つくろう、島の未来

2024年04月19日 金曜日

つくろう、島の未来

笠岡諸島のある岡山県笠岡市では、観光産業による交流人口の拡大を図るため、外国人観光客の利便性を向上させる「離島観光等情報受発信事業」が実施されている。同事業は2015年11月に内閣府地方創生推進室より発表された「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)先駆的事業分(タイプI)」の交付対象に採択され、2016年3月までに離島地域のwi-fi整備や笠岡市観光連盟ウェブサイトの英語化などが行われた。

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笠岡市観光連盟ウェブサイト

白石島や真鍋島のように外国人観光客の来る島をつくる

笠岡市には7島の有人島(高島、白石島、北木島、真鍋島、小飛島、大飛島、六島)があり、観光産業が重要な経済基盤を担ってきた。同市経済観光活性課の担当者は「白石島(しらいしじま)にはアメリカ人女性が切り盛りする国際交流ヴィラがあり、多くの外国人観光客を受け入れてきた。真鍋島(まなべしま)に滞在したフランス人イラストレーターが同島を題材に海外向けの絵本を描き、付録の地図が普及したことで、海外から観光客が来ています」と話す。他島でも外国人観光客の増大を目指すため、昨年度、島内の情報受発信環境が整備された。

「離島観光等情報受発信事業」では主に、「離島地域11カ所へのwi-fiステーションの整備」「笠岡駅前のデジタルサイネージ改修」「笠岡駅と伏越港の案内板整備」「観光連盟ホームページの英語対応化」「観光パンフレット(リニューアル版)の印刷」の5つの取り組みが実施された。

また、別の担当者は「日本にある他の有名な観光地と同じように笠岡市の離島地域にも来てもらいたい。そのため、外国人観光客が母国で不便なく通信環境を利用しているように、笠岡市の島でも情報通信を使えるように整備した。現段階で具体的にそのような予定はないが、今後は観光連盟のホームページを多言語化して、英語圏以外の観光客にも訪問してほしい」と話す。

笠岡市は「観光だけでなく、住んでもらえるようにもなれば。そのためには、働くところがないといけないので、国際交流ヴィラのような宿泊施設や食事処が盛況して雇用を増したい」(笠岡市担当者)という展望もある。


【関連サイト】
笠岡市観光連盟ウェブサイト「またたび笠岡。」
岡山国際交流ヴィラ

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