つくろう、島の未来

2024年12月18日 水曜日

つくろう、島の未来

2月下旬、島にまつわるトーク、ライブ、グルメを楽しむイベント「シマナイト」が都内某所で開催されました(主催:「日本の離島は宝島」イベント運営委員会)。離島の地酒やグルメ、音楽、プレゼンが披露された、島と縁の深い人たちが集ったイベントを、当日めいっぱい楽しんだ新井がレポートします。

はじめまして!新米ライターの新井優佑です。
2月21日、『季刊ritokei』最新号発行&「日本の離島は宝島」フォト・エッセイコンテスト応募作品の発表にあわせて、都会の中心で「島に縁のある人」が一堂に会する「シマナイト」が開催されました。「まだ知らない、日本の宝島」をテーマにしたトークセッションや島唄とライブペインティングのコラボ企画、島人による「島プレゼン」など、島の魅力が詰まったイベントの様子をレポートします。

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■島の日常が語られたトークライブ

「シマナイト」の会場となったYahoo!Japan社員食堂「BASE6」には、離島の幸(島酒とグルメと箸休めのおやつ)が大集合。19時の開場後、受付でもらったネームカードに縁のある島と名前を記入して、いまかいまかと開始の合図を待ちます。19時30分、全員がオリオンビールやソフトドリンクを手にして乾杯し、「シマナイト」の開始です!

最初のプログラムは「まだ知らない、日本の宝島」と題した鯨本編集長とゲスト2人によるトークセッション。ゲストはひょんなことから島との縁が深まった島好きの代表として、ハブ皮工芸品店「原ハブ屋奄美」公認はぶ大使の肩書きを持つパーカッショニストのスティーブ・エトウさんと、写真集『シマノホホエミ』の著者で、離島の写真を撮り続けるカメラマンの長野陽一さん。1月中に開催された “

第1回「日本の離島は宝島」フォト&エッセイコンテスト

” の応募作品を見ながら、島々の風景に合った島好きらしいエピソードが語られました。

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ここでフォト部門の入選作品を一部紹介。六島(むしま|岡山県)にある全校生徒6名の小学生や、小豆島(しょうどしま|香川県)生まれのおじいちゃんのポートレイト、新島(にいじま|東京都)の猫、奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)の大型船からカラフルなテープがはためく見送りの景色など、思い思いの「宝島」写真が並びます。

粟国島(あぐにじま|沖縄県)の遊歩道を納めた写真には「撮った人だけが目にすることのできるかけがえのない風景が写っている」(長野さん)、佐渡島(さどがしま|新潟県)の「お魚(5種類)」と書かれた魚のパックを撮った写真には、「島の飾らない日常が納まっている」(鯨本編集長)とコメント。

また、姫島(ひめしま|大分県)の盆踊り「きつね踊り」のような伝統を受け継ぐ祭事に若者が参加している風景や、みかんの収穫のために帰省した大学生の息子さんが写る中島(なかじま|愛媛県)の一枚からは「島々の魅力がこれからも受け継がれていくだろう“未来”を感じることができる」とコメント。また、大学生の夏休みにおばあちゃんが暮らす波照間島(はてるまじま|沖縄県)に訪れた体験を綴ったエッセイが紹介され、“二人のばあちゃん”への愛情が込められたリズミカルな文体が評価されていました。

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「実は魚は雑魚のほうが美味しいですもんね」(スティーブさん)、「大型船からはためくテープは『観光テープ』といって、停留所の近くで売られているんですよ」(長野さん)などなど、島を頻繁に訪れる2人だからこその裏話も飛び出し、観光情報とは異なった島の魅力を知ることができました。

そして、トークセッションの終盤に、離島経済新聞社からのお知らせが発表されました。
これまで株式会社として、ウェブマガジン『離島経済新聞』とタブロイド紙『季刊ritokei』を発行する「離島メディア事業」をはじめ、島々のメディアをプロデュースする「コンサルティング事業」や、商品をPRする「プロモーション事業」などを行ってきた離島経済新聞社。鯨本編集長は次のように語りました。

「ご協力してくださる方とともにメディアを支える体制を整えることで、これまでよりももっと島々に向き合い、良い情報を届けて行きたいと考え、中心事業となるメディア部門のNPO法人化を目指すことにいたしました。マスメディアがやっているような大きなことはできないけれど、これからも小さくても大切なものを集めていきたいと思っています」(鯨本編集長)

すでにクラウドファンディングサイト『MotionGallery』を通じて、サポート会員などの募集が始まっているとのこと。これからの離島経済新聞社に注目です。

後編に続く

     

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