2016年4月30日、久米島(くめじま|沖縄県久米島町)の久米島空港にコワーキングカフェ「風人(かぜびと)」がオープンした。内閣府の「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)」に採択された久米島の「コワーキングスペース整備によるICTを活用した移住・定住促進事業」により実現。「風人」では、来島者に向けて久米島の日常を広報することを目的に、地元企業の紹介、空き家情報の発信、住民の交流が促進される予定だ。
風人のカフェスペース
会議・セミナースペースを完備。キッズルームも併設
「観光案内はあっても、地元の仕事や企業紹介はなかったんです」。そう語るのはコワーキングカフェ「風人(かぜびと)」の運営団体・合同会社久米クリエーションの渡辺信介さんだ。「久米島空港は島内外から一番人が集まる場所。そこで久米島の働きぶりや暮らしぶりを知ってもらい、共感する人に移住・定住して欲しい」と話す。
風人の入口
コワーキングカフェ「風人」は空港2階の空きスペースが活用され、内装や家具は島の職人が手がけた。カフェでは島の焙煎士・牧野秀樹さんによる「マキノコーヒー」や昨年スウェーデンから移住してカフェ「スモーカカ」を経営するアンナさんの手づくりクランブルケーキなど島内の食品が多く販売される。
マキノコーヒー(写真左)|風人限定販売の久米島ロゴ入バッグ(写真右)
店内には26席あり、仕切りにより入り口奥の14席は会議やセミナーの貸出スペースになる。また同階にキッズルーム「風童(かぜわらべ)」もオープン予定。「風童」にはオムツ交換スペースと授乳関連サービスが用意される。「離着陸する飛行機を見にくる子連れも多く集まる空港なので、お母さん方にも使いやすくなるように配慮しています。子育て環境が整っていることは移住・定住を決める一因にもなりますよね」(渡辺さん)。
プロジェクターを使った会議風景(写真左)|風人を利用するお母さん方(写真右)
久米島のデザイン建築設計事務所である久米クリエーションは、島内の各業界を橋渡しする拠点としてコワーキングカフェ「風人」を育てていきたいと考えている。「漁業、農業、医療、教育、福祉などの各コミュニティに今以上に横のつながりが生まれたら、久米島での仕事や生活がより楽しくなると思います。島の働きぶりや暮らしぶりを紹介することで、島内の人たちにも新しい発見が生まれたら嬉しいです」(渡辺さん)。
久米島では、自然に囲まれた子どもたちの交流施設「風の帰る森」の造設も予定されており、久米クリエーションは同施設の企画設計を担当している。「風人」や「風の帰る森」など、久米島に生まれる新拠点は、互いに連携を図りながら、久米島全体を盛り上げていく予定だ。
【関連サイト】
KUMEJIMA COWORKING SPACE