つくろう、島の未来

2024年12月14日 土曜日

つくろう、島の未来

九州と沖縄の間に浮かぶ奄美群島の沖永良部島(おきのえらぶじま)は、知名町(ちなちょう)、和泊町(わどまりちょう)の2町合わせて約1万2,000人が暮らす中規模の島。実は「ワーケーションにおすすめ」という沖永良部島に暮らす宮澤夕加里さんが、島のワーケーションスポットや滞在方法について全5回の連載で紹介します。(vol.1はこちらから)

(取材・宮澤夕加里)

豊かな自然に囲まれた離島でテレワーク。パソコンからふと顔を上げれば、目の前に広がる紺碧の海―なんて、最高ですよね。

ワーケーション滞在中、仕事をするときだけコワーキングスペースを利用するのも手ですが、宿に仕事ができる環境があるとよりフレキシブルな動きが取れそうです。

そこで、今回は沖永良部島でのワーケーションにおすすめの宿泊施設をタイプ別にご紹介します。

沖永良部島の宿事情

沖永良部島の宿泊施設数は決して多くはありませんが、ビジネスや休暇などの目的に合わせて選べる大小さまざまな施設があります。

団体旅行の受け入れができる大型ホテルが知名町と和泊町に1軒ずつ、客室数20~30室程度の中規模ホテルが和泊町の市街地に2軒、そのほかは個人経営の小規模施設がほとんどです。

高級ホテルはなく、価格帯はどこもリーズナブル。小さなビジネスホテルや民宿は1泊素泊り3,000円前後~、1棟貸しの宿は1名あたり4,000円程度~、施設が充実したホテルでも5,000円~7,000円程度で宿泊することができます。

生活用品が揃っていて暮らすように滞在できる1棟貸しの宿や、オーナーさんとの交流が楽しい農家民泊なども増えつつあります。

美しい海を一望する宿ももちろんあるのでリゾートステイもOK。ホームページのない施設もあるため、おきのえらぶ島観光協会へ問い合わせてみてください。

ビジネスにもバカンスにも、オールマイティーな大型ホテル

まず、ワーケーションにおすすめしたいのが、知名町の白浜港からすぐの高台に立つ「おきえらぶフローラルホテル」です。全71室の客室数は島内随一。シングル、ツイン、トリプルのほか、小さな子ども連れにうれしい和室もあり、ビジネスや家族旅行、団体旅行などに幅広く利用されています。

(写真提供・おきえらぶフローラルホテル)

館内にはモーニング・ランチ・カフェ・ディナーに対応したレストランがあり、地元食材を使ったメニューを提供しています。特にランチタイムはボリューム満点の日替わりメニューが食べられるとあって地元客にも大人気で、週末は満席になることもしばしば。

しかしワーケーションにおすすめなのは、実は、混雑が去った後のカフェタイムです。開放感があってWi-Fiも完備された空間で仕事に集中することができます。個室スペースもあるため、リモート会議に利用するのもいいかもしれません。

さらに、おきえらぶフローラルホテルには島内で唯一のサウナ付き大浴場があります(外来利用可)。大きなお風呂で旅の疲れを癒したい人にはおすすめのホテルです。

(写真提供・おきえらぶフローラルホテル)

ホテルから知名町商店街までは徒歩5分の距離にあり、買い物にも便利。特に夜間は地のものが食べられる飲食店が軒を連ねるので、ぜひ散策を楽しんでみてください。

おこもりステイなら、海に面した一棟貸しの宿

小さな子ども連れや中長期の滞在など、できるだけ人の目を気にせずプライベートな時間を確保したいという方におすすめなのが一棟貸しの宿です。

冷蔵庫やキッチン、洗濯機などの生活用品一式が揃えられているため自宅と同じように過ごすことができ、昨今は感染症対策の観点からも人気が高まっています。

知名町の屋子母(やこも)海岸からほど近い海沿いに立つ「コテージ ビーバー海」もその一つ。駐車場横の石段を下りると、そこは白砂のビーチ。リーフに囲まれた穏やかな海と水平線に沈む夕日の絶景を独り占めできちゃいます。

ベッドはリビングスペースに2台あるほか、秘密基地のような屋根裏部屋にも寝具が用意されており、最大7名まで利用することができます。

もちろんWi-Fi環境も整っているので仕事をするにも最適。疲れたら海でのんびりして、リフレッシュしたらまた仕事に戻る。そんな夢のようなワーケーション滞在が叶いそうです。

コスパ良しで外食や買い物に便利な街なかステイ

2020年、商店街の空き店舗をリノベーションしてオープンしたばかりの「47hostel」は、「安い・便利・清潔」の三拍子揃った人気の宿泊施設です。

飲食店が集まる和泊町の中心部に立ち、島に1軒しかない24時間営業のコンビニも徒歩圏内。施設の1階には居酒屋が入っているので、宿泊者同士の交流の場として利用してもいいかもしれません。

(写真提供・47hostel)
(写真提供・47hostel)

客室は2段ベッドが設置されたドミトリールームのほかに、和室、洋室もあり、個人・グループ・ファミリーなどさまざまな用途で利用が可能。ウィークリーやマンスリーの価格設定もあるため、中長期でさらにお得に滞在することができます。

共有スペースにはWi-Fi環境や電源が使用できるテーブルが用意され、デスクワークにも便利ですよ。

沖永良部島でのワーケーションにおすすめの宿泊施設を3軒、ご紹介しました。ひとくちにワーケーションと言っても、仕事と休暇の比重や誰と過ごすかによって、そのスタイルは大きく変わります。ご自身の目的に合った宿泊施設を選んで、充実したワーケーションを楽しんでください。

     

離島経済新聞 目次

ここがおすすめ。沖永良部島×ワーケーション

鹿児島と沖縄の間に浮かぶ奄美群島の沖永良部島。知名町(ちなちょう)、和泊町(わどまりちょう)の2町があり、両町合わせて約1万2000人が暮らす中規模の島は、実に「ワーケーションにおすすめ」という。知名町在住のライター宮澤夕加里さんが、沖永良部島でおすすめのワーケーションスポットや、滞在方法について全5回の連載で紹介します。

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