つくろう、島の未来

2025年01月30日 木曜日

つくろう、島の未来

「未来のシマ共創会議(シマ会議)」 に合わせて開催した 「未来のシマ共創アワード」 の結果が、11月14日にシマ会議の会場で発表されました。自薦・他薦で約50組がエントリーした 「地球1個分の暮らし部門」と「サステナブル経営部門」から選ばれた入賞エントリーを紹介します。

「未来のシマ共創会議」とは?

国内417島・約170市町村 総勢約90万人が生きる、離島地域から世界をかえる実践者が集い、日本が誇る産官学民の叡智と熱量が交わる参加型カンファレンス。 初開催となった今年は『ritokei』 や 『世界がかわるシマ思考一離島に学ぶ、生きるすべ』の登場人物がリアルに集結し、5つのテーマでトークセッションを展開。 その他、ワークショップ 展示・物販・交流ブースなど「学び」と「出会い」 を来場者が楽しみました。

「未来のシマ共創アワード」審査員

石田秀輝
沖永良部島在住。 東北大学名誉教授。
一般社団法人サステナブル経営推進機構 代表理事

高橋忠仁
屋久島出身。 株式会社エンデバー代表。
株式会社 PALTEK創業者

北哲弥
大和リース株式会社代表取締役社長

地球1個分の暮らし部門

現代人の暮らしが「地球2.8個分」を消費していると言われるなか、地球上で持続可能に生き続けるためには 「地球1個分の暮らし」 の実践が大事。そこで島々の小中高生、わくわくどきどき・にこにこが生まれる「地球1個分の暮らし」の取り組みを応募いただきました。

<最優秀賞>

屋久島/鹿児島
「屋久高環境フェスタ」
鹿児島県立屋久島高等学校3年 屋久島高発!屋久島お助け隊

応募者のコメント

屋久島高校3年生の授業「課題研究」の中で「屋久島お助け隊」を結成。地域の課題解決を目的に活動しています。その中で、令和3年度から毎年「屋久高環境フェスタ」 というイベントを開催し、地域を盛り上げています。

イベントでは島内外の産業界、行政、大学、NPO等、約30団体と共創し、SDGsをテーマにしたステージ、物販、体験ブース展示を本校体育館で行っています。

イベントは来場者にリアルな体験価値を提供できる非常に重要なコミュニケーション手法だと考えています。このイベントを通して、地球上で起こっているさまざまな環境問題やSDGsに関心を持ってもらい、世界自然遺産を有し、脱炭素化の最先端をいく屋久島を再認識してもらいたい。

令和3年度から毎年1回(昨年は島の南部と北部で1回ずつ開催)し、今年度で5回目の開催になります。地域経済やコミュニケーションの活性化を促す空間づくりとして、島内外の関係機関と協働・連携して実施しています。

審査員のコメント

・産学官民が協業することで関係人口を増やし、高校生が地域の課題解決だけでなく、地域の魅力についても積極的に取り組んでいる。高校卒業後、島を出る子もいると思うが、行った先で屋久島の魅力を発信し、関係人口を増やしていくことでしょう

・地域との連携が上手く図られている。5回継続されている

<大和リース賞>

福江島/長崎
五島高校での音楽の力で五島の海ごみを減らす取り組み
長崎県立五島高等学校2年 おーしゃん

サステナブル経営部門

離島地域において、環境・社会・経済に配慮した持続可能な経営を実践・チャレンジする事業者・経営者の取り組みを自薦・他薦で募集。島の資源を生かし、顧客や地域社会の笑顔をつくり、必要な資金を循環させるアイデアや熱意を評価しました。

<最優秀賞>

対馬島/長崎
有限会社丸徳水産 そう介プロジェクト
佐古竜二(推薦者)

応募者のコメント

海への感謝と恩返しを理念とし、養殖、水産加工、飲食、観光業と、海にまつわる事業を幅広く展開している。養殖では市場価値のない小さな魚を漁師より買い取り自社の生け簀で育てて出荷するなど漁師の所得向上と資源ロスの削減に寄与。

水産加工では磯焼けの一因ともいわれている食害魚の加工・販売や商品開発を行い、飲食では鳥獣被害対策に取り組む団体と連携してジビエ×食害魚のコラボ弁当を企画し、海と山の問題が繋がっていることを啓発している。

観光では地元の漁師が漁船でアテンドし漁業×マリンレジャー×環境教育を同時に体験できるツアー「海遊記」を実施し、海遊記の売上を原資に島の小中学生を海遊記に無料招待するなど、環境問題への意識が地域に根差すための教育活動にも力を入れている。

そのすべての事業において、環境問題に取り組むと同時に地域経済の成長も考えながら、持続可能な社会が実現するよう事業を行っている。

審査員のコメント

・魚の価値を高め漁師の所得向上と資源ロス削減に具体的に貢献し(そう介PJ)、山との関わり(ジビエ)、観光(海遊記)ビジネスにも展開し、結果として、地球環境問題への対応が経済価値につながることを示したことを評価したい

・小さな魚や敵であったジビエ×食害魚までも大事な資源として活用、漁師の方たちも現状を打破しようと観光や環境教育に対してマルチタスクで取り組まれている姿は無料招待された島の小中学生の憧れになるはずです

<エンデバー賞>

隠岐諸島(知夫里島)/島根
島田広之さんの大阪と隠岐の2拠点事業展開による関係人口拡大
杉原七海(推薦者)


以上、栄えある第1回「未来のシマ共創アワード」の結果をお届けしました!入賞者はもちろん、高い評価を得たエントリーの詳細は、次号『季刊ritokei』(2025年2月下旬発行)でたっぷりと紹介します。どうぞお楽しみに。

「シマ会議」を動画でチェック!

「未来のシマ共創会議」リアル会場の様子を動画でご覧いただけます。また、各トークセッションのアーカイブ動画をリトケイストアで販売しています。ぜひご利用ください。

トークセッションのアーカイブ動画はリトケイストアで販売しています

「未来のシマ共創会議2024」概要

日時:2024年11月14日(木)10-18時(18-20時アフターパーティ)
場所:東京ミッドタウン八重洲カンファレンス 5階(東京駅直結)+オンライン
参加人数:約300人

【協賛】
大和リース株式会社
株式会社エンデバー
アミタホールディングス株式会社
リファインホールディングス株式会社

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
AMAホールディングス株式会社
株式会社雨風太陽
一般社団法人ツギノバ

【物品協賛】
株式会社宮古島の雪塩
https://www.yukishio.com
農業生産法人株式会社西表島フルーツ
https://www.iriomotejima-fruits.net
ごと株式会社
https://nagasakigoto.co.jp
後藤緋扇貝
https://hiougigai.com
株式会社オイシーフーズ
http://www.oisea.com/
有限会社八重泉酒造
https://yaesen.com
株式会社奄美大島開運酒造
https://lento.co.jp
八丈興発株式会社
http://www.hachijo-oni.co.jp/
尾畑酒造株式会社
https://www.obata-shuzo.com/home
干場洋介 (北海道奥尻島)

【協力】
環境省
https://www.env.go.jp/index.html
POTLUCK YAESU
https://www.potluck-yaesu.com
利島村
https://www.toshimamura.org
知名町
https://www.town.china.lg.jp
アイランデクス
https://car-okinawa.com/

【後援】
国土交通省
内閣府総合海洋政策推進事務局

【主催】
未来のシマ共創プロジェクト実行委員会

【運営】
特定非営利活動法人離島経済新聞社

     

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