7月9日、壱岐島(長崎県壱岐市)芦辺町の総合スーパー「イオン壱岐店」横芝生広場で、壱岐島で映画上映活動を行う任意団体「しまの映画館」が島内初のオープンエア・シネマ(野外上映イベント)を開催した。島内外から約500名が来場し、夜空の下、長編アニメ作品『マダガスカル』(ドリームワークス・アニメーション)が映写された。
島の子どもが異文化に触れる機会を。15回目で初の野外上映実施に
「しまの映画館」は30代前半までの若手農業者が集う壱岐地区青年農業者連絡協議会の男性会員により2015年5月に発足。毎月1回、第2土曜開催をベースに福祉施設「芦辺町クオリティライフセンターつばさ」を会場に屋内で洋画上映会を14回行ってきた。
同団体の代表・中尾拓也さんは設立の理由を「島の利点を活かした娯楽の場をつくり、島外の方が壱岐に来たくなる理由をつくりたかった。また、島の子どもが異文化に触れる機会を用意したかった」と話す。
「私はワーキングホリデー(※)やバックパッカーとしていくつかの国を訪れました。中でもドイツで現地の友人に連れていってもらったオープンエア・シネマでの感動が忘れられず、いつか島民の方々の心の中にも同じ感動を起こしてみたいと思っていました」(中尾さん)。
今年4月、壱岐島での野外上映イベント開催に向けて、屋外用巨大スクリーンの購入費をクラウドファンディング(少額出資)サイトで募り、目標金額を達成。中尾さんが目標にしてきた野外上映イベントへ向け大きく前進した。
必要な機材が全て揃った今年7月、15回目の上映会で中尾さん念願のオープンエア・シネマが実現した。中尾さんは「参加してくれたみなさんはとても喜んでくれていました。これからも改善を重ね、もっと感動できる体験を届けていきたいです。それを目指して今後も野外上映を続けていきます」と熱意を語った。
また、「壱岐島に観光客が多く集まるのは夏です。だから『しまの映画館』を盛り上げて、通年でも行きたくなる島になるように頑張りたい。島の経済にも貢献したいので」(中尾さん)と島への思いも強い。
※ワーキングホリデーとは……二国・地域間の取決め等に基づき,各々が,相手国・地域の青少年に対し,休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度。(外務省[ビザ・日本滞在 ワーキング・ホリデー制度]2016年7月12日より引用)。
【関連サイト】
「しまの映画館」facebookページ