つくろう、島の未来

2022年08月12日 金曜日

つくろう、島の未来

子連れ旅も安心なフェリーや、夕日を眺められる絶景スポット、島の暮らしに根付く古典相撲や巨木信仰などなど……多彩な魅力にあふれる隠岐諸島への旅を、地元在住の“島ライター”がご案内。隠岐観光協会のウェブサイト『隠岐の島旅』とのタイアップにて公開します。

取材 イザベラ・ラチンスカ
ポーランド出身。母国大学の日本学科の卒業者で、日本留学の経験者です。趣味は個人旅行で、日本の47都道府県を旅することを目指しています。隠岐の島町で国際交流員として働いているときに見た、経験した隠岐のことを紹介します。

欧州出身ライターが心惹かれた隠岐の夕日絶景スポットTOP5

日出国にある日が沈む諸島。沈んでいる太陽に染めた空の色は隠岐の特色ではないか、と言いたくなるほど、夕日絶景が見えるスポットはたくさんあります。その中では(個人的な意見で)最も魅力的なTOP5を紹介します~!

日本と言えば、「日出国」ではないですか?

この質問を母国のポーランドの皆さんに聞いてみれば、「うん、うん!」と頷きながら肯定的に反応してくれると確信しています。なぜなら、ポーランド語では会話の中で同じ単語を繰り返すと「センス悪いから、嫌だ」と思われてしまいます。だから、日本について話すときは、「日本」だけでなく日本を表すロマンチックな類語として「日出国」という美称をよく使っています。そのことから、日本と言えば、富士山を背景に空に浮かんでいる太陽のイメージは強いかもしれません。

しかし、日本のどこでも同じではなく、地域別のことがけっこうあるよ、ということが初めて来日した時からよく分かりました。そして、この「日出国」の片隅、隠岐諸島(おきしょとう|島根県)で見つけた圧倒的な美しいものは日の出ではなく夕日でした。確かに、朝日もきれいですが、隠岐ならでは自然に取り巻かれて楽しく過ごした一日の最後に、太陽を見送ることはやっぱり最高だと思います!

それでは、隠岐の夕日絶景スポットTOP5を紹介したいと思います。他にも夕日が見えるスポットがたくさんありますが、私に言わせば、こちらは間違いないです。

油井前の州(隠岐の島町)

西郷港で車に乗って、50分ほど島を西回りに進めば、油井(ゆい)地区に着きます。小さい漁港で駐車してから、さらに右の方へ進んだら、海が浅い場所がすぐに見つかります。それは日本海の波と風による形成している浸食棚です。隠岐の島町の他の地区にもありますが、油井にある浸食棚は最大で、日没時間になると—

油井前の洲

まるで巨大な鏡のようです。

水平線に落ちる太陽とその光に染めた空、それだけは十分にきれいなのに、双方を映している穏やかな海面を加えるなら、息を飲むほかないなーとこの絶景を初めて見たときに思いました。

さらに、油井前の州の夕日絶景のおもしろさは単に見て楽しむだけではなく、体験できることです。例えば、サンダルのまま海に入ると、足元に空が広がっているよ!のような錯覚を楽しめます。太陽と「遊ぶ」写真もいっぱい撮れます!

足元には?
太陽をキャッチできた女性

赤壁(知夫村)

知夫里島(ちぶりしま|島根県)の来居港から車にのり、島のタヌキに観察されている中、そして道路に出る時には牛に「失礼します!」と言いながら、20分ぐらいのドライブで到着できる赤壁。ここを見ずには知夫里島から帰れない赤壁の見どころは断崖絶壁です。その鮮やかな赤色は、大昔にこの場で起こった火山噴火を垣間見せるもので、このTOP5に赤壁を入れた理由でもあります。

え、どういう意味?と思っている人がいるかもしれませんので、早速説明します。

日没時間の30分ぐらい前に、赤壁展望台から夕日絶景をゆっくり楽しんでいると、もう一つおもしろいことを気が付きました。

太陽が水平線に近づければ近づくほど、なんと!赤壁の色が変わっていくのです。

日没32分前の様子
日没13分前の様子
日没直後の様子

赤壁と沈んでいく太陽が、1枚の写真に収まるアングルで撮れないのはちょっと残念ですが、インスタ映えの夕日と共にそのときにしか見えない赤壁の様子を楽しめるので、最上の経験ではないかと思います。

夕日もきれいです

乙女子海岸(隠岐の島町)

ここは穴場ですよ!

西郷港から車で20分ほどで着く、奥津戸(おくつど)地区で泊まるなら散歩でも行ける乙女子(おとめこ)海岸では、なんか隠されているような感じがします。私も初めて乙女子海岸へ行ったとき、グーグルマップでちゃんとピンを押して、進んでいたのに、「マジでここなの?」と思いました。しかし、おとなしくナビに従って、到着!

夕日を浴びた白い崖

すぐ目に入ったのは白っぽい崖です。ポーランド人からするとそれはなかなか珍しくて、イギリスのドーバーにある「ホワイト・クリフ」を思わせられます。ただ、乙女子海岸はチョークではなく、アルカリ流紋岩という岩石で形成しているので、隠岐の成り立ちへのヒントになります。

この白い崖に座った私は、海の方を見ると、わー!

島前に落ちている夕日

そこまで美しいことに心の準備をしなかった!と思いました。島前の3島に落ちている太陽、パステルカラーに塗られた海と空、乙女子海岸から見た夕日絶景は生の絵画のようでした。パシャと写真を撮ったりして、夕焼けもその美しさを楽しんでいました。

木路ヶ埼(海士町)

「ないものはない」のキャッチコピーを揚げた町ではさすがに美しい夕日も見られます。それは海士町の最南端にある、島前湾内が一望できる木路ヶ埼(きろがさき)です。菱浦港より30分ぐらいかかりますが、車の窓から景色を楽しんだ私にはこの時間はあっという間に経ちました。

さて、木路ヶ埼に到着!駐車場のすぐ隣に灯台があり、地面にハート模様で可愛くした大きいコンパス図も書いてあります。灯台の後ろには、知夫里島という島前3島の最小島が挨拶で手を振りたいほど近く見えます。それをオレンジ色に塗ってくれる夕日を加えると—

ロマンチックではないか?

「ロマンチックでなくてなんだろう?」と思いました。私だけの考え方かもしれませんが、灯台と夕日、各自にはこのような雰囲気がありますので、双方を組み合わせたら、なんかテレビドラマの場面みたいです(笑)!
ちなみに、日没が5時過ぎの春と秋に木路ヶ埼を訪れる人は、夕日絶景のプラスアルファとして本土から帰って来るフェリーの姿も楽しめます。

本土から帰って来るフェリー

ローソク島(隠岐の島町)

五箇(ごか)地区沖で浮かぶローソク島。このちっちゃい島は高さ約20mの細長い岩はあり、沈んでゆく夕日がその先端に重なると、まるで火が灯ったキャンドルのようです。そして、この瞬間に取ったローソク島の写真は、隠岐の島町観光PRのどのポスターにも必ず載せてあります。(私が見た限りですね。)

自分の目で見に行こうと思いましたが。。。いつでも、必ずそれが見えるというわけではありません。ローソク島の「火が灯った」様子は、4月~10月に運営している遊覧船からしか見えないためです。だから、実際にどこかへ行く前に、前日までは遊覧船を予約して、当日にも「出航は予定通り!」のことを確認すべきです。

双方ができた私は、指定した出発場所(福浦岸壁港)に到着してから、遊覧船に乗りました。海岸に沿って目的地へ進んで、そばを通った岩のアーチや岩窟など、隠岐らしい景色も楽しんでいました。

まだまだの様子

やっと、ローソク島に着きました。夕日がその先端に近づいてくることを待っていると、やっぱりわくわく!

火が灯ったローソク島

すげー!ローソク島が巨大なキャンドルになった瞬間、これ以外の言葉が出ないほど感動しました。海の空気を吸って、隠岐の自然が作った夕日絶景を見て、「来てよかった!」と思いました。

隠岐の夕日絶景スポットTOP5はここまでです。紹介した中からどこでも素敵な時間を過ごすと思いますので、この「日出国」の片隅、隠岐諸島を旅すると、沈んでいる太陽を見送りましょう!

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