つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

島の活性化事業創出を目指し、離島地域と島外企業・団体に商談・交流の場を提供する「しまっちんぐ2016」。今年2月に行われたワークショップを経て、島の課題やニーズを取りまとめた離島地域7自治体(当日参加は6自治体)と、特設サイトからエントリーした39企業の各担当者43名が集まる、個別商談・交流会が3月12日に都内で開かれた。

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「島外企業と交流したい」離島自治体と島外企業39社43名が交流

「しまっちんぐ」(主催:国土交通省国土政策局離島振興課、運営:株式会社JTB総合研究所・株式会社イトーキ)は、「島を活性化したい」「島の魅力をもっと活かしたい」「島外企業と交流したい」と考える離島地域と、「島で事業を立ち上げたいが島のニーズがわからない」「島に貢献したいがつながり方がわからない」とする島外企業に、商談・交流の場を提供する取り組み。

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今年度から試験的に始まったこの取り組みは、2月に第1弾として離島地域7自治体[佐渡島(新潟県佐渡市)/粟島(新潟県粟島浦村)/沖島(滋賀県近江八幡市)/大崎上島(広島県大崎上島町)/弓削島・生名島・佐島・岩城島・高井神島・魚島など(愛媛県上島町)/地島・大島(福岡県宗像市)/中通島・頭ヶ島・桐ノ小島・若松島・漁生浦島・有福島・日ノ島など(長崎県新上五島町)]と一般企業18社によるワークショップを開催。グループワーク形式のディスカッションで、島の課題やニーズの掘り起こしを行った。

その後、各島がワークショップで話し合った内容をもとに、島の将来に向けたビジョンや島外企業と協働で行いたいプロジェクトを取りまとめ、3月3日に特設サイトをオープン。サイト内のエントリーフォームを通じて、島側のニーズを把握し、島とともに課題解決を担いたい企業を募集。39社が名乗りをあげた。

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各自治体と企業担当者による個別商談会

3月12日に開催された「しまっちんぐ2016」では、各自治体の担当者と島外企業が、実際に顔を合わせ、個別商談・交流会を実施。

個別商談会では、事前に申し込みを行った企業・団体と各自治体担当者が、島の現状、課題やニーズなどについて、持ち寄った資料をもとに意見交換し、今後どのような形で連携していけるのかなどが話し合われた。

各島からのプレゼンや交流会も実施

2時間程度の個別商談会の後、一般の来場者も交えて、各自治体担当者がそれぞれの島についてプレゼン。

日本で唯一、淡水湖上に浮かぶ有人島・沖島(滋賀県近江八幡市)は、2月のワークショップで話し合われた内容をもとに、「日本のへそ“沖島”〜人と文化の交流拠点〜」というビジョンを掲げ、そのビジョンに辿り着くための3つのプロジェクトと、プロジェクトを行うためにどんな企業と連携したいかなどを発表した。

最後に行われた交流会では、島と企業の各担当者が自由な話し合いを重ね、各島のプレゼンを聞いた企業が改めて島側へアプローチし、さらに具体的な話を進めるべく、両者での個別商談会が行われた。

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各島からのプレゼン後、交流会が行われた

参加した各自治体担当者からは、「企業担当者の方々と商談以外にもいろんな話をすることができ、とても収穫があった」「改めて自分たちの島のことを見直す良い機会をいただいた」といった感想が聞こえてきた。

一方、「年度末という時期なので、新しい取り組みを始めるには、もう少し早い時期に商談・交流会をしたい」「もう少し長い時間をかけてマッチングしていけると、なおいい」など、次回に向けた具体的な要望もあった。

試験的に始まった「しまっちんぐ」から、目に見える成果が出てくるのはまだ先の話になるが、ビジネスマッチングという場を通じて、普段はなかなか出会えない両者の共通理解が進んだことは、一定の手応えとして残ったのではないだろうか。

島と企業の具体的な連携が生まれる取り組みとして、次年度以降も継続していくことを期待したい。


【関連サイト】
しまっちんぐ2016

     

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