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寄稿コラム

【連載】伊豆大島「kichi」で繰り広げられる日々のモノコト #03 夏ゼミとの出会い

伊豆諸島北部に位置する伊豆諸島最大の島、伊豆大島。移住から5年経つ今も、島の魅力発掘の冒険にいそがしいデザインユニット「トウオンデザイン」。彼らが運営しているコミュニティースペース『kichi』での活動や日々の出来事をつれづれに。

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kichiオープンに向けていろいろと準備を進めている中で素敵な出会いがありました。

きっかけは2012年の6月初旬に受信した1通のメールでした。

送信者は建築学生6大学ワークショップ「夏ゼミ」の当時の代表である阿部さん。
メールには“夏に開催される伊豆大島夏まつりのお手伝いをしたい”旨が書かれていました。

ちなみに、「夏ゼミ」とは関東関西6大学の建築学生による合同ワークショップで、
建築を通して様々な人と交流し、建築学生らしい夏を楽しむ団体。

そして、伊豆大島夏まつりは島の一大イベント。毎年多くのお客さんで賑わいます。

阿部さんからのメールは、お祭りの中で開催される花火大会を鑑賞するための造作やインスタレーションを制作して来場者の人たちに利用して欲しい。というものでした。

さすが、建築学生!これはおもしろそう!!
……とは思ったものの、夏季の島はイベントが多く、どのイベントも少ない人員の中で準備を進めているので、既存イベントに組み込むのはサポートする側としてちょっと難しいかなと思いました。

しかし、「夏ゼミ」が取り組んでいることは大変興味深かった。そこで、日ごろからお世話になっている東京都大島支庁産業課の鈴木さんに早速相談してみました。鈴木さんもすぐに興味を示してくれて、ぜひ、取り組んでいこう。と快諾してくれました。

そして、夏ゼミの幹部学生の皆さんを伊豆大島に招き、夏ゼミのこれまでの活動を伺い、伊豆大島での今年の取り組みについて検討し合いました。

kichiのコンセプトのひとつ、“島内外をつなぐ”。

今回の夏ゼミとの出会いにより、早くもひとつのカタチとして動き出しました。

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早速、今回のプロジェクトの候補地を探すべく、伊豆大島随所をまわり実現可能性の高い場所をいくつかピックアップしていきました。

そんな中、伊豆大島の老舗宿泊施設「ホテル椿園」の敷地内の奥まったところに老朽化が進み倉庫化していた建物「椿亭」に出会います。

「椿亭」は1961年に開園したホテル椿園のユースホステルや宴会場として利用され、一時は大いに賑わったそうです。伊豆大島に300万本あるといわれる椿の木をそのままの形で建物の柱に利用している個性的な空間。これは伊豆大島に相応しい建物だと思いました。

「椿亭」を現在の地域の状況やニーズを考えて生まれ変わらせようと夏ゼミは決めます。

その後、夏ゼミの皆さんは「椿亭」所有者であるホテル椿園のご主人に椿亭のリノベーションを提案します。ご主人は快く承諾。ご主人からの要望は建物の再生と同時に、島民の方々が交流できる多目的空間を作って欲しい、とのことでした。

それから、それぞれの大学に戻り、各チーム毎にアイデア出しや企画資料や模型の制作、伊豆大島に来島した際は現地視察やkichiでのミーティング等を重ねていき、さまざまなプランを考えていきました。

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そして、「夏ゼミ」が出したひとつのこたえ、それは「記憶の再開」。

「記憶の再開」とは、つまり、たくさんの思い出が詰っている「椿亭」はホテル椿園の歴史の一部でもある。

そんな場所に、ホテル椿園が所有している写真や地域の方々の思い出写真、大島の歴史や文化の写真、そして夏ゼミの学生から見た大島の魅力を撮った写真を集めて展示できるようなスペースができれば、自然と人々が集まる交流スペースへと発展するのではないか。

そう、「椿亭」がいわば伊豆大島のアルバムになるのです。

2012年8月29日、総勢61名の夏ゼミメンバーは夜に竹芝桟橋より出港する大型客船に乗り込み伊豆大島に来島。9月2日のお披露目イベントまで3日間、皆で一致団結し、徹夜を重ねながら、ひたすら作業をすすめていきました。

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そして、9月2日。61人の手で生まれ変わった「椿亭」を島の皆さんに見てもらうべく、いよいよ「夏ゼミ・椿園プロジェクト記憶の再開」という名のワークショップイベントが開催されました。

夏ゼミ広報班は事前に島内のスーパーや主要機関にチラシを配り、島民の皆さんにイベントの告知及び、島の好きな写真や思い出の写真を持ってきてくれるようにお願いしてまわっていました。

おかげで、当日は多くの島民が集まり、椿亭にはいろいろな思いの詰まった写真が並びました。

再び、伊豆大島のアルバム(椿亭)が開かれたのです。

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イベント当日は我々kichiのメンバーも島の食材を使った創作料理や郷土料理を販売する屋台「つばきッチン」で参加、イベント会場を盛り上げました。

この「つばきッチン」。名付け親は当時の夏ゼミ副代表の守礼寿多さん。
それ以来、「つばきッチン」はkichiのお料理部門を担っていくことになります。

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イベントは大成功。参加した方々が皆それぞれに伊豆大島のことや皆で作り上げることの楽しさ等、何かを感じて頂けたのではないかと思います。

さて、そんな夏ゼミですが、今年もやります!
今年も伊豆大島を舞台に喜びや感動を分かちあう熱い日々がやってきます。
それはまたこちらの連載コラムでもご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに!

〈 次回へつづく 〉

離島経済新聞 目次

【連載】伊豆大島「kichi」で繰り広げられる日々のモノコト

伊豆諸島北部に位置する伊豆諸島最大の島、伊豆大島。移住から5年経つ今も、島の魅力発掘の冒険にいそがしいデザインユニット「トウオンデザイン」。彼らが運営しているコミュニティースペース『kichi』での活動や日々の出来事をつれづれに。

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