つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

8月22日、佐渡島で8つの酒造メーカーが地酒を提供する「第1回 佐渡 酒祭り」が初開催された。親子で参加できるこの酒飲会について実行委員に聞いた。

■伝統芸能や民謡を披露。酒を飲めない人への配慮が実る

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佐渡島(さどがしま|新潟県佐渡市)には、金北山(きんぽくさん・標高1,172メートル)をはじめとする大佐渡山脈から流れる水を引いた水田で育つ佐渡米があり、地酒も豊富に生産されている。今年8月、佐渡島で、親子で参加できる酒飲会「第1回 佐渡 酒祭り」が初開催され、8つの酒造メーカー(株式会社北雪酒造、尾畑酒造株式会社、有限会社加藤酒造店、天領盃酒造株式会社、逸見酒造株式会社、株式会社かいふ発酵、農家民宿植えた、おけさ酒造株式会社)が地酒を提供した。

イベントの特徴は、清酒がメインのお祭りでありながら、親子で参加できること。その経緯について、2015佐渡酒祭り実行委員会の伊藤耕平さんは、「佐渡では1度も酒飲会を開催したことがなかった。どんな会にするか話し合うなかで、県内1位の出生率を誇る島でありながら、高卒の大半が島を離れる現状を考え、親子で島に再訪してもらえる機会になれば、と会の趣旨が決まった」と話す。当日は島の伝統芸能「鬼太鼓(おんでこ)」や民謡「佐渡おけさ」が披露され、また、キッズスペースの確保や子ども向けイベントを企画するなど、お酒を飲まない人でも楽しめる工夫が施された。

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写真左が伊藤さん

入場者数は約2,000名に上り、その内、試飲できる有料チケットの購入者が550名。30代、40代を中心に、2~3人の子ども連れが多くみられた。「お酒をたくさん飲む人は全体の1%以下で驚きました。深酒によるトラブルもなく、期待していた家族層に足を運んでもらえて、『楽しかった』という感想をいただくことができました」(伊藤さん)。

伊藤さんは、「お酒を飲まない人も多くいたため、料理の種類をもっと豊富にできたらよかった」と反省点を振り返りつつ、「とにかく、続けていくことが大事。帰属意識が薄れる人も多いなか、島の2代目3代目に当たる子どもたちが、将来U・Iターンして帰ってきてくれるように、佐渡は楽しいと感じられるイベントを開いていきたい」と展望を語った。

     

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