【三宅島自然ガイドがおすすめする秋の三宅島ウォーク】三宅島電子書籍ガイドブック制作秘話をご紹介する連載、第二回はガイド掲載のウォーキングコースを作った、三宅島自然ガイドの一人・野田さんが、秋にぴったりだという火山観光の道について、その魅力を語ります。「みやけエコネット」は、東京・三宅島(みやけじま)の自然情報を発信する三宅村のインターネットプロジェクト。地元の自然ガイドと一緒に、三宅島を歩いて楽しむiPhone/iPad用のガイドブックアプリ「三宅島を歩こう~火山と森と野鳥の島~」を制作・公開しました。みやけエコネットの山下さんに、その魅力をご紹介頂く3回連載です。
三宅島自然ガイドがおすすめする秋の三宅島
こんにちは、みやけエコネットです。前回は、三宅島の火山観光ガイドアプリ「三宅島を歩こう~火山と森と野鳥の島~」を紹介させていただきました。記事を読んで、「三宅島に行ってみたい!」と思ってくださった方もいらっしゃることと思います(ありがとうございます!)。
今日は、そんなみなさんのために、アプリ制作に参加いただいた三宅島自然ガイドの野田博之さんに、秋の三宅島のおすすめポイントを紹介してもらいました!
火山ウォークに最適なシーズン到来
「秋は、三宅島を歩いて楽しむのに最適の季節です。火山の噴火がつくり出した絶景スポットを歩くのが特におもしろいのですが、そういう場所はたいてい溶岩やスコリアが地面を覆っていて、基本的に高い木が生えていないんですね。ですから木陰がほとんどなく、照り返しもあり、夏はかなり暑いんです。その点、これからのシーズンは気候もよく、心地よくウォーキングを楽しめます」
これはいいことを聞きましたね!ますます旅に出たくなります。
アプリでは、野田さんはじめ自然ガイドの皆さんがコースづくりを担当した、火山景観を楽しむ4つのウォーキングコースを紹介しています。
「中でも、これからの季節に特におすすめなのは、8ページで紹介している『江戸と昭和の溶岩流をたどるコース』のロングコース(14.5km)です。これは、三宅島の中央にそびえる雄山(おやま)を中腹まで登り、太平洋の絶景を眺めながら林道をウォーキング。最後は温泉でゆっくり汗を流す、というコースです。晴れた日には八丈島(はちじょうじま)や富士山まで見渡せる素晴らしい眺めのほかにも、色々な年代の噴火の跡や、植物の再生の様子などをまとめて見ることができるので、とても面白いコースですよ」
ここで見られる噴火の跡は、まず、最も近い噴火である2000年噴火の跡。火山ガスの影響で山の木々が広範囲に立ち枯れた様子、そして、そこから再び緑が甦っている様子を、間近に見ることができます。そして、1983年の噴火で流れた大量の溶岩流と、それと隣り合うように広がる1643年(なんと江戸時代!)の噴火の溶岩流がつくりだすダイナミックな風景。なかでも、火口の中にはいることのできる江戸時代の噴火の火口「コシキの穴」はおすすめのスポットです。コースを歩く所要時間は6時間ほど。さわやかな季節、トレッキング気分で1日歩いてみてはいかがでしょうか。
新鮮な魚も自慢です
さて、旅のもうひとつの楽しみといえばやっぱり食べ物。
野田さん、三宅島のグルメといえば…
「やっぱり魚ですね。太平洋に囲まれた三宅島では、1年を通して、とびきり新鮮でおいしい魚が食べられます」
ダイナミックな自然の中を歩き、地球の営みに触れ、温泉でのんびり疲れを癒し、極上の魚に舌つづみ。きっと、心も体もすっかりリフレッシュできるに違いありません。最後に、野田さんからメッセージと旅のヒントをいただきました。
「三宅島は火山島ですが、住所は実は東京都。東京とは思えない、いや、日本とは思えない景色を見に、ぜひのんびり島を訪れてください。『仕事が忙しいけど1日だけ島時間を体験したい』という方は、夜に東京を船で出発し、翌朝~午前中を三宅島に滞在、午後の船で東京に戻る“日帰り”も可能ですよ。みなさんのご来島をお待ちしています!」
▼三宅島に行くなら必携!
iPhone/iPad用、三宅島ガイドブックアプリ
「三宅島を歩こう~火山と森と野鳥の島~」
ダウンロードはみやけエコネット、またはApp Storeから
企画・制作:みやけエコネット
※みやけエコネットのWEBサイトでは、ガイドブックのPDF版も公開しています。
文・写真 三宅島自然ガイド:キュルル
監修 三宅島自然ふれあいセンター:アカコッコ館
発行:三宅村