つくろう、島の未来

2021年10月22日 金曜日

つくろう、島の未来

九州と沖縄の間に浮かぶ奄美群島の沖永良部島(おきのえらぶじま)は、知名町(ちなちょう)、和泊町(わどまりちょう)の2町合わせて約1万2000人が暮らす中規模の島。実は「ワーケーションにおすすめ」という沖永良部島に暮らす宮澤夕加里さんが、島のワーケーションスポットや滞在方法について全5回の連載で紹介します。

(取材・宮澤夕加里)

【第1回】沖永良部島の快適な「ワーク」環境

仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を融合させた新しい働き方として注目を集めている「ワーケーション」。日本でも、従業員の有休取得推進や健康管理の観点から導入を進める企業が増えてきています。日常とは異なる環境に赴きリフレッシュすることで、新しいアイデアが生まれたり仕事へのモチベーションがアップしたりといった効果も期待できそうです。

そして今、国内のワーケーション目的地としてにわかに盛り上がりを見せているのが、離島です。都会で働くビジネスマンにとっては、船や飛行機を乗り継いで行かなければならないアクセスの悪さや物資が潤沢ではない不便ささえも“非日常”を感じさせてくれるポイントかもしれません。

しかしワーケーションにおいて重要なのは、快適な「ワーク」環境を確保し、「バケーション」時間とうまくバランスを取ること。不便なイメージが先行する離島でその両立が叶うのか……不安もあるはずです。

そこで今回は、私が住む鹿児島県・沖永良部島(おきのえらぶじま)を、ワーケーションの目的地選びのポイントとなる「ワーキングスペースの確保」「宿選び」「余暇時間の過ごし方」という視点からご紹介したいと思います。

沖永良部島ってこんなところ

まずは島について、簡単にご説明しましょう。

奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)と沖縄本島の中間に浮かぶ沖永良部島へは、鹿児島か沖縄から船または飛行機でアクセスします。自治体は知名町と和泊町があり、両町合わせて約1万2000人が暮らす中規模の離島です。

端から端まで車で40分ほどの島(面積93.65㎢)をドライブしていると、目に飛び込んでくるのは紺碧の海と赤土の畑。隆起サンゴ礁の平坦な地形とハブが生息しないという好条件を活かし、ジャガイモやサトウキビをはじめとする農業が盛んに行われています。

古くは琉球王朝の統治下にあったため現在も琉球文化が残っていますが、ここには沖縄のような洗練されたリゾートホテルや垢抜けたカフェはありません。演出されたテーマパークもありません。この島にしかない郷土料理や伝統工芸品もそう多くはありません。あるのは、農業を中心とする人々の営みと手つかずの自然。いい意味で観光地化されていない“素朴さ”や人懐っこい島人の“あたたかさ”に心掴まれ、ふるさとのように訪れるリピーターがいる島です。

おすすめのワーキングスペース

ゆっくりと「バケーション」を楽しむには申し分のない沖永良部島ですが、気になるのが「ワーク」環境です。

「電源」「フリーWi-Fi」「集中できる場所」をワーキングスペースに必要な “三種の神器” とするならば、さらに眺めがよかったり、コーヒーやスイーツでひと息つけたりといった「プラスアルファ」があれば言うことありませんよね。これらの条件を満たす、おすすめスポットをご紹介します。

まずは、おきのえらぶ島観光協会が運営するエラブココ。観光協会に併設して、打ち合わせやデスクワークに利用できるコワーキングスペース、個室シェアオフィス(月極契約者優先)、約30名を収容できるレクチャールームがあり、地元の人やビジネス客のコワーキング拠点として利用されています。

電源やWi-Fiが完備されているのはもちろんのこと、安価でコピーやプリントアウトができるのもうれしいポイント。仕事のついでにお土産の買い物や観光情報収集、美ら玉作り体験などもでき、一石二鳥のスポットです。

知名町立図書館は、旅行者にはあまり知られていない穴場スポットです。2階の自習スペースから望む青い海は絶景! 

冬場は運が良ければザトウクジラの潮吹きが見られることも。仕事どころではなくなってしまうかもしれませんね(笑)。

そしてもう一箇所おすすめなのが、おきえらぶ百貨店です。こちらでは安心安全な食材にこだわった手作り弁当やスイーツ、自家焙煎コーヒーを提供していて、仕事の合間の休憩にうってつけ。島の無農薬野菜の販売もしています。

この他にも、Wi-Fi環境が整ったカフェや施設は意外とたくさんあります。どこも都会のような混雑や喧騒とは無縁ですから、「ワーク」環境について懸念する必要はないかと思います。

託児施設もオープン

子連れでのワーケーションの場合、数時間だけ子どもを預けて仕事に集中したいといったケースもあるかもしれません。

令和3年1月にオープンしたばかりの一時預かり施設「そら・SORA」は、帰省や観光・ビジネス目的の旅行者も利用可能(※令和3年2月現在、新型コロナの感染状況確認が必要)。屋内でのおもちゃ遊びや制作だけでなく、天気のいい日は周辺散策にも連れて行ってくれて、子どもたちがのびのび元気に過ごせる施設です。別料金で、栄養士が考えたバランスのいい昼食やおやつの提供があるのもうれしいポイントです。

沖永良部島の「ワーク」環境はいかがでしたでしょうか。集中して仕事を済ませたら、あとは思いっきり「バケーション」。子ども連れでもメリハリのあるワーケーションが実現できそうです。

離島経済新聞 目次

ここがおすすめ。沖永良部島×ワーケーション

鹿児島と沖縄の間に浮かぶ奄美群島の沖永良部島。知名町(ちなちょう)、和泊町(わどまりちょう)の2町があり、両町合わせて約1万2000人が暮らす中規模の島は、実に「ワーケーションにおすすめ」という。知名町在住のライター宮澤夕加里さんが、沖永良部島でおすすめのワーケーションスポットや、滞在方法について全5回の連載で紹介します。

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