つくろう、島の未来

2022年01月18日 火曜日

つくろう、島の未来

宇宙のように広く深い島文化の世界を知る本をご紹介。リトケイ編集部からのオススメ本に加えて、全国の離島地域にある図書館や私設図書室の皆さんがオススメする「初心者向け」「玄人向け」「司書さんのいちおし」の本も紹介します。ここでは、姫島(ひめしま|大分県)から宮古島(みやこじま|沖縄県)まで37冊をご紹介します。

※ 紹介いただいた本の中には絶版のものや一般流通していない書籍も含まれます。ぜひ、現地の図書館で読んでみてください。

※この記事は『季刊ritokei』36号』(2021年11月発行号)掲載記事です。フリーペーパー版は全国の設置ポイントにてご覧いただけます。

34『ふしぎな石と魚の島』
椋鳩十 作・山中冬児 画(ポプラ社/1981)
大阪からの一人旅で叔父さんの住む大分県の姫島へやってきた三五。いとこの春夫(中1、同級生)と三五が島の歴史を探求していく様子に、読者は引き込まれ、島を守りゆく使命感に駆られます。

35『姫島 その歴史と文化(増補改訂)』
髙橋与一 著(大分合同新聞社/1989)
昭和63年、同タイトルで大分合同新聞に掲載された60回の原稿を収録。文字数制約のため推敲され引き締まった文章からは、更なる島の歴史の深さに興味を抱かされます。

36『忍者サノスケじいさん わくわく旅日記〈35〉やさしいおひめさまの巻』
なすだみのる 作・あべはじめ 絵(ひくまの出版/2010)
山で見つけた珍しいチョウの羽には「ひめしま5月20日3年えり」の文字が。サノスケじいさんは、忍者学校で同級生だったやはずたろうじいさんを訪ね大分県姫島へ。楽しい児童書です。

推薦人:姫島村中央公民館図書室 明石瑠美さん

37『種子島の焼物 能野焼から種子島焼へ 再興に尽力した人々』
濱地光男著(ブックウェイ/2020)
江戸から明治にかけて島を代表する焼物として生活文化を彩った能野焼が、一時の低迷を経て種子島焼となり再興を果たした歩みを紹介。焼物から種子島の歴史と文化を知る1冊。

38『名も知らぬ遠き島より ひとり身の渚を枕に[種子島・屋久島・吐噶喇]亜熱帯漂流』
日高恒太朗 著(三五館/2006)
種子島に生まれ、ノンフィクション・ライターとして活躍する著者が、大和文化の最南端であり、琉球文化の最北端である「誰も知らない国境の小さな島」を追いかけた作品。

39『木にならう 種子・屋久・奄美のくらし』
三輪大介 編・盛口満 編(ボーダーインク/2011)
戦前戦後の島の歴史や伝統、暮らしの知恵を聞き書きでまとめる島の生活誌シリーズの第7弾は、「木」と生きる島の生活文化や価値観を学ぶ1冊。他シリーズもおすすめ。

推薦者:リトケイ編集部

40『はじまりのかたちー屋久島民具もの語りー』
古居智子 文・黒飛淳 絵(NPO法人屋久島エコ・フェスタ/2013)
カミの領域である山を仰ぎ海を望む暮らしの中で、島人にいつも寄り添っていた道具を独特なイラストで表現、解説。淡い色合いでノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。

41『南日本の民俗文化誌4 屋久島の民俗文化』
下野敏見 著(南方新社/2011)
屋久島の周囲平坦地に、景観も違えば方言もやや違う集落が点在しています。それぞれの集落の特異な伝統文化の意義などに触れ、山をふくめた屋久島全体像を深く理解できます。

42『屋久島の地名考』
永里岡 著(朝日印刷/1988)
地史の研究で得た経験を生かして、地名を解読。目からうろこでおもしろい。今では使われていないことも多いが、著者の「地名は郷土の無形文化財である。」という一文はその通り!

推薦人:屋久島町尾之間図書室 前田伴子さん

43『郷土読本ふるさと三島』
三島村教育委員会 編(三島村教育委員会/1989)
島に伝わる話や、島に暮らす先輩方の話が盛りだくさんな本書。三島を知りたいと思った時のはじめの一冊に、お子さんはもちろん、大人の皆さんにもおすすめです。

44『忘れられた島(復刻版 岩波写真文庫 森まゆみセレクション)』
岩波書店編集部 編(岩波書店/2008)
三島に暮らす人々の日常を切り取った写真集です。迫力ある写真からは、自然の美しさと荒々しさ、そしてそこに生きる人々の力強さが伝わり、胸がいっぱいになります。

推薦人:鹿児島県立図書館 本田咲美さん

45『私は忘れない』
有吉佐和子 著(新潮社/1969)
読み返すたびに「私は忘れない」という言葉の意味をかみしめています。そして、読み終えた後の静かな感動は、もうちょっとだけ私も頑張ってみようという気持ちを呼び起こしてくれます。

推薦人:鹿児島県立図書館 本田咲美さん

46『トカラ列島秘境さんぽ』
松鳥むう 著(西日本出版社/2018)
島々の魅力がたっぷり詰まった本書を読めば、すぐにでもトカラ列島に行きたくなること間違いなし!可愛らしいイラストも楽しみながら“秘境さんぽ”の予習ができる本です。

47『トカラ 海と人と』
南日本新聞社 編(誠文堂新光社/1981)
鹿児島の地元紙、南日本新聞の記者の方々が見つめた、トカラ列島に暮らすことの「しあわせと不幸」。客観的に伝えられるレポートからは、たくさんの気づきが得られます。

推薦人:鹿児島県立図書館 本田咲美さん

48『悪石島民俗誌―村落祭祀の世界観―』
渡山恵子 著(南方新社/2021)
悪石島の祭りの世界観を論じている本書。祭りの準備段階からの丁寧な描写は、読んでいるうちに不思議と、自分も一緒に祭りを待っている気分になります。

推薦人:鹿児島県立図書館 本田咲美さん

49『ケンムンとぼくの夏』
永田萠 文・絵(渡博文ゆめ基金/2018)
奄美大島に伝わる妖怪「ケンムン」をテーマにした絵本。豊かな自然とおおらかな島の人々の暮らしを、都会からきた男の子の目線で描いています。巻末に英語訳も掲載しています。

50『島尾敏雄対談集 ヤポネシア考』
島尾敏雄 著(葦書房/1977)
鹿児島県立奄美図書館の前身である奄美分館の初代館長・島尾敏雄氏の著書です。琉球弧を中心として日本を捉える「ヤポネシア考」という発想を提唱した島尾の代表作の一つ。

51『奄美の人・くらし・文化 フィールドワークの実践と継続』
民俗文化研究所奄美班 編・植松明石 監修(論創社/2016)
大学のゼミ実習をきっかけに、約40年にわたり行われた聞き取り調査をまとめた一冊。衣食住の習慣や年中行事など、奄美大島に伝わる独特の民俗文化を知ることができます。

推薦人:奄美図書館キャラクターあまぽん

52『与論方言辞典』
菊千代・高橋俊三 著(武蔵野書院/2005)
与論島の伝統文化を守るため、昭和40年代に与論民俗村を創立した菊千代さんが方言学の研究者の協力を得て完成させた方言辞典。800ページ超に約15,700の語句が収録される。

推薦者:リトケイ編集部

53『うふあがり島』
宮城愛子 文・さきやまさちろう 絵 環境省那覇自然環境事務所 作(環境省那覇自然環境事務所/2016)
南北大東村を代表する動物といえば、ダイトウオオコウモリ。日本のオオコウモリ中最も美しい、ともいわれる彼らと、人間との共生を考える絵本です。

54『北大東村誌』
北大東村誌編集委員会 編(北大東村役場/2017)
『南大東村誌』
南大東村誌編集委員会 編 改訂(南大東村役場/1990)
南北大東村はそれぞれに複雑な歴史を歩んでおり、それぞれに村誌を発行しています。どちらとも、島を知る資料として圧倒的ボリュームで文化・歴史などを網羅しており、郷土レファレンスの必携本です。

55『大東島 南と北のモノローグ うふあがり島 2006〜2017 石引まさのり写真集』
石引まさのり 著(ボーダーインク/2018)
南北大東島の風景や人が、くっきりとした色彩の写真で鮮やかに描かれています。島のひとびとの暮らしもカメラに収められていて、まるで知り合いに会ったような温かさを感じられます。

推薦人:沖縄県立図書館 大嶺花さん

56『「綾道(あやんつ)」シリーズ(宮古島市neo歴史文化ロード)』
(宮古島市教育委員会/2012)
史跡や拝所等が地区ごとに写真付きでまとめられている本です。全ての漢字にふりがなが振ってあり、コラムなども所々にあり、読みやすいです。この本を読めば宮古の歴史や文化が分かるはず! 写真提供:宮古島市教育委員会

57『ユナンダキズマ むかしの暮らし(宮古島市史資料6)』
謝敷正市 著(宮古島市教育委員会/2015)
この島の住人が実体験を語ることで当時の宮古の暮らしぶりが分かります。トピックごとに分かれているので読みやすく、また方言や歌謡についてもまとめてあり、上級者でも楽しめそうです。 写真提供:宮古島市教育委員会

58『くまからかまから(宮古島方言マガジン傑作選)』
くまからかまからライダーズ 編著(ボーダーインク/2006)
島出身の方々が書いた方言まじりのエッセイ集。方言もですが、エッセイとしても楽しめるので、宮古の方も島外の方も楽しく読めて、島の文化も分かることうけあいです。

推薦人:宮古島市立図書館 新城理恵さん

59『海と島の思想 琉球弧45島フィールドノート』
野本三吉 著(現代書館/2007)
社会福祉の研究を本業とする著者が、沖縄の島々を歩いた旅のエッセイをまとめた1冊。琉球弧の島々にある暮らしや文化、歴史、思想にじっくりと思い馳せることができる。

60『島の手仕事 八重山染織紀行』
安本千夏 著(南山舎/2015)
八重山諸島で染織文化をつなぐ人々の姿や想いに、歴史や道具の使い方など民俗学的な資料が詰まる名著。島の伝統文化と島人の言葉に、人が生きる意味までも問いたくなる。

61『約束の島、約束の祭』
箭内博行 著(情報センター出版局/2008)
八重山諸島に魅せられたフォトグラファーによるノンフィクション。竹富島の種子取祭に、与那国島のマチリ、波照間島のムシャーマなど、紹介される文化はどれも美しく尊い。

推薦者:リトケイ編集部

62 新版 日本の島ガイド『SHIMADAS(シマダス)』
日本離島センター 編(日本離島センター/2019)
2019年、15年ぶりに改訂されたSHIMADAS。掲載島数はなんと1,750島。巻末の地図ページでは日本列島を俯瞰することができる。ぜひ手元に置いておきたい1冊。

推薦者:リトケイ編集部

63『季刊しま』267号
日本離島センター 編(日本離島センター/2021)
最新号は離島医療特集。人員や機器が限られた島の環境で、どのように医療を提供するか。島に特化した研修システムやICTを活用した医療サービスなど、離島医療のあり方を紹介。

64『海に生きる人びと』
宮本常一 著(河出書房新社/2015)
壱岐や対馬、舳倉島の海人の暮らしや、捕鯨で栄えた島々、廻船業で栄えた小豆島や塩飽諸島など、海に生きる人々が辿ってきた歴史や育まれてきた民俗、文化が紹介される。

65『図説 日本の島ー76の魅力ある島々の営みー』
平岡昭利・須山聡・宮内久光 編(朝倉書店/2018)
離島地域の研究者や専門家らがその視点で、国内76島の地理、自然、歴史、産業、文化などを紹介。海域によって異なる島の違いから、近年の島おこしまでが島ごとに論じられる。

66『ものと人間の文化史175島』
田辺悟 著(法政大学出版局/2015)
島に生きるということはどういうことか。日本や世界の島々をめぐった著者が、島という存在に秘められた文化的要素を掘り下げる。「シマ」が持つ意味を改めて紐解きたい方へ。

推薦者:リトケイ編集部

67『島 日本編』
長嶋俊介・仲田成徳・斎藤潤・河田真智子 著(講談社/2004)
日本の島々を歩く研究者や作家らが、無人島6島をふくむ全73島+104島を紹介。収録されるコラムや鼎談から、知る人ぞ知る島々の生活文化や価値観を知ることができる。

68『宮本常一旅の手帖 愛しき島々』
宮本常一 著・田村善次郎 編(八坂書房/2011)
昭和38年から55年までさまざまな媒体で発表された著書の論考をまとめたシリーズの1冊。冒頭の「日本の離島」を読めば、日本の島々の成り立ちを俯瞰してみることができる。

69『海上の道』
柳田国男 著(KADOKAWA/2013)
ヤシの実の漂流や地域による風の名の違いから”海上の道”を辿り、「日本人はいかにして渡ってきたのか」を考える。島の神話や暮らし、文化など島国に生きた祖先たちの思想を辿る。

70『日本のすごい島調べ事典3(島の文化・芸術・歴史)』
(教育画劇/2014)
島国・日本の姿をわかりやすく解説する小学校高学年向けの島事典。3作目は「島の文化・芸術・歴史」がテーマ。豊富なイラストや写真から島文化の多様性を学ぶことができる。
推薦者:リトケイ編集部

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