2016年11月、奈良県西大和ニュータウン地域で活動する西大和ニュータウン・ ソーシャルビジネス開発協議会(11名)が、家島(いえしま|兵庫県姫路市)を訪問した。きっかけは同年2月に同グループが家島の舌平目(したびらめ)と鯵(あじ)を産地直送で購入したことだった。
西大和は内陸部にあるため、鮮魚を入手しにくい。そこで、家島ふるさとづくり青年隊の取り組みを知った西大和ニュータウンの住民から声がかかった。島で水揚げされた鮮魚を、西大和ニュータウンへ直送する契約が可能か同グループに打診。一方、西大和ニュータウンの住民に向けて購入希望を募ったところ複数人が手を挙げ、取引が成立した。
同グループは鮮魚の共同購入を通じ、ニュータウンの住民同士のコミュニティの再構築を目指す。住民同士の親睦を深める一環で、家島への旅行を企画した。
産地直送で販売ルートの開拓にも期待
家島在住・青年隊メンバーで、家島ガイドをする「いえしまコンシェルジュ」の中西和也さんは「青年会では家島の鮮魚をセット販売する『家島おかん便』を元々販売していました。家島のおいしい魚をきっかけに、島自体にも興味を持ってもらおうと、スピンオフ企画としてどこかの地域と直接やり取りできないかと考えていた」と話す。
「家島おかん便」には、鮮魚のほか地域情報を編集した冊子が同封される。西大和に向けた小包には舌平目を使ったレシピが添えられた。「西大和との取引は始まったばかりです。2017年1月に2回目の産地直送を予定しています」(中西さん)。
地域コミュニティの生育と離島地区の販売ルート開拓を同時に実現し、地域内交流と地域間交流の同時促進にもつながる西大和への家島産鮮魚の直送。中西さんは「西大和との取引を育てたあとは、私の地元・大阪府とも取引したい。島外地域と離島地域を魚が結ぶシステムに育てたい」と展望する。
【関連サイト】
家島ふるさとづくり青年隊
http://ieshima-seinen.jimdo.com/