つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

岡山県の笠岡諸島や沖縄県の慶良間諸島では島同士の交流を図るため、連合運動会を開催している。それぞれの島の個性を活かした演目や競技に注目したい。

■全国の「離島」で開かれる、島々をつなぐ連合運動会

岡山県白石島に伝わる伝統の白石踊り

全国の離島では近隣の島同士の交流を図るため、個性豊かな運動会が開催されている。

岡山県笠岡諸島の高島で6月1日、第16回目となる島の大運動会が開催され、諸島内、市内陸地部から会わせて2千人が参加し、グラウンドゴルフ、オリエンテーリング、ソフトボールの島対抗3種目で競った。笠岡諸島の有人離島7島[高島、白石島、北木島、真鍋島、飛島(大飛島、小飛島)、六島]で各島同士の交流を目的に1998年から始まった島の大運動会は現在、NPO法人かさおか島づくり海社が運営し、各島の持ち回りで年に1回開催している。

当日は競技の他にも、各島がそれぞれの伝統芸能を披露。白石島は国の重要無形文化財にも登録されている白石踊り(※)を、北木島は石切作業の時に唄っていた、石切唄をそれぞれ子どもたちが中心となり披露した。「島は陸地部に比べ、明確な区分がある。高島には漁師が多いので、漁師が獲ってきた魚を港の船上でしめて、それをゲームの景品とした。高島ならでは」とNPO法人かさおか島づくり海社の東馬場(ひがしばば)さんは言う。次回、17回目となる島の大運動会は来年5月末、舞台を飛島に移して開催される予定だ。

一方、沖縄県の慶良間諸島に位置する人口924人の座間味村(平成25年2月現在、座間味村HPより)内でも村民大運動会が行われている。村民大運動会は役場が主催し、毎年座間味村内の有人島である座間味島(ざまみじま)、阿嘉島(あかじま)、慶留間島(げるまじま)の3島、5集落の対抗で行われている。「村民大運動会の大きな目的は親睦を深めること」と、座間味村総務福祉課の石川さんは言う。各集落対抗競技の他に20〜60代の年代別に分かれての競技もあり、参加者は皆、白熱するという。また、村内にある3つの幼小中学校のうち1校が、毎年持ち回りで沖縄県の伝統芸能であるエイサー等を披露する。同じ村内ではあるが、各島の幼小中学校ごとにエイサーのスタイルは全く異なる。今年で35回目の開催となる村民大運動会は10月25日に開催予定だ。

離島における過疎・高齢化の進行や、本土や近隣島とのアクセスの問題から、こうした連合運動会のように近隣の島々との交流を図る機会の重要性はますます高まっていくだろう。

※白石踊り……ひとつの音楽(口説き)で多種類の異なる踊りを同時に踊る、白石島特有の盆踊り

(リトケイ編集部)

     

関連する記事

ritokei特集