つくろう、島の未来

2024年11月26日 火曜日

つくろう、島の未来

読者のみなさんこんにちは、統括編集長の鯨本あつこです。いつもリトケイにお立ち寄りいただきありがとうございます。

2020年が明けた頃の私は、5月頃までの出張スケジュールを立てながら、はじめて渡る島や、久しぶりに渡る島に、想いをはせていました。

しかし、そこに現れた新型ウイルス。

白紙となった予定を見つめ、仕方がないと我が心を諭しながらも、心のすみ(もしくはど真ん中)にもやもやが居座る春となりました。

リトケイも全スタッフがリモートワーク体制になり、北海道から九州まで散らばったまま仕事をしています

そして4月を迎え、日本政府は緊急事態宣言を発令。リトケイで何ができるのか話し合いながら、島々の情報を追いかけながら「新型コロナに関する島々からの渡島自粛要請まとめ」「未来のわたしに島旅を。今のわたしに島ギフトを。【前払い島宿&島産品ECまとめ】」の情報更新を続け、「島の未来づくり座談会」や「コロナに負けるな!」といった、【コロナ時代を生きる】ためのヒントとなるような企画で、島の方々の声を届けてきました。

島に渡れずとも、できることがたくさんあるのは、インターネットのおかげです。この時代にインターネットがあって本当によかった。ネットの神さまと称したいくらい、お世話になっています。

だけど、神さまだって万能ではありません。

港からタラップに足をかけ、重油の匂いをかぎながら船に乗り込む時のわくわくした気持ちや、船上で感じる波しぶきやうねり、島で出会った人との会話とその空気、その時その場所でしか味わえない島料理など。

リアルでないと得れない魅力が、島にはたくさんあるのです。

姫路市の島・家島諸島に向かう船にて。懐かしい船の揺れと、潮と重油の匂いと、ワクワク感
大分県の保戸島でたまたま出会ったおばあちゃんたちとの世間話
奄美群島の与論島の居酒屋にて。恒例の「与論献奉(よろんけんぽう)」にあずかる瞬間

ああ、島に行きたい。
島に行きたい。島に行きたい…….。

島に行けないさみしさのあまり、前置きが長くなりましたが、とにかく寂しい私たちは、せめてお家で島を楽しむんだ! みんなでオンライン島酒場だ! と奮い立ち、「未来のわたしに島旅を。今のわたしに島ギフトを。【前払い島宿&島産品ECまとめ】」からネットでお取り寄せできる島産品をぽちぽち。

リトケイのサポーター制度「島の未来づくりサポーター」のみなさんもお誘いし、オンライン島酒場を開きました(ネットの神様ありがとう!)。

そんなわけで、これから時々開催する予定の島酒場。せっかくなので、スタッフブログにてレポートします。

島のクラフトビールで乾杯♪

第1回目の島酒場ブログは、鯨本が担当します。

4月某日。
来たる大型連休を前に、オンライン島酒場を思い立った私たちは、「未来のわたしに島旅を。今のわたしに島ギフトを。【前払い島宿&島産品ECまとめ】」からお取り寄せを実行しました。

そして、しばし、待ちタイム。

ここでいう「しばし」は、だいたい「数日から数週間」です。

え? 長い?

島から届くんですもの。そんなことはありません。某大手通販のように「即日」を期待するのは野暮。島を愛する我々のモットーは「島の都合に合わせる」です。

時々「もう届いたの?」というサプライズもありますが、基本的にはのんびり構えましょう。

え? 待ち遠しさのあまりどうしても「まだ?」と思ってしまう?

それならどうぞ、そのものをつくる島と人の姿や、人の手で梱包され、自分宛の配送ラベルが貼られた品物が、港から船(または飛行機)に乗って、遠い遠い島から海を渡り、たくさんの人の手を介し、いろんな乗り物に乗ってやってくる風景を想像してみてください。夢をみているうちに、しばしの時間は過ぎてしまいます。

・・・と、つぶやいてるうちに、お待ちかねの玄関チャイムが(この間、3〜4日)。

この日は、屋久島から2品が到着しました。

ひとつはクラフトビールで、もうひとつには屋久鹿(!)グルメがはいっております

屋久島といえば、日本ではじめて世界自然遺産に登録された太古の森。その森から生まれた水でつくられたビールと、その森で育った鹿のジャーキーとソーセージを合わせていただくのは、なんたる贅沢。

屋久鹿ジャーキーとソーセージを販売するのは『ヒトメクリ』さん。ジャーキーのパッケージ柄の手ぬぐいがあったらほしい

さて、オンライン島酒場の開始は19時。

そこからは酒場気分にしたい我が家は、お酒の前に大分の島・姫島の「島のたまねぎカレー」と沖永良部島のポタージュスープで、お腹を充します。

玉ねぎがごろっと入った姫島の「島のたまねぎカレー」。沖永良部島の「島の恵みポタージュスープ」はおどろくほどクリーミー

おっと! 気づけば19時。

あらかじめ参加者に共有していたオンライン会議室に集まり、さあ、かんぱーい!

この日、リトケイから参加したのは、わたし鯨本(いさもと)と、島の未来づくりプロジェクトを推進する多和田(鯨本の夫でもあるため同一空間より参加)、本間、矢吹、そして鯨本と一緒に奄美黒糖焼酎を語る『あまみの甘み、あまみの香り』を著したリトケイが誇る島酒マイスターの石原の5名。

島の未来づくりサポーター4名もお招きして、総勢9名の飲み会となりました。

我が家は、パソコンの周りに屋久島「Catch the Beer」のクラフトビール6種と、「YAKUSHIKA SMOKE」の屋久鹿ソーセージ&ジャーキーを並べて、屋久島の味を堪能しながら島話に花をさかせます。

みんなの手元には何があるんでしょ?

スタッフの石原にたずねると、タンカンが香る奄美大島「奄美はなはなエール」のクラフトビールに、お取り寄せした島産品でワンプレートを創作したとのこと。

奄美はなはなエールの「たんかんペールエール」とと島食材たっぷりプレート(撮影・石原みどり)

「大分の深島みそで漬け込んだ自家製みそ漬けチキンに、ローストした際の肉汁でパプリカを炒めて添えました〜♪ 季節の柑橘と豆のサラダにはハーブとナッツを添えて、ドレッシングは加計呂麻鹿島のきび酢をつかっています」と石原。さすが島酒マイスター!


矢吹は、奄美のおせんべいを肴に、種子島「Local Brewery からはな」のホワイトビール。本間は笠岡諸島の六島からお取り寄せした「六島浜醸造所」のクラフトビールを手に、利尻島出張で買って帰ったという「利尻昆布ラーメン」と利尻昆布を味わっておりました。

おや? ところで島のビールってそんなにあるの? と感じた人がいたら、ご明察。

近年、島々ではクラフトビールをつくるマイクロブルワリーが増えつつあり、そんな島のビールをこよなく愛する男性が運営する『離島びーる倶楽部』というサイトまであるのです。

そんな『離島びーる倶楽部』を主宰する「しま彦」さんも、実は、島の未来づくりサポーターのおひとりで本日のオンライン島酒場に来店中。島ビール事情を教えてくれました。

東京在住のしま彦さん。島のクラフトビールを紹介する『離島びーる倶楽部』は、「島で食事をするときに、できれば島のビールが飲みたい!」という個人的な興味とわがままからはじめられたそう

しま彦さん曰く、コロナ禍の波は島ビールにも影響しているとのこと。

確かに、ごく平和な大型連休がきてたなら、今頃、まぶしい太陽と青々とした海をもとめて、たくさんの人が島にやってきて、島ビールの栓を抜いたことでしょう。

そのお客さんが激減(あるいはゼロ)となると、島ビールも行き先を失ってしまいます。

「クラフトビールは振動にも弱いので、こだわりの強いブルワリーは通販をやっていなかったんですが、コロナ禍で島内消費が減ったため、通信販売をはじめているところが増えています」としま彦さん。

もちろん島で飲めるのが一番でしょう。

だけど、どうしても島に渡れないのがコロナ禍。普段は島でしか味わえない島ビールをお取り寄せできるとあれば、島に行けずにやきもきしている我々の心を満たすためにできることは、お取り寄せしかありません。

ちなみに、本間がお取り寄せしていた六島の「いちじくビール」は、しま彦さんが買おうとした時には売り切れてしまっていたというレアな一品だったとのこと

そんな話題が続くものだから、島酒場のみなさんからも「六島でビール飲んでみたいよね〜」という声があがります。

そこで私から昨年、訪れた六島の風景を画面共有でおすそわけ。

人口60人の小さな島には居酒屋がないので、毎日夕方になると島の人々が港に集まって、焚き火をしながらお酒を飲んでおり、私が訪れた時にも「飲んで行け」とお誘いいただきました。

「ドラム缶会議」と呼ばれる飲み会の会場。さりげなく置かれた冷蔵庫から冷えた缶チューハイを取り出し「飲んで行け」と渡してくださいました

「六島の方々はとても気さくで、私がいったときはこの場所で餃子を焼いてくれました(笑)」としま彦さん。

島に行きたい。行きたい。行きたい。

島ビールを片手に、そんな思いをさらに募らせながら、話題は「次に島に行けたら何食べたい?」に。

「喜界島でヤギ」「五島で魚」「佐渡で日本酒」「六島でビール」「八丈島でチーズ」「利尻島でたちかま」「渡嘉敷島でジャーキー」「青ヶ島で青酎」etc……。

日本海は富山県砺波市から参加の東亮輔さんは、9年間暮らしていた喜界島からなんと、ヤギをお取り寄せしたとのこと。

奄美群島の方々には「アズマックス」の愛称で親しまれている東さんは、現在は地元・富山県に戻り「道の駅庄川」を運営。喜界島観光協会に勤務していた頃のつながりを生かし、奄美群島産品のフェアを開催し、地元の醤油屋さんがつくる「胡麻味噌だれ」の原材料に喜界島産の白ごまを紹介するなど、島愛にあふれています

「お付き合いのあるお店から冷凍で送ってもらって、1キロ6,000円くらい。解凍して刺身で食べました」という東さんに、ヤギ好き一同より「うらやまし〜」の声。

「奄美のイノシシも食べたいですね〜」「イノシシといえば西表島もですね〜」「対馬もイノシシは美味しいみたいですよ〜」。島グルメ話はとまりません。

そんなわけで、島ビールの話、グルメの話、こちらには書かない秘密の島話(!)などなど、楽しい時間はあっという間にすぎて2時間の島酒場はお開きに。

鯨本の画面に割り込み手を振るのは2歳の息子。これもオンライン島酒場らしさですね

次回の島酒場は、島の方もお招きして島のお話も聞かせていただきたいと思います。それではまた!

「リトケイのお家で島酒場」第1回 お取り寄せ島産品

六島(むしま|岡山県笠岡市)
六島浜醸造所 定番3種セット6本入り

深島 (ふかしま|大分県佐伯市)
深島のおかずセット

屋久島(やくしま|鹿児島県)
屋久鹿ジャーキー・ソーセージ 
Catch the Beer(6 bottles set)

種子島(たねがしま|鹿児島県)
【ナノブルワリー応援(Nano BRW Support)】お好み3本(selectable 3 btls)/からはな(Karahana)

加計呂麻島(かけろまじま|鹿児島県)
6年熟成『真きび醋』200ml×1本|奄美 加計呂麻島産 本格きび酢 通販|タイケイ製糖

沖永良部島(おきのえらぶじま|鹿児島県)
島の恵みのポタージュスープ 2袋入

     

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