5月、五島市商工会が企画し、諫早市の酒造メーカー「杵の川」が製造した地酒「島楽(とうらく)」が完成した。7月に、約1,800本が市内の酒店に出荷され、多方面から高評価を得ている。今年度は市内限定発売。来年度から市外への販売も予定している。
同酒は、五島市富江町の田尾地区でつくられるヒノヒカリ米と、ヤブツバキの花から取った「五島つばき酵母」を原料に醸造されている。
約900万本の椿が生育される五島列島には、2010年に国際ツバキ協会から国際優秀椿園として認定された「五島椿森林公園」もある。島の資源を生かすべく平成24年より長崎県・五島市・新上五島町が連携し、「椿の島」として地域活性に取り組んできた。
五島市商工会では、長崎県、県工業技術センター及び民間企業と共同で独自の椿関連商品開発に乗り出し、約3年前に「五島つばき酵母」を開発した。
日本酒のほか、ワインや焼酎の開発も進んでおり、ワインは11月に発売予定。焼酎も今年度内の出荷を目指す。
五島市商工会の立石光德会長は「完成後、知事や市長にも大変喜んでもらえました。広報活動に協力していただき、地元のテレビや新聞で紹介されたことで、発売後すぐにたくさんの人が購入してくれました」と話す。
注目が集まる「五島つばき酵母」は今後、アルコールだけでなく、パンや魚醤の製造でも活用が検討されている。