ritokei.comでは、全国の島々の広報誌やローカル誌に掲載された、地域の暮らしや文化が伝わる記事を紹介します。沖永良部島(鹿児島県)の知名町・広報誌「広報ちな」から、沖永良部島と与論島の合同チームによる離島甲子園初出場についての記事をお届けします。
初出場を果たした離島甲子園に密着!
8月17日から24日にかけて、沖縄県宮古島にて国土交通大臣杯 全国離島交流中学生野球大会(通称「離島甲子園」)が行われ、沖永良部・与論合同チームが初出場しました。全国の離島球児の夢舞台に立った14名の選手は、「島の誇り」と「ご支援いただいた方々への感謝」を胸に、一挙手一投足、全力でプレーしました。
全国の離島から24チームが参加した今大会で、沖永良部・与論合同チームはベスト16まで進出。初戦となった新上五島ファイブスターズ(長﨑県)との対戦では、投手を中心に、鍛え上げられた守備で猛追する相手を振り切り、4対2で初勝利を挙げました。
次戦では、壱岐市選抜(長﨑県)と対戦。今春、壱岐高校がセンバツ高等学校野球大会(通称「センバツ甲子園」)に21世紀枠で初出場するなど、島を上げた野球への取組が盛んな地域との試合では、7対2と敗戦してしまいましたが、今大会にて優勝した宮古島アララガマボーイズに敗れ第3位となったチームと互角の戦いを展開。交流試合では竹富町選抜(沖縄県)を相手に7対0と圧勝し、確かな爪痕を残しました。
開催地、宮古島の選手らが各チームを全力応援
沖永良部・与論島に新たな1ページが刻まれた今大会ですが、出場するためには250万円という参加費が必要です。この参加費には、大会運営費はもちろん、選手の移動費・宿泊費・飲食費等の全てが含まれており、毎年全国の離島で開催される中、移動する全国の離島球児たちの負担を均一にする目的があります。沖永良部・与論合同チームが初出場を果たした舞台裏には、保護者や指導者、企業の皆様、地域の方々など、多くの方々からご支援・ご協力をいただいた背景があります。出場した球児たちもこの事実を理解しており、選手たちからは感謝の気持ちを表す言葉が頻繁に飛び交っていました。
与論港 供利港にて田畑町長からの激励
また、球児たちが白熱したプレーを転じている陰では、各離島の自治体代表者などがグローカル人材育成をテーマとした意見交換を行う「離島甲子園座談会」も開催されました。
ただの野球大会と表現されてはそれまでですが、今大会を経て野球を通じた地域愛の向上、人間力育成などに繋がると実感しました。そして、全国の離島で暮らす子ども達との交流を経験することは、「島でもやれる、島からでも目指せる」などといった地域愛の向上や島のプライドを育む目的があります。百合の花咲く南の島のわらんきゃ、これからもきばりよ~!
本来出会うはずのない仲間との交流
夏のあとがき ~受け継ぎ、受け継がれるバトン~
沖永良部・与論島の長い歴史の中で、離島甲子園に初出場を果たした沖永良部・与論合同チーム。参加した中学3年生は高校へとステップアップします。貴重な経験を得た感想を選手や指導者に伺いました。
林 歩輝さん
離島甲子園では、試合ごとに成長していることが実感できました。 沖永良部・与論の2島から14名の仲間と監督・コーチ・審判・保護者、そして支援してくださったすべての方々のおかげで、この夏、僕たちは貴重な体験をさせていただきました。今度は、自分たちが島に恩返しができるように頑張ります! ご支援ありがとうございました。
西 雄大さん
たくさんの方の支援や応援を受けて夢の舞台に立つことが出来ました。僕たちのチームは、離島甲子園では珍しい海を越えて築いたチームです。他のチーム以上に話し、笑い、色々な選手たちとの交流もでき、とても楽しかったです。 最後に離島甲子園という素晴らしい大会に行けて本当に良い経験になりました。今回は沢山のご寄附などいただきありがとうございました。
林 歩輝さん
西 雄大さん
監督 鹿島 啓太郎さん
皆様のおかげで参加できました離島甲子園では、全国の様々な離島の中学生との交流を通して、野球の技術や取組む姿勢は勿論のこと、各島の話で大いに盛り上がり、それぞれの島の良さを再確認できました。また、宮古島での関係者・スタッフの皆様にもすごくお世話になり、子ども達も野球を通じて沢山の経験をさせて頂きました。この素晴らしい縁や繋がりを大切に、これからも離島甲子園に参加し続けられるように、沖永良部、与論の中学校野球を盛り上げていきたいと思います。
帯同審判員 林 伸仁さん
離島甲子園へ初参加という事もあり保護者、関係者も不安だらけだったと思います。しかし離島甲子園という大舞台で選手全員が躍動し、お互いの役割を果たしワンチームで離島甲子園を楽しんでいました。 この経験を糧に感謝の心や思いやりを持ち、野球を通して大人への一歩を学んで歩んで貰いたいです。離島甲子園の参加は有意義なものでした。これからも皆様のご理解とご協力を宜しくお願いします。
立役者兼コーチ 泊 和馬さん
この度は、第16回全国離島交流中学生野球大会(通称:離島甲子園)に出場するにあたり、地域の方々から多くのご支援、ご寄附を頂きましたことに、この場を借りてお礼申し上げます。今回、初出場することができ、プレイ以外での学びや経験を味わうことができました。島は違えど「同じ島人(しまんちゅ)」!野球を通じて出会えた沢山の方々の出会いも大切に、初出場して得ることのできた「幸恩(こうおん)」を今後の人生のテーマとして、チームスローガン「築」を心に秘め、新たな時代を築けるよう、選手・保護者・指導者と邁進してまいります。今後も野球を通して、地域に恩返しできる活動を続けていきますので、応援の程宜しくお願い致します。
保護者一同より
皆様のご支援・ご協力で初出場する事が出来ました。この場をお借りしてお礼申し上げます。宮古島での関係者・スタッフの皆様にもすごくお世話になり、子ども達も、野球を通じて沢山の経験をさせて頂きました。この経験を生かし、一段と飛躍してくれると事と思います。素晴らしい経験をさせて頂きありがとうございました!
離島甲子園とは?
【目的】地理的環境から島外との交流機会の少ない全国の離島中学生を対象に、野球を通じて「島」と「島」の交流を図ります。そして、新たな人間形成や健全な青少年の育成を促進することで、将来を通じて離島地域の振興に寄与することを目的としています。
【背景】国土交通大臣杯 全国離島交流中学生野球大会は、全国の離島中学生が一堂に会してトーナメント戦を行う軟式野球の大会です。「まさかり投法」により、通算215勝を挙げ、日本プロ野球名球会、野球殿堂入りも果たした故 村田兆治氏が大会を提唱しました。伊豆大島での第1回大会(2008年)を皮切りに、全国の離島を巡って毎年夏に開催されます。参加チームはトーナメント形式で優勝を目指し、負けたチームも交流試合を行います。また、離島交流を目的とした開会セレモニーやさよならパーティ、「まさかりドリームス」による野球教室が行われるなど、様々なイベントも開催されます。
南の島の食が魅力的!知名町のふるさと納税返礼品
奄美群島・沖永良部島の西側に位置する知名町のふるさと納税返礼品は、赤土と太陽が育んだ南国フルーツや、日本一早く収穫される新じゃが、シマ桑茶、豊かな海で育ったイセエビ、伝統工芸品、さらには現地での観光体験までバラエティ豊かに揃っています。寄附金の使途は「保健・福祉」「地域活性化」「環境保全・整備」「未来を担う人材育成」などから自由に選択可能です。全国の離島ファンや奄美群島・沖永良部島ゆかりの皆さまにとって、島の食や体験を楽しみながら知名町を応援できる絶好の機会。ぜひ知名町の魅力を存分に体感してください。
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