5月27日に有人離島専門フリーペーパー『季刊ritokei』49号「気づき、受け入れる。腹落ちる島へ」を発行しました。6月上旬より全国約1,300カ所の公式設置ポイントにて配布・閲覧を順次スタート、ウェブ版『ritokei』でも順次記事を公開していきます。49号の目次や見どころを紹介します。
特集「気づき、受け入れる。腹落ちる島へ」
インターネットには情報があふれ、AIが私たちの思考を肩代わりする現代、どこにいても即座に情報が得られるようになった反面、五感を通じて身体で得る経験が足りなくなっていると感じることはありませんか。
あふれるほどの人や情報が存在しない小さな島には、自然の恵みと限られた資源の中で生きる人々の創意と工夫が息づいています。かつて偉人たちが流れ着き、深い気づきを得た島々で、自分の奥深くに響く「腹落ち」をもたらす何かに出会えるかもしれません。
「気づき、受け入れる。腹落ちる島へ」特集では、島々で出会える「腹落ち」体験の仕組みを、さまざまな島の事例からひもときます。
写真提供:風と土と
「ないものはない」のスローガンで知られる島根県・海士町(中ノ島)では、「流人」 として辿り着いたかつての偉人に倣い、リーダー人材を育成する2泊3日のプログラムを実施しています。その名も「SHIMA-NAGASHI」。
島で非日常の環境に身を置き、身体で感じたことに自ら問いを立て、言葉にして対話する中でこれまで言語化できなかった自分の本音に気づく。「身体知」「内省」「対話」のサイクルが、深い納得と変化を導きます。
写真提供:黒潮実感センター
四国の南西、瀬戸内海と太平洋の交わる豊かな海に囲まれた高知県・柏島では、農学博士の神田優さんが中心となり、漁業者やダーバーらと連携しながら、環境を保全するだけでなく再生させる「リジェネラティブ」な里海づくりが行われています。
島周辺の魚種は1,150種以上と全国トップ。「柏島はありとあらゆる環境が幕の内弁当のようにある場所なんです」と語る神田さんは、子どもたちへの海洋教育のほか、海の課題解決を通して漁業者とダイバーの関係づくりも叶えています。
写真提供:一般社団法人daidai
国指定天然記念物のツシマヤマネコが生息する自然豊かな長崎県・対馬島で獣医師として活動する齊藤ももこさんは、海や山から「命をいただく」体験を通して人と自然の関係を問い直すプログラムを実施しています。
海と山の関係を目で見て、足で感じる「海と山ツアー」、狩猟と食を通じて命のつながりを感じる「MEET MEAT(ミート・ミート)」などの体験プログラムは、島の森や海に身を置き、自然の循環の中で命をいただいて生かされていることを五感を通して実感できる腹落ち体験です。
特集では、ほかにも地域課題を対話でひもとく新潟県・佐渡島の取り組みや、鹿児島県三島村の火山島・硫黄島の大自然を舞台に地球と共に生きる営みを体験するネイチャーガイド、読者が出会った「島で腹落ちした」体験談を紹介します。詳しくは、『季刊rtitokei』49号紙面をご覧ください。
※『季刊rtitokei』は、読者の皆さまのサポートにより制作しています。毎号お手元にお届けする部数が1部から3部に。また、全バックナンバーの電子版も読めるサポーターのお申し込みや詳細は、下記のバナーからご覧ください。
島々の医師と保健師が語りあった「離島医療会議」の様子をお届け!
定番コーナーのインタビューページは、3月8日に海士町とオンラインで開催された「離島医療会議」より、リトケイ統括編集長・鯨本あつこがモデレーターを務め、「離島医療と住民の距離」をテーマに語られたトークセッションを掲載。
島に暮らす人が「よく生き、よく死ぬ」ために、何が必要なのか。「令和のDr.コトー」こと下甑島の医師・室原誉怜さん、青ケ島で7年間活動経験のある「離島の保健師」青木さぎ里さん、海士町初の保健師として長年活動されてきた濱見優子さん、それぞれの視点から語られた声をお届けします。
※ウェブ版『ritokei』にて、「離島医療会議」の全トークセッションのレポートを近日掲載予定です。併せてご覧ください。
島の祭りと営みを撮り続ける写真家・黒岩正和さんの仕事
写真提供:黒岩正和
島々に携わる仕事人の想いを紹介する「島々仕事人」は、日本の有人離島全島を踏破しながら、島の祭りや営みを記録し続けてきた写真家・黒岩正和さんが登場。
かつてウェブ版『ritokei』の連載「百島百祭」に掲載していた作品の数々が今年1月、写真集として発売された黒岩さん。20年以上に渡り、島を見つめ続けてきたその仕事について聞きました。
リトケイ独自調べ。全国離島の人口動態をチェック!
毎号必ずチェックしています!という方も多い人気コーナー「有人離島の人口動態」。平成27年・令和2年の国勢調査の人口と、リトケイ独自調べによる直近半年間の島々の人口変動を3カ月ごとに掲載。小学校・中学校・高校の設置状況も島ごとに掲載しており、離島留学や移住の参考にしていただけます。
知るひとぞ知る島文化、おすすめの島本、島人による寄稿コラム
400島あれば400通りある島の文化を島に暮らす文化人が紹介する「島から島へ紹介したい島文化」。前号の「流人が伝え、島人の手で育まれた東京島酒」に続き、今回は、酒を醸しに海を渡る小値賀島の「小値賀杜氏」のお話です。
九州の山間に住むリトケイのタワー多和田が出会い、心動かされた「小値賀杜氏と祝い歌」にまつわるエピソードをお届けします。
島にまつわる本や映画、音楽を紹介する「島Books & Culture」では、今年1月直木賞に選ばれた『藍を継ぐ海』(著・伊与原新)や、「島々仕事人」にも登場いただいた黒岩さんの写真集『百島百祭』など、強くてうつくしい島を描く6冊を選書しました。
「島人コラム」では、鹿児島県奄美大島龍郷町の応援大使を務めるMAYURA∞三界(まゆら・みかい)さん、北海道・奥尻島の高校魅力化コーディネーター川口優奈さん、東京都・八丈島でサトウキビ栽培とラム酒造りを目指す菊池清孝さんの3人に、島との関わりやいまの思いを綴っていただきました。
詳しくは『季刊ritokei』49号または、6月上旬よりウェブ版『ritokei』に掲載される記事をご覧ください。
※『季刊rtitokei』は、読者の皆さまのサポートにより制作しています。毎号お手元にお届けする部数が1部から3部に。また、全バックナンバーの電子版も読めるサポーターのお申し込みや詳細は、下記のバナーからご覧ください。
ー 気づき、受け入れる。腹落ちる島へ ー
目次のリンクより、ウェブ版の記事をご覧いただけます(随時更新)
●“離島”を活かし、リーダーを育てる現代版SHIMA-NAGASHI(海士町・「風と土と」岡本夕紀さん)
●おいしさだけではない命をいただき、生きること(対馬島・齊藤ももこさん)
●躍動する地球に寄り添い120人で生きる「力」を体感(硫黄島・大岩根尚さん)
●黒潮の海で実感するリジェネラティブな里海づくり(柏島・神田優さん)
●腹のうちを共有する究極の対話“p4c”(佐渡島・豊田光世さん)
●リトケイ読者の「島で腹落ちしたこと」(リトケイ読者の皆さん)
ー インタビュー ー
●離島地域から問う。よく生き、よく死ぬとは?(下甑島・室原誉怜さん、青ケ島・青木さぎ里さん、海士町・濱見優子さん)
●「島々仕事人」黒岩正和さん
ー 定番企画 ー
●有人離島の人口動態|島々の人口をチェック!
●島Books & Culture|生きるすべと愛しさと
●島から島へ紹介したい島文化|酒を醸しに海を渡る小値賀杜氏と祝い歌
●島人コラム(奄美大島・奥尻島・八丈島)
ー 特別企画 ー
●大阪国際大学で学ぶ学生にインタビュー(徳之島・嶺山結さん)
●心豊かに生きるとは?「シマビト大学」でみつける多様な豊かさ(奄美大島・甑島列島・五島列島・沖永良部島)
認定NPO法人リトケイは、有人離島の営みの普及啓発活動として、全国の公式設置ポイントで『季刊ritokei』の配布・閲覧を行なっています(部数限定)。
飲食店や公共施設、企業のオープンスペースなど、誰でも立ち寄れる場所に『季刊ritokei』を無料設置していただけます。設置を希望される施設の方は、下記をご覧の上、申し込みフォームよりご連絡ください。
>>『季刊ritokei』公式設置ポイント一覧
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>>参考記事(筑波大学附属高等学校での活用例)