【フジコちゃん、登場】小笠原諸島父島から石巻へライブツアーへ行ったホマレさんの特別ルポです。
[3]フジコちゃん、登場
ボランティア活動へ出掛ける前に、
常駐スタッフが持ち回りで現在の状況を発表する「心得」という時間。
僕は、自分の置かれている環境を思い知った。
「最近、震災前よりも余震が増えています。
この建物の周辺地域は、地震による地盤沈下と
津波による建物の崩壊が起きているので、
もしも前回と同じ規模の震災が起こったとしたら、
確実にその被害は前回よりも大きくなり、襲ってきます。
現場を少しでも離れるときは互いに声を掛けましょう。
震災時、行方不明者を探しに出た方が亡くなられ、
相手のほうは避難していて
助かったケースが多くあります。
また車で走行中は情報が入りにくいので、
地震を感じたら車を左端に停車させ、
窓を開け情報収集を心掛けましょう。
車を置いて避難するときは鍵を付けたまま、
緊急車両の邪魔になった際、
誰もが移動できるようにしましょう」。
元病院だったこの建物も、当然津波に襲われたとのこと。
そのため未だ上下水道の完全復旧がされておらず、
当然お風呂も使えない状態だ。
水道の蛇口付近には節水節電の張り紙がしてある。
そんなことを聞くと、
朝ミーティングで言われたトイレの使用法にも納得がいった。
「小は流れます!
大の方はユルイのは大丈夫ですが、
今日は固いなぁと思われる方はボランティア先でしてきてください!
それから紙を流すのは絶対ダメです!
拭いたら備え付けの缶に入れてください」・・・。
フジコちゃんの「スマイル・シード」とは?!
取り残され、気後れしていた僕たちのところへ、
フジコちゃんの登場!
「遅くなってごめんね~」とハグハグしながら
僕らの打ち合わせは始まる。
そう!彼女こそが僕を迎え入れてくれたNPO法人
「スマイル・シード」代表の黄本富士子さんだったのだ!!
「スマイル・シード」は【笑顔の種をまこう】を合い言葉に、
あらゆる個人・団体からの支援を取りまとめ、
一番良い状態で支援先へお届けするのを役割としている。
その他、「心のケア」を中心に
ワークショップ開催や子供の支援、植栽活動等、
多岐にわたっているのである。
頭のぐ~るぐる廻る彼女は、
今回のライブツアーの素敵なフライヤーを既に作成し、
様々なところへ貼り巡らせてくれていた。
それを見ると共催として「(社)日本カーシェアリング協会」とある。
この団体は震災で車を無くした方々へ、
共同で使用する車を無償で提供する活動をしている。
その他にも「てんぷらカー」と呼ばれる
食用廃油で走る車も保有していて、
彼らは廃油を調達するお願いの活動を行ったりもしているのだ。
ライブまで時間のある僕は、元石巻ボランティアのノブさんに、
被災地を案内してもらうことにした・・・。
(vol.4に続く)