つくろう、島の未来

2020年07月15日 水曜日

こんにちは、リトケイの島酒担当記者、石原みどりです。スタッフブログでは不定期に「島酒日記」を投稿しておりますが、今回は、緊急事態宣言下、島への想いが募るあまり始まったリトケイの「オンライン島酒場」をお届けします。

「オンライン島酒場」とは:新型コロナウイルスによる島々からの往来自粛に従い、ステイホームでリモートワークをするリトケイスタッフが、全国の島々より「宿泊料金の前払い」や「島産品の通販」ができる予約・購入サイトを集めた自社企画「未来のわたしに島旅を。今のわたしに島ギフトを。【前払い島宿&島産品ECまとめ】」を通じ、島々の産品を購入。島からのゲストやリトケイサポーターを交えて夜な夜なオンライン島酒場を開催する“おいしい”企画です。

前回の島酒場では、鹿児島県 奄美大島と、沖縄県 波照間島のゲストとオンラインをつなぎ、お住いの島の魅力や緊急事態宣言下での島の様子、各自の取り組みなどを伺いました。

3回目の今回は、全国的な緊急事態宣言解除を控えた5月30日(土)、長崎県の対馬と五島列島で特産品開発と販売に取り組む方々をゲストに迎えて開催されました。

夜な夜なオンラインに暖簾を掲げる「島酒場」、第3回は長崎の島々とつないで乾杯!

各々用意した島酒とおつまみで乾杯!

その夜オンライン島酒場に集ったのは、総勢7名。福江島在住でオンラインショップ「ごと」や実店舗の「ごとカフェ」を運営する木下秀鷹さんと、対馬の素材を活かした自然派食品や雑貨のオンラインショップ「コノソレナチュラルファクトリー」を運営する須澤佳子さんをゲストに迎え、リトケイからは統括編集長の鯨本と島の未来づくり推進室の多和田、本間、矢吹、編集部の石原が参加しました。

毎回、島酒と島の産品を使ったおつまみを用意するのが、オンライン島酒場の恒例となっています。

今回私が用意したのは、五島の木下さんのオンラインショップ「ごと」から取り寄せた「ごと芋」を付け合わせに添えたロコモコ丼。奄美大島の黒糖クラフトビール「AMAMIGARDEN 黒糖スタウト」とペアリングさせるべく、壱岐島の壱岐牛ハンバーグを、加計呂麻島の黒糖を使って甘辛く味付けました。

冷凍で届く「ごと芋」の焼き芋は、凍らせたままカットして解凍するだけで食べられるので、下ごしらえも簡単。今回は皮付きのまま軽く焼きましたが、前回の島酒場のようにクリームチーズと和えると、焼酎や泡盛などの島酒によく合うおつまみになります。

ほかにもいろいろとアレンジが効くようで、販売サイトにもレシピが公開されています。「ごと芋」を冷凍庫に常備しておくと、一品困った時に活躍してくれそうです。

編集長鯨本は、対馬の須澤さんが運営するオンラインショップ「コノソレ ナチュラルファクトリー」から、原木しいたけやイノシシ肉、真珠の貝柱など対馬の山海の幸が詰まったおつまみセットをお取り寄せ。奈留島産の七福芋が原料の焼酎「五島七福芋」に合わせました。

鯨本は対馬の海山の幸を活かしたおつまみに、五島の島酒。長崎の島ものを堪能できる組み合わせ

スタッフの矢吹は、この日のために五島列島酒造の島酒「五島芋」を用意。酒肴は「幻の2日ひじき」と呼ばれる大分県姫島産ひじきのペペロンチーノ、壱岐島産「幻の紫生うに」の茶碗蒸しと、幻の島食材をぜいたくにあしらいました。

矢吹は五島の島酒に、大分と長崎の島々から取り寄せた食材であつらえた酒肴を堪能

スタッフの本間は、長崎県小値賀島からお取り寄せした落花生や、鰹の生節など乾き物のおつまみと、第1回オンライン島酒場で話題になった六島浜醸造所のクラフトビールを用意。牡蠣のミネラル豊かな「北木島オイスタースタウト」に、おつまみの旨味が相乗効果をもたらす組み合わせです。

小値賀島から取り寄せた落花生やするめ、米粉かりんとうなどの酒肴はビールと相性抜群

半数がUIターン、芋の生産も手がける五島の「ごと」

各々用意したお酒を手に乾杯したあとは、ゲストのみなさんにお話を伺いました。

福江島の、ごと株式会社代表の木下秀鷹さんは、神戸出身で東京のIT系企業を退職して五島市にIターン。「ごと」で初めて食品メーカーという畑違いの業種に就き、「勝手が違い、始めは驚きの連続だった」といいます。

木下さん入社時の2016年に20人だったスタッフは、現在32人に成長。レ「五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレー」などのレトルト食品と冷凍「ごと芋」のネット通販や卸を中心に、カフェも運営しています。

五島への移住希望者が増えているなか、「ごと」でも雇用条件に家賃補助をつけて島外からも積極的に採用を行っていて、Uターン3割、Iターン2割、地元採用半数というメンバー構成となっているそうです。

木下さんより、オンラインショップ「ごと」で販売している自慢の特産品をご紹介いただきました。

久賀島産の養殖車海老が、どどんと豪快に殻ごと2匹!一同身を乗り出して見てしまいました

五島の鯛で出汁をとった高級カレーシリーズの一つ「久賀島の車海老カレー」は、車海老が2匹も入った存在感に圧倒されます。「具の大きさを活かしてパエリアにアレンジするのもおすすめ」と、木下さん。

冒頭でもお話しした「ごと芋」は、自社畑で栽培から手がける「ごと」の主力商品。農薬・化学肥料不使用で栽培した安納芋を約40日間寝かせることで甘みを引き出しているとのことで、実際に食べてみて納得のおいしさです!

五島名物の「かんころ餅」は、プレーン、紫芋入り、よもぎ入りの3色があり、カラフルで目を引きます。「かんころ」は五島地方の方言で、サツマイモを薄く切って日干ししたものを指します。「かんころ餅」は、かつて五島で主食だったサツマイモと貴重なもち米を使って編み出された、島の保存食。冷凍で約1年間保存が効きくそうです。

ネット販売に力を入れている「ごと」では、商品もECサイトもすっきりとシンプルで見やすいデザインに工夫されていますが、最近は広報担当の「おおきさん」がYoutuberとなり、動画PRで島の魅力発信や商品紹介を行っているそうです。島の有名人とコラボした動画には、占い師やホテルの看板娘などが登場し、個性的でユニークな島人さんに会いたくなります。

島の背景まで味わえる、対馬の「コノソレ・キッチン」

続いて、対馬の須澤佳子さんにお話を伺いました。須澤さんは、2011年に対馬市の島おこし協働隊として東京から対馬に移住。若者グループ「対馬コノソレ」のメンバーとして対馬の特産品開発などに携わり、任期終了後に特定非営利活動法人對馬次世代協議会の2代目理事長に就任。特産品販売のため株式会社を設立し、オンラインショップ「コノソレナチュラルファクトリー」を立ち上げました。

コノソレナチュラルファクトリーのイチ押し商品「対馬・海と山のおつまみセット」

食品から雑貨までさまざまなアイテムが並ぶ同店のイチ押しは、対馬の自然と生業を守るために開発された「対馬・海と山のおつまみセット」。古事記にも記されるほど歴史ある対馬の真珠貝。その真珠貝の、貝柱を使ったアヒージョや、イノシシのスネ肉の角つくだ煮などに、一同興味津々。調味料には対馬に一軒ある酒蔵の地酒や対馬の藻塩、ニホンミツバチのはちみつなどが使われています。

「おつまみセットは島外の通販需要開拓を目指して企画し、ようやくこの3月に発売できました」と須澤さん。現在の注力商品は、「そば青汁」。在来種である「対州そば」を農薬・化学肥料不使用で栽培し、その葉を青汁に加工しているそうです。

対馬らしさあふれるフレーバーが揃う「対馬プレミアムアイスクリーム」

対馬らしい食材のバラエティを楽しめるのが、「対馬プレミアムアイスクリーム」。フレーバーには対州そばをはじめ、山に自生しているびわのシャーベット、対馬産ブルーベリー「島の瞳」アイスなど気になる食材揃いですが、「自分がおいしいと思ったものしかつくっていないので、すべてオススメです」と須澤さん。

なかでも「対馬豆酘(つつ)赤米の酒かす」には、島を感じるストーリーが秘められていました。

豆酘赤米は対馬の神事の一部として、対馬の豆酘集落で1300年前から変わらない栽培法でつくられている古代米で、この赤米で仕込んだ酒の酒かすがアイスクリームに使用されています。

赤米神事を受け継ぐ家は、明治時代までは30軒程ありましたが、現在は最後の一軒になっているとのこと。この伝統を守るため須澤さんたちが企画した商品の一つが、このアイスクリーム。1個につき50円が「豆酘赤米神事」に寄付されるそうです。

新型コロナの影響や対策の取組は?

この春は、ゴールデンウィークに観光客が訪島できず、県をまたぐ移動や訪問自粛も続いていました。島々にとってどんな影響がでているのか、ゲストに伺いました。

「ゴールデンウィークは稼ぎどきでしたので、新型コロナは大打撃」と五島の木下さん。移住の増加で働き手も増え、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産となり観光への追い風が吹くなか、ホテルの開業や民泊が進んでいたところでした。

市内で経済を回すためのプレミアム商品券はあるものの、対象がお土産だけとなっているため、宿泊業を応援するため地元の人が宿泊するなどしていますが、先行きが見えない状況だといいます。

居酒屋など飲食業も観光客減少の影響を受けているため、「ごと」では自社で培ってきたレトルト加工の技術を活かし、五島の飲食店の商品をレトルトにして島外に発信するプロジェクトも進めているそうです。

対馬では、コロナ禍以前の昨年夏から韓国からの観光客が減少し、2月時点で40万人あった来島が数百人まで激減し、インバウンドを対象としていたホテルの休業が続いていたとのこと。「でも、その間に観光客減少による売上激減に対応する心の準備ができたようにも思います」と、須澤さんは振り返ります。

対馬観光物産協会では「対馬うちごはん券」で地元飲食業を支援

例えば、対馬観光物産協会では、地元飲食店でテイクアウトや出前に使えるチケット2,000円分を1,000円で購入できる「対馬うちごはん券」を発行し、飲食業への支援を実施。こちらは発売から3日で完売したとのこと。

「コノソレナチュラルファクトリー」の通販事業も、商品を増やすなどしてこれまでの平均売上の5倍を売り上げるまでに成長しているそうで、須澤さんも「季節ごとの旬の食材など、島内の事業者さんと手を組んで毎月何かしらやっていこう!と話しています」と意欲的です。

五島と対馬の食の豊かさや、島々で暮らす人たちの手で生産され、私たちの手に届く産品の背景を知ることのできたオンライン島酒場になりました。

いまはお取り寄せで島のおいしいものを楽しみながら、安心して島に行けるようになる日を楽しみに待ちたいと思います。島酒場でご紹介した島の産品、興味が湧いた方はぜひ味わってみてくださいね。

「オンライン島酒場」は一旦お休みとなりますが、これからも島々のおいしいものを通じて島とつながる企画を考えていきたいです。それでは、また!

「リトケイのお家で島酒場」第3回 お取り寄せ島産品

壱岐島(いきのしま|長崎県)
特選洋食屋さんの壱岐牛ハンバーグ

対馬島(つしまじま|長崎県)
コノソレキッチン/対馬・海と山のおつまみセット【ご自宅用8種チョイス】
対馬プレミアムアイスクリーム12個チョイス

小値賀島(おぢかじま|長崎県)
献上節・かつおなまぶし(中サイズ)
おぢか島の落花生・むき身40g

福江島(ふくえじま|長崎県)
小粒ごと芋 きらりちゃん
五島の鯛で出汁をとったプレミアムな高級カレー(久賀島の車海老)

姫島(ひめしま|大分県)
幻の2日ひじき

奄美大島(あまみおおしま|鹿児島県)
AMAMIGARDEN 黒糖スタウト

加計呂麻島(かけろまじま|鹿児島県)
手づくり『純黒糖』

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