つくろう、島の未来

2021年12月07日 火曜日

つくろう、島の未来

山口県周防大島出身の民俗学者 宮本常一氏の著書に導かれて、2013年2月より瀬戸内海の島、屋代島で周防大島町地域おこし協力隊として活動を始めた、島記者 三浦の島歩きコラム。

浮島の人々

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[宮本常一撮影(昭和35年10月) / 周防大島文化交流センター所蔵]

2013年2月から暮らしはじめたのは、周防大島という島を東西に分けた時、その中心部に位置する日良居(ひらい)というエリア。あくまで地理的な中心部ですが、地域おこし協力隊の事務所も役場の日良居出張所の中にあります。その出張所の近くには、日前港(ひくま)という港があって、浮島(うかしま)という離島に渡船が出ているので、僕にとっては一番身近な離島が浮島ということになります。その浮島と日前港を結ぶ船が日良居丸。1日4往復、一番近い江ノ浦までは約15分で渡ることができます。

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そして、この人が日良居丸船長の山本英樹さん(51歳)。日頃は要らないこと(?)までよくしゃべるおじさんですが、いざ取材となったら黙ってしまいます。
三浦「浮島のどんなところが好きですか?」
山本「いいとこなんて、無いよ」
三浦「じゃあ、どんなところが嫌いですか?」
山本「そんなん悪口みたいになるから、言われへん」
三浦「どうして浮島の船長になったんですか?」
山本「…………」
と、こんな感じ。笑

それでも、僕に浮島との接点を作ろうといろいろしてくれたのが山本船長。
2月に周防大島に来て間もないころから「浮島に遊び来いや。浮島来て、地域おこし考えぇ」とか。「あんた田んぼやりたいん?浮島で田んぼ辞めたい言う人おるから、聞いちゃるよ」とか。「浮島の漁協来て船の免許取りんさい。口利いちゃるけ、安うなるよ」とか。「わしが辞めたら、あんた日良居丸乗りんさい」とか。最初のうちは強引なおじさんだな…と少し敬遠してたんですけど、だんだんと山本さんのペースに引き込まれました。実際、初の浮島は山本船長に島中を車で案内してもらったのでした。

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このコラムの原稿を書いているまさに今、地域おこし協力隊の事務所を訪ねてくれたのが浮島の若い漁師さん3人組で(以前、その内のひとり山根さんを紹介してくれたのも山本船長でした)、「漁師の嫁に来てくれるようなイベントはないんかね?」という相談。

といっても3人は既婚。島で独身の漁師さんは5〜6人くらいで、この漁師さんたちがめでたく結婚して、その子どもたちが漁師になることが島の安定に繋がるんじゃないか、ということで「ちょっと世話焼きがしたいみたい」とのこと。

「漁師メシを食べさせてあげるツアーをしてみたら?」とか、
「元々ある島のお祭に人を呼んでみたら?」とか、いくつか提案をしてみたところ、
「じゃったら、浮島三大祭じゃ」と。浮島三大祭?

詳しく聞いてみると、江ノ浦、楽ノ江、樽見という3つの集落がそれぞれに、9月下旬から10月上旬にかけて、3週続けて毎週土曜日に秋祭りが開催されるのだそう(浮島では土曜日が休漁日なので、ほとんどの人が土曜日がお休みになる)。

今年でいうと、9月21日(土)は江ノ浦、これは御神輿が出るような、いわゆるお祭。9月28日(土)は樽見、とにかく家飲み。他の集落からも人を招いて家でひたすら飲むそうです。

そして、10月5日(土)が楽ノ江で島民運動会。本来、楽ノ江にあるこの島の唯一の小学校である浮島小学校の運動会なんですが、全校児童9名では淋しいので、島民全員参加で盛り上げるわけです。言ってみれば、島民全員が児童の家族か、卒業生か、何かしら小学校と関わりを持つ人たち。僕も島民全員が集結する大運動会はちょっと見てみたい。ということで、移住したその年の運動会を見学させてもらうことに。

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そこで、僕がもっとも感銘を受けたのは、島に古くから受け継がれている「えびす舞」という歓迎の舞。口頭伝承なので、その年ごとに微妙な変化を続けているそうですが、子どもたちが歌い踊る姿をひと目見て感激しました。このえびす舞を観るためだけでも、船に乗って浮島に渡る意義があると思います。みなさんもチャンスがあれば、ぜひ!


〈浮島データ〉

面積:2.30k㎡/外周:6.80km/人口:234人(101世帯)/高齢者比率:41.45%
※平成25年4月1日現在

〈周防大島~浮島 町営渡船〉

大人320円/小児160円

便 樽見発 楽ノ江 江ノ浦 日前着 日前発 江ノ浦 楽ノ江 樽見着
1 7:10 7:18 7:26 7:40 8:00 8:14 8:22 8:30
2 10:00 10:08 10:16 10:30 11:30 11:44 11:52 12:00
3 15:00 15:08 15:16 15:30 16:50 17:04 17:12 17:20
4 17:25 17:33 17:41 17:55 18:00 18:14 18:22 18:30

問い合わせ先:周防大島町役場

離島経済新聞 目次

【連載】周防大島、宮本常一の島をあるく

山口県周防大島出身の民俗学者 宮本常一氏の著書に導かれて、2013年2月より瀬戸内海の島、屋代島で周防大島町地域おこし協力隊として活動を始めた、島記者 三浦の島歩きコラム。

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