つくろう、島の未来

2024年12月03日 火曜日

つくろう、島の未来

2月23日、離島地域の暮らしや魅力について議論する「第233回 J.I.フォーラム 島のくらしから考える −淡路・奥尻・佐渡の魅力、生かし方−」(主催:一般社団法人構想日本)が東京都千代田区で開催された。

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登壇したのは、本土5島に次ぐ大きさの佐渡島(さどがしま|新潟県佐渡市)、本州及び四国と架橋されている淡路島(あわじしま|兵庫県淡路市 ※島内3市のうち1市)、北海道南西沖に浮かぶ奥尻島(おくしりとう|北海道奥尻町)の3自治体の代表者。

政策シンクタンクとして活動する一般社団法人構想日本が主催。離島地域の連携を模索していた淡路市が、佐渡市や奥尻町に呼びかけたことで実現し、当日は各島の関係者や島に興味のある人など75名が参加した。

構想日本の加藤秀樹代表がコーディネーターを務め、伊藤光氏(佐渡市・副市長)、門康彦氏(淡路市・市長)、田中敦詞氏(奥尻町・副町長)、片桐幸雄氏(構想日本政策アナリスト・島研究家)、平野秀樹氏(学校法人青森山田学園・本部長)の5名が島の暮らしや魅力、課題について討論を展開した。

はじめに国内外の離島でフィールドワークを行う平野氏が、悪石島(あくせきじま|鹿児島県十島村)や与那国島(よなぐにじま|沖縄県与那国町)、済州島(チェジュとう|韓国)などの事例を交えながら、離島地域の暮らしや仕事について紹介。

続いて、佐渡島、淡路島、奥尻島の3島を訪れ、島の暮らしについて現地調査を行った片桐氏が「架橋の有無や大きさの違いから3島の共通点は『海に囲まれている』という程度かもしれない。それぞれの島に個性はあるが、いずれの島でも住んでいる人たちは暮らしにはあまり不便と感じていない様子だった」と報告した。

片桐氏は、3島の現地調査で感じた島暮らしの長所について「強いコミュニティ」「家の鍵を締めないような安全性」「島で生活が完結している点」「島時間」「物々交換の文化がある」などを挙げ、短所として「人口減少が止まらない」「大学などに通いにくい」「医療・介護施設が少ない」「後継者不足」「働く場所がない」などを挙げた。

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その後、各島より文化や産業、教育などを紹介。

人口2,797人(平成29年2月末現在)の奥尻町の田中副町長は、「昨年、道立だった奥尻高校を町立に移管し、全国から生徒の募集を始めている」と教育環境について紹介した。

人口57,254人(平成29年3月1日現在)の佐渡市の伊藤副市長は「佐渡島には300以上の集落があり、昔から能や歌舞伎が盛んで住民が舞うという特徴がある」と文化面を強調。

門市長は「淡路島全体では約14万人が暮らしている。終戦直後は23万人いたが、江戸時代は7万人。人口減少と言われるが、どこを基準に考えるかが重要」と、暮らしを考えるうえでの視点の重要性について語った。

本土と橋で繋がり離島のなかでは最も人口の多い淡路島、国内の有人離島では最も広大な佐渡島、淡路島や佐渡島に比べると「離島」というイメージの強い奥尻島など、地理的環境に違いはあるが、「医療施設の整備」など各地に共通する話題には、他島の状況にうなずく場面も見られた。

構想日本の伊藤氏は「フォーラムを開催することが目的ではなく、このつながりをきっかけに個々の島の魅力や課題を広く島内外の人たちが知り、少しでも自分の事として捉えてもらい、最終的には島での暮らしの満足感がより高くなるようにしていくことが目的」と話す。

それぞれが持つ魅力や課題が共有される島同士の連携に注目したい。

【関連サイト】

構想日本ウェブサイト


J.I.フォーラム 当日の様子

     

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