つくろう、島の未来

2024年09月19日 木曜日

つくろう、島の未来

都心から高速船なら約2時間20分、人口減少時代において半世紀以上も人口が変わらない東京・利島(としま)より、水産を盛り上げる「地域おこし協力隊」募集。リトケイが島の耳より求人を紹介する「シマの人事部」からのご案内です。

人口300人の島で水産の未来をひらく協力隊を大募集

都心から高速船で約2時間20分、約300人が暮らす利島は、人口減少時代において半世紀以上も人口規模が変わらない島です。

その背景には、移住者を迎え入れる柔軟な施策があり、この春は島の三役に数えられる「教育長」の採用募集を全国規模で展開し、400人を超える応募を集めたことも話題に。

現在は村長、副村長、教育長が揃って30〜40代。『季刊ritokei』42号「島を支える仕組み」特集では村長や教育長と共に、島を支える仕組みについての座談会も開催しました。

「利島村×リトケイ座談会 島を支える仕組みを小さな島が活かすには」【特集|島を支える仕組みのキホン】

利島の基幹産業は、島の一面に広がる椿からとれる椿油や、太平洋から水揚げされる水産品。現在、利島村では島が誇る「水産」を育てる地域おこし協力隊を募集しています。

海の変化に合わせ、水産の価値をアップデートする仕事

その業務は、水産加工品の価値をアップデートし、島の産業をサステナブルにする仕事。

所属する利島村役場の産業観光課の職員や、漁協職員、漁師の皆さんと共に、水産加工品の企画、開発、販売に関する業務や、漁協の運営、漁業者の支援、水産を軸としたイベントの企画立案、魅力の発信などを、どんどん開拓していくやりがいのある仕事です。

募集の背景には島をとりまく環境変化があります。温暖化や海流の変化によって、かつては水産の主力だった伊勢海老やサザエの漁獲量は激減。代わりに水揚げが増えたマグロやカツオ、伊豆諸島で親しまれている天然のハバノリやトサカノリを活かし、利島の水産をアップデートする必要があるのです。

共に働くひとりとなる利島村漁業協同組合の池原優太(いけはら・ゆうた)さんは「利島は小さな島ですが、閉鎖的な雰囲気はあまりありません。ゼロイチの経験ができることや、島にいながら都会の人とやりとりする楽しさ、関係者が身近にいる意思決定プロセスの早さ、裁量の大きさも魅力です」と話します。

少人数自治体の仕事は、大規模自治体とは異なり「ひとりが多様な業務を担当すること」が特徴。利島村でも多様な業務を担当するため、島の豊かな資源を活用した「水産業の振興」はもちろん、「地域経済・コミュニティの活性化」のために必要な仕事に取り組んでいただきます。

「多様な業務を行いますが、一人で抱え込むのではなく、私たち漁協職員はもちろん、漁師や役場職員、島外の事業者など、さまざまな関係者と連携して仕事を進めていくことになります」(漁協職員)。自身も移住者である池原さんは「仕事のことはもちろん、生活面でも気軽に相談してください」と話します。

任期は3年間ですが、利島村としては「なるべく長くいてほしい」とのこと。任期後も、加工品の開発部門担当として業務を継続したり、島内外向けに水産を軸としたイベント等の企画・実施など、島の暮らしと仕事を継続してもらうことが期待されています。

ちなみに協力隊は「副業可」。例えば、水産業のかたわらで椿産業を手伝うなど、やる気次第でさまざまな仕事(収入)を得ることも可能です。

「自分を開示すれば助けてくれる」利島の暮らし

協力隊の住居は村が確保。気になる利島の暮らしは、天候が荒れると船が欠航する島らしさがありながら、診療所や教育環境が揃い、ネット通販は最短2日で届き、食品や生活必需品は島内の商店で購入できるため、島の人々は「特段不便は感じないのでは」とのこと。

ただし、都会のように多様なお店やサービスはありません。

利島村役場の隅智孝(すみ・ともたか)さんは、利島で暮らし、働くための心構えを「挨拶や報告・連絡・相談は最低限必要ですが、無理に人付き合いをする必要はありません。大切なのは自分自身を開示して、心地よいコミュニケーションをすること。仕事でも生活でも、わからないことは、まわりの人が絶対に教えてくれるし、助けてくれます」と話します。

そんな島の空気に溶け込む移住者は多く、これまでさまざまな職種で採用されてきた地域おこし協力隊も、任期満了後に3名が定住しています。

「協力隊としては最長3年が任期となるが、役場としては長く住んでもらえる人を採用したい。長く住んでもらえるように、役場や漁協は全力でサポートします」(隅さん)

ひとりの個性や力が発揮される300人の島で、島と水産の未来をつくるひとりになりませんか? 「募集要項」をご確認のうえ、利島村役場までご応募ください。


募集要項

【募集人員】
地域おこし協力隊 1名

【利島の水産業の概要】
高級魚介類の代名詞である伊勢海老やサザエは利島の特産品といえますが、近年の潮流の変化、海の環境の変化により、その漁獲高は減少傾向にあります。一方で、まぐろやカツオなど、従来とは異なる魚種が獲れる環境となってきており、今後の海況の変化の可能性を踏まえ、漁業経営の安定化や多角化が求められています。

そのような中、漁獲の拡大、魚価の向上、担い手の確保という課題の解決や、島の水産物のブランディングに向け、2023年より新たなプロジェクトを始動したところです。

【2023年からの新たなプロジェクト内容】
・新たな漁法等による漁獲量向上
・水産加工品の開発・販売
・海底湧水の調査と堆肥を用いた磯焼け対策
・島内住民の魚食普及・おさかな教室の実施

【業務概要】
・採用後、水産振興担当として活動していただきます。
・島の豊かな資源を活用した水産業の振興や、地域経済・コミュニティの活性化に取り組んでいただきます。

《主な活動の例》
・水産加工品の企画、開発、調理、販売に関する業務
・漁協の運営支援業務や漁業者支援に関する業務
・漁協及び水産業の魅力発信に関する業務
・水産を軸としたイベント等の企画立案・運営
・水産振興や地域経済・コミュニティ活性化に必要な活動
・その他水産業振興に必要な業務 など
※活動に当たっては、主に利島村漁業協同組合(以下、漁協)において、主に水産振興を目的とした様々な活動を行っていただきます。
※活動に必要な道具は、村役場又は漁協から無償貸与いたしますので、ご相談ください。

【望ましい人物像(全て該当する必要はありません)】
・魚が好き、釣りが好きなど魚と触れる機会の多い人
・地域への愛着やコミュニティへの関心を強く持っている人
・問題解決に向けて柔軟に対応できる人
・地域振興に情熱を持ち、持続可能な取組を推進できる人
・住民や関係者と協調的に関係を築くことができ、円滑に取組を推進できる人
・島内で採れる食材を活用した商品開発等に熱意を以って取り組むことができる人
・費用対効果を考慮しながら実現可能な取組を提案でき、実行できる人

【募集条件】
応募者は次の条件を全て満たす方に限ります。

(1) 応募時点で3大都市圏又は都市地域(過疎、山村、離島、半島等の地域に該当しない市町村)に在住し、採用後に利島村に住民票を移し居住できる方
(2) 離島振興など、社会貢献度が高く使命感にあふれる職種を希望する方
(3) 地方公務員法第16条に規定する欠格状況に該当しない方、税金等滞納のない方
(4) 心身ともに健康で積極的に地域社会に入り込み、住民等と充分にコミュニケーションを取りながら地域活動を共にできる方
(5) 自ら情報収集を行い、分析し、企画立案・実践活動ができる方
(6) 普通運転免許を取得している方
(7) Microsoft Office ソフト(word・excel等)やメールなど一般的な操作ができ、
インターネットを活用して情報発信ができる方

【勤務条件、待遇等(予定)】
(1) 勤務地
利島村内
(2) 勤務時間
週4日、1日につき原則8時15分~17時00分の7時間45分(変則勤務の可能性有り。)
(3) 雇用形態
利島村会計年度任用職員
(4) 任用期間
採用日から1年間
※翌年度も職が設定され、従前の成績が良好な場合、再度任用される場合があります。
ただし、最長期間は採用日から最長3年間となります。
(5) 給与
月額191,520円
(6) 待遇・福利厚生
・期末手当を支給(令和7年6月支給時のみ勤務期間により30/100支給)
・地方公務員共済組合(短期給付及び福祉事業を適用)・厚生年金・雇用保険・労災保
険へ加入
・住居は村で確保(家賃は地域おこし協力隊員が負担)
・年次有給休暇(6か月経過時から付与)
・特別休暇の付与
・活動に必要なパソコン等の機材は村、又は漁協が貸与
・副業は村長の許可を得た上で可能
※週の勤務日が4日のため、その他は副業の時間にあてていただくことを想定しています。

【応募締め切り】
令和6年12月15日(日)※必着

【詳細・申し込み先】
利島村役場
https://www.toshimamura.org/archives/2024/1548697.html

※NPOリトケイの求人情報は募集情報等提供事業として行うため、雇用関係成立のあっせんは行いません。詳細・ご応募は利島村へお問い合わせください。

     

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