つくろう、島の未来

2024年12月07日 土曜日

つくろう、島の未来

4月26日、国土交通省国土政策局離島振興課が「滞在交流型観光を通じた離島創生プラン」を発表した。離島地域の魅力ある資源をフル活用し、島内に広く経済波及効果をもたらすことが目的だ。

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近年、離島地域の多くでは、人口減少や少子高齢化による地域の衰退に歯止めをかけるべく、地域活性化への有効な一手が求められてきた。

そこで期待がかかるのが、自然や歴史、伝統文化、産業、生活様式など、各地域にある固有の資源を効果的に活用した「交流人口の拡大」による島の活性化だ。

国土交通省国土政策局離島振興課では、この課題を含め、離島地域に対する具体的な振興施策を検討する「離島振興のあり方検討委員会」を2015年から2016年にかけて開催。

取り組みの指針となる「滞在交流型観光を通じた離島創生プラン」(以下、同プラン)をとりまとめ、島の魅力ある資源をフル活用して、島に人を呼び込み、島内に広く経済波及効果をもたらす具体策を発表した。

同プランが目指すのは、「滞在交流型観光(島たび・島めぐり)を通じた島の活性化」。旅行者のニーズに応じて島内での様々な体験や学習活動などへの支出を促し、観光関連業者(土産物、宿泊、交通など)はもちろん、広く島内に経済波及効果をもたらす好循環を実現することで、「観光地域づくり」を推進していくという。

今後、国交省は同プランを軸に、島々での「島の資源をフル活用した『島業(しまぎょう)』(※)の確立」や「『島たび・島めぐりコンシェルジュ』による一元的対応」を推進。

発信力強化や知恵の共有化を目的にしたプラットフォームの構築、イノベーションを誘発する交流機会の充実などで事業を後押しする。

国交省国土政策局離島振興課の担当者は「本プランは委員会の委員の意見や優良な取組事例を踏まえ作成したもの。全国の離島で、「島たび・島めぐり」や「島業」、「島たび・島めぐりコンシェルジュによる一元的対応」の取り組みを実施して、離島の活性化につなげていただきたい」と、同プランの展望と意気込みを語る。

※島業(しまぎょう)……農林水産資源をはじめ、島独自の自然、歴史、伝統文化、産業、生活様式などの多様な資源を活用して展開する生産からサービス提供までの一連の経済活動をいう。「海業(うみぎょう)」がその典型的な一形態。

【関連サイト】
国土交通省 報道発表資料

「滞在交流型観光を通じた離島創生プラン」をとりまとめました

     

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