つくろう、島の未来

2024年04月20日 土曜日

つくろう、島の未来

2023年1月12日、青ヶ島(あおがしま|東京都)で、3年ぶりに新春の消防出初式が行われた。晴天のもと開催された出初式には、青ヶ島村の村長、消防団員ら約15名が参加し、地域防災への心構えを新たにした。式では、一般社団法人日本損害保険協会より寄贈を受けた真新しい軽消防自動車もお披露目され、島の玄関口となるヘリポートで青空へ向け高々と放水を行った。

晴天のもと、ヘリポートで行われた放水訓練

2023年1月12日、青ヶ島村消防団(以下、消防団)による出初式が青ヶ島村役場で行われた。新春恒例の行事だが、新型コロナウイルス感染症の予防のため、近年は行われておらず、3年ぶりの開催となった。

今年の出初式は、一般社団法人日本損害保険協会(以下、損保協会)の実施する防災事業の一環で寄贈された軽消防自動車の納車式も兼ねて開催された。式では、立川佳夫村長と消防団の広江清二団長の挨拶に続き、昨年末に届いたばかりの真新しい車両がお披露目された。ヘリポートに場所を移し、晴れ渡った青空に向けて高々と放水を行うと、見学者から喝采の声が上がった。

寄贈された軽消防自動車と立川佳夫村長、青ヶ島村消防団の皆さん(右から2番目が広江団長)

島に寄贈された軽消防自動車は、防火水槽から水を組み上げるポンプを搭載し、悪路での走行や狭い道路での消火活動でも機動的に対応しやすい軽トラック車をベースとした車両。青ヶ島村では、消防自動車を4台所有していたが老朽化しつつあり、うち2台は大型で、道の狭い島の住宅街などで活動しやすい小回りのきく車両が必要とされていた中、2022年度に損保協会から寄贈を受けた。

人口約170人の日本最少自治体であり、日本の気象庁によって火山活動度ランクCの活火山に指定された火山島である青ヶ島では、住民の防災意識も高い。年に一度開催される防災訓練には、ほぼ全ての住民が参加。地域住民は互いに顔見知りで、災害時などに高齢者などへのサポートを自然に行える地域性も、島の防災力を支えている。

青ヶ島村消防団 広江清二団長よりコメント

「青ヶ島の特徴でもある、二重式火山は世界的にも珍しく、今では、観光スポットとして、国内のみならず、海外からも注目されております。この二重式火山は、『天明の大噴火』(※)により形づくられたもので、当時は、八丈島に全島避難を行い、約50年後、避難していた村民全員が青ヶ島へ帰還する『還住』を果たしました。

※江戸後期の天明5(1785)年に青ヶ島で発生した大噴火。この噴火により島内の植物は全滅。当時の全島民約200人が八丈島に避難し、一時、青ヶ島は無人島となった

今でも先人たちの思いは継承されており、災害に対する意識は非常に高く、消防団員は、現在19名ですが、いざという時は、相互扶助の関係で助け合っております。
島内は、道幅が狭く込み入った場所が多いため、この度の損保協会様からの小型動力ポンプ付軽消防自動車の寄贈は、大変喜ばしく大切に使用させていただきます。

これからも、島内の安全と安心の確保のため団員全員の力を合わせ尽力いたします」

二重式火山を望む、島最高地点「大凸部」(おおとんぶ)からの眺望

損保協会では、地域の防災力強化を目的に、1952年度から70年にわたり、全国の地域に消防自動車や小型動力ポンプ等の消防資機材を寄贈する取り組みを継続している。

当初、離島地域を除く全国の市町村を対象に始まった事業は、1982年度からは離島地域にも対象を広げ、道幅の狭い場所で小回りの効きやすい軽消防自動車や、自然災害などに対応可能な非常用浄水発電照明装置積載兼用軽消防自動車、小型動力ポンプなどが寄贈されている。

2022年度における離島地域への寄贈は、青ケ島のほか沖島(おきしま|滋賀県)、島後(どうご|島根県)、佐木島(さぎしま|広島県)、佐柳島(さなぎじま|香川県)、中之島(なかのしま|鹿児島県)、黒島(くろしま|沖縄県)の7島。これまでに延べ225台の軽消防自動車が全国の島に寄贈され、地域の防災に役立てられている。


【関連サイト】
一般社団法人日本損害保険協会

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