレトルト加工を施し「弓削島ごろっとチヌとさつまいものクラムチャウダー」「対馬島のアイゴと野菜の具沢山スープ」「与論島テングハギボールときのこのオニオンスープ」が完成。
2024年2月23日(金・祝)〜25日(日)に魚屋サカナバッカの都内3店舗で開催された試食販売会では、店頭に訪れたお客様への試食でも好評を博し、合計200食を販売。
3つの離島地域から集めた魚で商品開発と販売を実現したことで、加工所を持たない小さな島の産品を多地域連携で商品化できる可能性も見えてきました。
今後も継続的な取り組みができるよう、本格的な商品化と販売に向けた協議を進めています。
3年目を迎えたritokei×まちの社員食堂「島の魚食WEEK」では、粟島(あわしま|新潟県)、弓削島、対馬島、奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)、与論島の魚を味わうスペシャルメニューを日替わりで提供。
会期中の5日間で合計281食のオーダーをいただき、多くの方に海の環境や島々の漁業をとりまく課題に目を向けていただくきっかけとなりました。
島内外でたくさんの方々と出会い、ご協力をいただきながら歩みを進めてきた「離島の魚食プロジェクト」。
日々海と向かい合う島々の漁業者の方々や、地域一丸となって海の課題に取り組む皆さんにお話を聞かせていただき、たくさんの想いを受け取り、できることを考え実行してきました。
イベントや商品開発では、島々の生産者と各分野のプロフェッショナルにご尽力いただき、海を越えて協力の輪をつなぐことで想いを形にすることができました。
島々の漁業・水産業をはじめ、島々の持続可能な営みを未来へつなぐため、リトケイは、今後も未来を拓く取り組みに挑戦していきます。