つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

新潟市の西、約45kmの日本海に浮かぶ佐渡島(さどがしま|新潟県佐渡市)で、中高生の7チームが島おこしプランを企画。4月下旬に開催された屋外カフェイベントを皮切りに、島内でさまざまな取り組みを展開している。(写真提供:佐渡キャリア教育ネットワーク)

島の高校生が島おこしイベントを企画

4月22日(土)、佐渡の高校生が主催する島おこしイベントが、佐渡市で開かれた。

主催は、佐渡の中高一貫教育校・新潟県立佐渡中等教育学校の5年生7名によるチーム「S007」。「あの日見た佐渡の景色を僕達はもう忘れないPROJECT SPRING IMAGINATION」と命名した屋外カフェイベントを開催した。

会場となったのは、島内の神社。10〜20代の若者がおしゃれに楽しめるカラフルな空間をイメージし、カフェや菓子・雑貨などの販売、着付け体験などを実施し、約180名が来場して賑わった。

当日の会場運営や、会場装飾やチラシの制作、WebサイトやSNSなどインターネットを活用した広報活動や事務局機能は、すべて「S007」が中心となり実行した。

きっかけは、中高生が未来を語る「佐渡のしゃべり場」

島の高校生による島おこしイベントは「佐渡のしゃべり場」から生まれた。

「佐渡のしゃべり場」は、佐渡で毎年開催されている夏の野外フェスティバル「アース・セレブレーション2015」で始まった、地域の中高生らが参加し語り合うイベントだ。

外国人も含め島外から多数の来場者が訪れる「アース・セレブレーション」では、清掃活動や会場誘導などで地域の高校生ボランティアが活躍していた。

そこで、イベントの主催者が来場者と高校生ボランティアの交流機会の創出を考え、地域おこし協力隊へ相談し、高校生ボランティアと来場者による交流イベント「佐渡のしゃべり場」を企画することになった。

運営には、行政・NPO・地域おこし協力隊・教員・市議会議員など住民有志が集う任意団体「佐渡キャリア教育ネットワーク」もサポートに加わり、高校生ボランティア約30名が来場者に対して「佐渡島の魅力」についてのアンケートを行い、結果を共有した。続く2016年も、イベント会場内で「未来や将来の夢」をテーマにアンケートを実施した。

「佐渡のしゃべり場」を企画した地域おこし協力隊のうち何名かは現在、「佐渡キャリア教育ネットワーク」のメンバーにも加わり、プロジェクトを支援している。

「都会に比べて佐渡島は何もないと不満そうだった高校生たちが、外から来た人々の目線に接したことで、当たり前に思っていたものが評価されることに驚き、『島って意外といいところなのかも』と意識が変わっていきました」(佐渡市地域おこし協力隊 斉藤千里さん)。

島内からも好評を得た「佐渡のしゃべり場」は、「佐渡キャリア教育ネットワーク」の主催となり、夏の「アース・セレブレーション」のみならず佐渡市内で定期開催されるようになった。

「佐渡でセカイと繋がってみない?」(2016年秋)、「働くってどういうこと?」(2016年冬)など、毎回異なるテーマで開催され、2017年春は「佐渡を豊かにする中高生PROJECT」をテーマに、自主的に集まった中高生7チームによる島おこし企画のプレゼンテーションが実施された。

斉藤さんは、「会場には若者の島に対する思いを聞きたいという大人や、同世代の発表に興味を持った子どもたちなど、様々な世代の方がみられました」と振り返る。

(記事後編に続く)



【関連サイト】


あの日見た佐渡の景色を僕達はもう忘れないPROJECT


佐渡キャリア教育ネットワーク

     

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