多様なサンゴの生息やザトウクジラの繁殖海域として知られる慶良間諸島沿岸海域を、2013年度中に国立公園として新規指定する方針が環境省より発表されました。
■慶良間諸島沿岸海域を26年ぶりの国立公園指定へ
多様なサンゴの生息やザトウクジラの繁殖海域として知られる慶良間諸島沿岸海域を、2013年度中に国立公園として新規指定する方針が環境省より発表されました。
渡嘉敷島(とかしきじま)、座間味島(ざまみじま)、阿嘉島(あかしま)、慶留間島(げるまじま)、前島(まえじま)の有人5島を含む慶良間諸島。1987年の「釧路湿原」以来26年ぶりとなる国立公園指定は、全国で31番目、沖縄県では「西表石垣国立公園」に次いで2例目となります。
2010年に環境省が全国規模で国立・国定公園の指定状況を見直した結果、慶良間諸島沿岸のほか、アマミノクロウサギといった固有種が生息する奄美群島など、全国18カ所の新規指定・指定範囲の拡張が進められることになりました。
国立公園になると指定エリアの管理が県から国へ移るため、重要な生態系などの保全強化にも期待ができることから、島では観光を含めた活性化の可能性に期待する声もあがっています。
慶良間諸島ではダイビング事業者が危険なオニヒトデの駆除をボランティアで続けるなど、環境保全活動が懸命に進められてきた経緯もあり、待望の国立公園化に向けて座間味村の宮里哲村長は「国立公園化は、この美しさを必ず次の世代につなぐという新たな使命をいただくこと。日本中や世界中の人に長く愛され続ける海と島、地域であるよう務めたい」と決意を改めました。