【エラブ旅嫁 育児中。 #08 エラブよいとこ一度はめんしょり。】山口県出身。大阪の旅行会社で働いていた頃に沖永良部島(おきのえらぶじま|鹿児島県)出身の現在の夫と知り合い、結婚を機に島へUターンした島の島嫁ならぶ「旅嫁」の島日記。
#08 エラブよいとこ一度はめんしょり。
うがみやーぶら!(こんにちは)
春ですね。
内地であれば4月は暖かく気持ちのいい季節だと思いますが、島の春は、迫り来る湿気地獄の足音に怯えながら、つかの間ひと息つく時・・・とでもいいましょうか。
島の湿気地獄・・・そう、内地よりも一足先に始まる梅雨の湿気です。
畳は足の裏にしっとりと吸いつき、外に干した洗濯物は雨が降ってなくても永遠に乾かず、そこら中が常にカビ臭い。
住んで最初の年、何が驚いたって、スーツと革靴にカビが生えましたから!
藤製品は言わずもがな、お風呂場に置いといた木製品なんか、かわいいキノコがコンニチワですよ、コンニチワ、あらいらっしゃい!
形あるものはいつか崩れるとかよく言いますけど、形あるものはいつかカビるってわけです、この島では。バクテリア万歳、みんな腐って土に帰るがいいさ!!!
・・・とヤケになる主婦約一名。
息子の布オムツさえカビなきゃ御の字だ・・・と今から腹を括っております。ハイ。
で。
いきなりのネガティブキャンペーンから始まってしまいましたが、本題は「エラブよいとこ一度はめんしょり(いらっしゃい)」。そう、カビるだけの島じゃないのよ、と(笑)。
鹿児島本土から南へ500キロ超、ほとんど沖縄といっていいくらいのところに、奄美群島のひとつとして浮かぶ沖永良部島は、お隣の与論島と同じく、ぺっちゃりと平たい、隆起サンゴでできた島です。
あまりに平べったすぎて、初めてフェリーで島に来た際には、「島が見えてきたよ」と夫に言われて甲板から水平線に目を凝らして、「え、どこ?」。
いちおう山らしきものもあり、その名も「大山」というのですが、私の感覚では完全に、丘。あれを山と呼ばれると、そのうち「本当の山が見たい」とか智恵子抄みたいなことを言い出しかねない自分を感じますが、この大山、自衛隊のレーダー基地にもなっており、実は密かに国防の重要拠点となっています。
島のセールスポイントといえば、もちろん美しい海と、降るような星空・・・と、南国の定石ではありますが、エラブの海の透明度の高さは、世界中のダイバーの垂涎の的です。いやマジで。
それに、いい意味で観光地ズレしてないのが、旅人目線で見るとたまらなくチャーミング。個人的なイメージでいうと、かわいいおじいちゃんがちょっと目をそらしながらハニカミ気味に「てへ。めんしょり。」って言っちゃってるような・・・あ~萌えるわ萌える~。
・・・って、変態かワタシ。
ちなみに私が最近いちばん萌えたのは、先日オープンした新しいビジネスホテル、その名も「PARADAISU INN沖永良部」。PARADISEではなく、PARADAISUです。ザッツ、ローマ字。激萌えです。
とはいえ、素朴なだけかというとそうでもなく、都会でも通用しそうなおしゃれカフェや、イケてる古民家民宿、そしてウチの集落にはなんと、オカマバーまで!うぉー、熱いぜ沖永良部!!ってな感じなのです(主観)。
そして、熱い沖永良部島でさらに今もっとも熱いのが、ケイビング。俗にいう洞窟探検です。
サンゴでできた島の地下には実に200~300の鍾乳洞があり、その規模と鍾乳石の美しさは世界でも屈指のものなんだとか。で、そこにヘッドライトつけて狭いところにもガンガン入っていっちゃうぜ!地下水のプールで泳いじゃうぜ!というのが、エラブのケイビングです。
よじ登ったり潜ったり、そこそこアクティブなアミューズメントではありますが、公認ガイドが案内するので初心者でも気軽に参加できます。
これね、スポーツとしても非常に楽しいですけれど、登ったり潜ったりして辿り着く巨大な地下空間の美しさは、ちょっとオドロキですよ。これぞ南海の秘宝、って感じ。
仕事で、沖永良部島ケイビング協会のポスターに『地球の胎内を歩く』というキャッチコピーを書かせていただきましたが、本当に母なる地球の神秘を思わせる、なんともいえない荘厳な景観なのです。
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ちなみに私の夫も沖永良部島ケイビング協会の公認ガイドの一人なので、顔の濃い(あ、みんな濃いわ)ヒゲ面ガイドがやってきたら、それはたぶんタナカさんです(笑)。
では、また次回に。
読んでくださって、みへでぃろでょー(ありがとう)。