長崎県松浦市の地域創生事業「離島丸ごとひとづくり~水産資源を生かした自立・自走による地域ブランド化と新市場の創造~」(以下「離島丸ごとひとづくり」事業)が、2015年11月に発表された地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)の交付対象事業に決まった。同事業は、人口223人90世帯(平成28年3月31日現在)が暮らす青島(あおしま|松浦市)で実施される。
青島の全景
島全域で水産業に取り組み若者の雇用を増やす計画
松浦市の「離島丸ごとひとづくり」事業は、国が進める地方創生に合わせて、島の人口減少と若者の流出に歯止めをかける目的で計画された。
同事業を実施する青島の基幹産業は水産業。養殖、漁船漁業や定置網漁などの一次事業と、かまぼこなどを製造する二次加工業が行われている。
かまぼこをつくるお母さんたち
松浦市政策企画課の担当者は「青島は、島をあげて禁漁期間を遵守するなど、環境保全にも力を入れられており、その結果として、水産資源と景観が保持できている」と話す。一方、「水産業自体は、法人、個人問わず個々が独立して営んできたため、島内全体での後継者の育成が課題となっている」。
そこで、島の住民が個々に営む水産業を島全域で連携させる「地域ブランドの確立」を目標に、若い世代のUIターンを視野に入れた、地域産業の活性化に向け、同事業を開始した。
「島を水産業で地域商社化して、島全域の生産性を高め、雇用を創出したい」(松浦市担当者)。
「離島丸ごとひとづくり」事業は3カ年計画。1年目に島内をまとめるキーマンの育成が行われ、2年目、3年目で組織の立ち上げと販路開拓やPRに取り組む予定だ。
青島の風景。タコツボとタコの絵
松浦市の担当者は「地域おこし協力隊を受け入れて、地域商社化に係る団体の一員として働いてもらう計画があります。3年後、青島の地域ブランド化を交付金なしで継続できるように、島の営みや生活に関心のある、やる気ある方にきてもらいたい」と話す。
松浦市にある黒島(くろしま)や飛島(とびしま)などの離島のうち、人口が多い青島で同事業を成功させ、他島をはじめ、他地域との連携を図る計画だ。
【関連サイト】
松浦市ホームページ