つくろう、島の未来

2024年12月14日 土曜日

つくろう、島の未来

武蔵大学社会学部 メディア社会学科の学生たちが、種子島(たねがしま|鹿児島県)や五島列島(ごとうれっとう|長崎県)、天草諸島(あまくさしょとう|熊本県)、淡路島(あわじしま|兵庫県)などの離島地域を訪ね、島で地域おこしなどに取り組む人々を取材。記事を『Yahoo!ニュース』などのネットメディアで配信している。

五島市教育委員会で「しま留学」について取材する学生達

武蔵大学社会学部 メディア社会学科は、多様なメディア環境にある現代社会に向けて、自ら情報発信できる力を養成することを目的としている。同学科のメディア社会学専門ゼミでは、松本恭幸(やすゆき)教授(メディアコミュニケーション論)が指導役となり、学生たちが実際にメディアをプロデュースする経験を学びに取り入れている。

松本研究室では、2011年の東日本大震災後に「学生による被災地支援のための市民メディアプロジェクト」を立ち上げ、2011年4月からこれまでに計50回以上、東日本大震災と福島原発事故で被災した30余りの自治体を訪問。災害ボランティア活動とともに、現地で出会った人々のメッセージを衛星放送やCATVなどを通して番組や記事にして伝える取り組みを続けている。

また、松本研究室では、CSRとソーシャルビジネスの専門誌『オルタナ』が立ち上げた、若者の社会変革を応援するウェブメディア『オルタナS』と提携し、2013年より『オルタナS』武蔵大学キャンパス支局として活動。『オルタナS』を通じ、『Yahoo!ニュース』でも学生による記事を配信している。

2017年度、学生たちは「離島プロジェクト」としてゼミのフィールドワーク先である4つの離島地域へ赴き、現地取材先14カ所でのインタビューや撮影を敢行。学生たちは記事の執筆、メディア配信まで携わり、映像番組の取材では、カメラとマイクを持ってのインタビューや、映像編集まで手がけた。

種子島の西之表市立図書館 移動図書館車の前で記念撮影

同ゼミでは、2017年4月に種子島で取材を開始。第一弾として、2年生の堀口日菜乃さんによる「島外からの挑戦者、種子島初のコミュニティFM開局へ」や3年生の市川仁菜さんによる「島民と課題解決へ、離島で働く地域おこし協力隊」など4記事を5月下旬から6月初旬にかけて『オルタナS』『Yahoo!ニュース』で配信。

第2弾として、5月に五島列島で取材し、2年生の松澤美萌さんによる「30代で移住、島の図書館館長に」など、4記事を6月上旬から末にかけて配信した。

また、6月に熊本県の天草諸島と人吉球磨郡山江村を訪問。第3弾として3年生の吉岡優作さんによる「公文書の保存拠点『天草アーカイブズ』など、天草で取材した4記事を6月下旬から8月上旬にかけて配信した。

ゼミを指導する松本恭幸教授は「各地域での取材は、学生たちにとって初めての経験ばかりです。離島地域などで地域振興に取り組む方々に直に話を聞き、取材の後に食事を共にしたり、専門性を活かした地域おこし協力隊の活動に触れて感銘を受けたり、離島留学の取材で訪れた島の小中学校では都会と異なる教育環境にカルチャーショックを受けたりと、大学を飛び出して世界を知り、視野を広げる体験になっているようです」と語る。今後は、淡路島での取材記事の配信も予定されている。

     

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