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レポート

【季刊ritokei|レポート続編】佐渡ヶ島・人から人へ伝える鬼太鼓 #01

雅びな横笛の音と太鼓のリズムにあわせ、赤鬼と青鬼が勇壮に舞う小倉鬼太鼓。この伝統ある鬼太鼓を伝え継ぐ場だった小倉小学校が2013年3月に閉校したことで、島の子どもたちの鬼太鼓の継承に向けて集落が動き出しました。タブロイド版『季刊リトケイ』9号に掲載された「佐渡ヶ島の祭り」の続編を3回に渡り連載します。

小倉鬼太鼓に込める想い ―「この地域を誇りに思ってほしいから」―

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集落の一軒一軒をまわり、玄関口で舞うことを「門付け」という。鬼が舞いながら弧を描き、交差する瞬間が美しい

■昔から鬼太鼓は憧れの舞台

毎年4月15日に行われる「例大祭」は、朝4時30分に小倉物部神社に集合して始まる。舞い手になる鬼が8人と、横笛、太鼓を叩く「裏打ち」など、祭りを担う「若者」と呼ばれる男衆が集る。

「祭りの“若者”の規約は、成人男性で現役は45歳まで。集落に男がたくさんいた頃は、上手くて選ばれた人じゃないと鬼になれなかった。憧れの舞台ですよ」と鬼太鼓会長の半田雄市さん(43歳)は説明する。

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  • 2014年の鬼太鼓会長・半田雄市さん

  • 家々で用意される鬼太鼓のもてなし

その後4班に分かれ、全87戸ある集落の一軒一軒を訪れて鬼太鼓を舞う。だから集落の人に知らない人はいないのだ。取材といって東京から突然現れた私が玄関を少しでものぞけば、「あれ、見ない顔だね」「誰だっちゃ?」と、たちまち呼び止められる。そこで私は慌てて事情を説明する。聞き終わるとすぐに「これ食べんかっちゃ」と、ごちそうをふるまってくれる。私は手作りのお赤飯をほおばって、普段はコンビニのおにぎりばかり食べている口で、その懐かしい味を噛み締める。

■ずっと受け継がれてきたもの

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鬼の衣装を締め直す藤原宏道さん(右)

「祭りがあるから、普段なかなか話す機会がない地域の人や目上の人と話す機会ができるんです。その大切さは、自分が若い時はわからなかった。でも今は、祭りがあるから小倉が集落として成り立っていると感じます」と話すのは、小倉小学校で子どもたちに鬼太鼓を教えてきた1人、藤原宏道さん(42歳)。

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  • 太鼓を叩く「裏打ち」

  • 横笛は難しく音が出ない。奏でるには鍛錬されなければできない

「僕も同じように小倉小学校で、地域の人や上級生から教えてもらって鬼太鼓を覚えました。この習慣は上の世代からずっと続いて40数年になります」

また、半田雄市さんは小学校があるとないでは集落の活気が全然違うと言う。

「山の中の集落ですから、小学校があれば地域の人が運動会や文化祭など行事ごとに集って、話す機会があるわけです。だけど小倉小学校が閉校した今は、祭りで地域のつながりを保つしかない」

■小倉に誇りを持って育ってほしい

今、地域の人が鬼太鼓を教えている子どもは、男の子9人、女の子10人。子ども鬼太鼓「育成会」を結成して伝統をつなぎとめている。子どもたちには鬼太鼓を通して「小倉に誇りを持って育ってほしい」と希望を込める。

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  • 写真左/鬼役の田中大輔さん(25歳)、右/小林流さん(30歳)

  • 子どもたちもこの日はハレの舞台に立つ

ただし、佐渡のすべての集落に小倉のような祭りが残っているわけではない。実は私が生まれ育った集落の祭りは絶えていた。集落の存続を祭りにかけて、生まれ育った土地に誇りを持って生きる姿を、うらやましい気持ちで取材した。

次回は、総代・中村邦彦さんに物部神社の伝統行事についてお伺いします。

(文・古玉かりほ/写真・華)

〈つづく〉

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【季刊ritokei|レポート続編】佐渡ヶ島・人から人へ伝える鬼太鼓

離島経済新聞社が発行している 全国418島の有人離島情報専門のタブロイド紙『季刊ritokei(リトケイ)』 本紙の中から選りすぐりのコンテンツをお届けします。 佐渡ヶ島・小倉鬼太鼓をめぐる人々のドキュメンタリー。佐渡出身ライターによるタブロイド版『季刊リトケイ』9号に掲載された「佐渡ヶ島の祭り」の続編を3回に渡りお届けします。 『季刊ritokei』はどこで読めるの? >> 詳しくはこちら

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