つくろう、島の未来

2024年11月24日 日曜日

つくろう、島の未来

2月下旬、島にまつわるトーク、ライブ、グルメを楽しむイベント『日本の離島は宝島「シマナイト」』が都内某所で開催されました(主催:「日本の離島は宝島」イベント運営委員会)。離島の地酒やグルメ、音楽、プレゼンが披露された、島と縁の深い人たちが集ったイベントを、当日めいっぱい楽しんだ新井がレポートします。

■島の伝説や昔話を知るライブ&ペインティング

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トークライブの次はお待ちかねの島酒&島グルメを楽しむお食事タイム。北は佐渡島(さどがしま|新潟県)から南は与那国島(よなぐにじま|沖縄県)まで、島酒と一緒に島グルメを味わい、隣り合う人たちの間で島談義に花が咲いていました。

かく言うぼくはごはんに夢中。長島(ながしま|鹿児島県)の鯛飯は素材本来の塩っけがほどよく、キリッとしたしょうゆ味のぶり大根は、ついついお酒に手が伸びます…。伊是名島(いぜなじま|沖縄県)のもずく酢や、小豆島(しょうどしま|香川県)のおそうめんをいただいて爽やかな酸味とのど越しを感じ、徳之島(とくのしま|鹿児島県)の新じゃがそぼろあんでお腹を満たしました。

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他にも屋久島(やくしま|鹿児島県)の飛魚の生ハム風くんせい、対馬島(つしまじま|長崎県)のシイタケスープ、海士町(あまちょう|島根県)のアジフライ、宮古島(みやこじま|沖縄県)の活車海老の串焼きと青さの赤だし etc…。ちょっと手を出しすぎました。お腹いっぱい。本当に日本の島々にはおいしいものがいっぱいあります。どこか懐かしいような、素材のもつおいしさそのままの島の幸を味わいました。

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さて、満腹になった後は、石垣島(いしがきじま|沖縄県)出身のシンガーソングライター・前花雄介さんと、イラストレーター・pokke104さんによるパフォーマンスが始まりました。前花さんとpokke104さんは、楽曲をもとに絵本を制作し、復興支援団体などに寄付する活動をしています。

「八重山諸島をはじめ、過去から現在にかけて残されてきた島の昔話や伝説にまつわる曲を歌っています。昔話や伝説が、どうして今の世の中にまで残されてきたのか、そのルーツを感じ取ってほしくて、曲作りをしてきました」(前花さん)

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この日の楽曲も、島をモチーフにした曲や島に伝わる民謡全5曲が披露されました。八重山諸島に飛ぶ蝶をモチーフにした『オオゴマダラ』、第二次世界大戦下で強制疎開のため西表島(いりおもてじま|沖縄県)に渡った波照間島(はてるまじま|沖縄県)の島民を、マラリアから守った校長の名が刻まれた石を題材とした『忘勿石(わすれないし)』、243年前、八重山諸島を襲った明和の大津波による災害の後に残された人魚伝説から生まれた『人魚の涙』といったオリジナル曲に加え、竹富島(たけとみじま|沖縄県)に伝わる民謡『安里屋ユンタ』と、沖縄で97歳を迎えた際に長寿の祝いとして歌われる『花ぬかじまや』など、そのやさしくも力強い歌声にしばし聞きほれていました。

楽曲からインスピレーションを得て描かれるpokke104さんのライブペインティングには、最後の曲『花ぬかじまや』に象徴される大きな花が描かれていました。ライブ後に絵をじっと見て、遠く離れた島へ想いを馳せるお客さんもいました。

■島人の熱気を感じた「シマプレゼン」

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ライブを楽しんだあとは、ラストプログラム「シマプレゼン」。香川・小豆島、東京・伊豆大島、沖縄・宮古島、鹿児島・屋久島の4島からやってきたプレゼンターのみなさんが、思い思いに島の魅力を語っていました。

香川・小豆島のプレゼンターはポン真鍋さん。「小豆島といえばオリーブの産地として有名ですが、実はクラフトマンシップに満ちた島。手仕事の島です!」(眞鍋さん)。例えばソーメン作りの歴史は400年あり、天日干しで1から手づくりしている産地は珍しいことや、日本には約4,000個の醤油桶があるけれど、そのうち約1,000個は小豆島にあるという驚きの事実など、小豆島を支える産業を知る機会になりました。

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続いて東京・伊豆大島のプレゼンターのトウオンデザインさんは「伊豆大島には自然の魅力がたくさんあります。そこで島の自然と都会を結ぶ基地『kichi』の運営を始めました」とお二人の島での活動についてお話くださいました。「kichi」は、島内外の人が集うクリエイティブスペース。伊豆大島の豊かな自然や文化をベースに地域から新しい価値を生み出すことを目的に、本土と伊豆大島を繋ぐハブとして運営されているそうです。

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続いて沖縄・宮古島のプレゼンター、セルリアンネットの中澤さん。宮古島の方言を後世に残そうと開発されたアプリ「ミャークボイス」をご紹介いただきました。実は、宮古島の方言「みゃーくふつ」は現在、ユネスコ世界絶滅危惧言語のに指定されています。「途絶えてしまいそうな宮古島の方言を、このアプリで残していきたい」と中澤さんは語ります。社員の方が実際に島を歩いて方言採取をしているそうで、プレゼンでは実際に録音データが流され、宮古島の島人の声を聞くことができました。

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ラストは鹿児島・屋久島から来た屋久島町の内田さんとネクスト屋久島応援隊の緒方さん。屋久島は“食の島”とコンセプトのもと「厳しい自然環境と綺麗な水で作られた幸は美味しいものばかり!」と屋久島の豊かな食をプレゼン。この日、会場で振る舞われた島の幸にも屋久島の食材が使われていて、プレゼン中にたんかん(柑橘類)を手配り。「ほしい!」「こっちも!」とお客さんからの声がたくさん投げかけられていました。

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各プレゼンターそれぞれに、島人だからこそ知っている隠れた魅力や島を盛り上げるための活動が生き生きと語られ、あっという間にプレゼンが終了しました。実際に島で活躍する島人の話し振りの端々に島愛が感じられ、東京出身のぼくには羨ましく思えました。

都会のど真ん中で開催された「シマナイト」ですが、離島の魅力をたっぷりと満喫できる3時間でした。顔を合わせて島人・島好きの人たちと話すことができ、今度島に行く時は「知らない島」ではなく「あの人のいる島」に訪ねて行きたい、そんな楽しみが増えた大満足のイベントでした。


「日本の離島は宝島」シマナイト

主催:「日本の離島は宝島」イベント運営委員会 協力:Yahoo! JAPAN
企画運営:株式会社離島経済新聞社、株式会社ハレトケ
協賛:株式会社エイチ・アイ・エス株式会社ナショナルランド
東町漁業協同組合、粟国村農漁村生活研究会 加工部、尾畑酒造株式会社オリオンビール株式会社上島町役場 島おこし協力隊菊之露酒造株式会社JAあまみ 徳之島事業本部JA種子屋久たかちもんて会多良間村観光協会ちゅらゆーな株式会社対馬コノソレ(對馬次世代協議会)、合同会社とびしま、 株式会社ふるさと海士本坊酒造株式会社ぽんぽこらんど真砂喜之助製麺所、三岳酒造株式会社、宮古島漁業協同組合屋久島さかなくんせい けい水産

     

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