「リトルコミュニティの経済学」ゲスト講師①『日本仕事百貨』代表 中村健太さん。地域にとって非常に大事な仕事をされている各講師の紹介と、注目理由についてお1人ずつご紹介します。
「リトルコミュニティの経済学」では、ゲスト講師によるお話、鯨本から講師へのインタビュー、受講生の皆さんを交えたディスカッションの3部構成にて、小規模・離島地域で生きる経済学を学んでいきます。
講師陣はそれぞれ、小規模地域の仕事・流通・産業づくりなど地域経済のベースとなる何らかの活動に関わられていますが、いずれも私自身が影響を受けた方であり、地域にとって非常に大事な仕事をされています。講師陣の紹介に加え、注目している理由についてお1人ずつご紹介していきます。
【第1回】日本仕事百貨 中村健太さん
生きるように働く人の求人サイト『日本仕事百貨』を運営している中村さんは、記事づくりのため日本全国を飛び回っています。サイトに集まる求人情報は都市部の仕事はもちろん小規模・離島地域の情報も多く、中村さんはそれぞれの地域に足を運びながら、そこにある「シゴト」と「働きたい人」を結びつけています
都会・田舎に関わらず、日本全国に「シゴト」は存在し、その仕事により働き手はお金を得て暮らしを成り立たせています。
離島経済新聞の取材中でも、私はよく島々の方に「仕事がない」と聞くことがあります。『日本仕事百貨』内の長崎・小値賀島(おぢかじま)の求人には、
ここで暮らしたいと思う人がいても、暮らすための仕事がない。
この島では、長いあいだ、地元でつくられたものを地元で消費するという自給自足の暮らしが営まれてきた。外貨を得なくても生活していける環境があったため、お金を生み出すしくみができてこなかった。(記事より抜粋)
という記載があります。
「仕事がない」。しかし、求人を出しているということは「働き手」が求められているということ。『日本仕事百貨』に掲載される求人には小値賀島のほかにも鹿児島・口永良部島の求人などもあり、そこには「仕事がある」のです。
「仕事がある」地域には働き手が集まり、その力が地域経済をまわす動力になります。そう考えると、中村さんが出逢ってきた小規模・離島地域は「仕事がない」とはいえ「人を求めている」地域であり、前向きに地域経済をまわそうとしている地域ではないかと思います。
前述の小値賀島の記事ではこういう記載もあります。
「島の人口が、年間100人ずつ減っているんです。今、2800人だから、このままだと28年後には一人もいなくなる計算です。そう考えると本当にリアルな問題ですよね。」(記事より抜粋)
小規模・離島地域に共通する問題をそれぞれの地域がどう乗り越えようとしているのか。「リトルコミュニティの経済学」では、「仕事」を通してさまざまな地域とふれあう中村さんに、前向きに進んでいこうとする地域の仕事やコミュニティの特徴について伺いたいと思います。
【第1回】2013年3月2日(土)13:00~14:30
「日本全国に点在する元気な地域で営まれている仕事とコミュニティの特徴」
日本仕事百貨 代表取締役 中村健太氏
生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」を立ち上げ、全国各地で 「自分ごと」「隣人を大切にする」「贈り物」な仕事を取材・紹介しなが ら、新しい仕事との出会い方の提供、生き方・働き方の多様性を伝える。その他、新しい出版レーベル「シゴトヒト文庫」の企画運営、まちおこしディレクター、各種メディアやプロジェクトのプランナー、キャリア教育などに 関わり、「シブヤ大学しごと課」ディレクターや「みちのく仕事」編集長も 務める。日本仕事百貨 >> http://shigoto100.com/