つくろう、島の未来

2018年12月11日 火曜日

6月25日、「離島キッチン日本橋店」(東京都中央区)で、離島地域と島ファンをつなぐ拠点づくりを狙うプロジェクト「離島百貨店」のキックオフイベントが開催された。 発起人は独自の地域づくりで知られる島根県海士町(※島名は中ノ島)の元町長・山内道雄さん。全国の島料理や島の文化・歴史を発信するレストラン「離島キッチン」などの立ち上げにも携わった経験を活かし、離島地域の情報を一元的に発信するポータルサイトの開設や、有人離島を有する全国の自治体による共同出資で株式会社設立を目指す。

左から「離島キッチン」代表取締役 佐藤喬さん、国土交通省離島振興課長 佐藤正一さん、「離島百貨店」発起人 山内道雄さん

島々の現況と地域づくりを話し合う

6月25日に「離島キッチン日本橋店」で開催された「離島百貨店」キックオフイベントには、離島振興に携わる行政関係者など約80名が参加。

「離島キッチン」代表取締役の佐藤 喬さん、国土交通省離島振興課長の佐藤正一さん、「離島百貨店」発起人の山内道雄さんによるパネルディスカッションが行われ、離島地域を取り巻く現況や地域づくりについて意見が交わされた。

佐藤 喬さんは、全国83島の生産者との取引があるという離島キッチンの歩みを振り返り、次のステップとして「離島ファン100万人のファンクラブづくり」と島々の特産品や旅行商品、求人情報、不動産などの情報を束ねる「離島百貨店」プロジェクトの構想を示した。

国土交通省の佐藤正一さんは、平成22年から27年までの5年間で人口が9パーセント減少し、高齢化率では全国平均の27パーセントより12ポイント高い39パーセントに及ぶ離島地域の現況を示し、「人口が増えている島は年少者や生産人口が多い。多地域で地域づくりのノウハウを共有する場があると良い」と話した。

また、離島活性化交付金など地域振興を目的とする補助事業の活用について「補助事業ありきではなく、まず地元のやりたい事があり、それに応じる地域づくりに活用してほしい」と地域発の取り組みに期待を込めた。

「離島百貨店」発起人山内道雄さんと来賓による鏡開き

パネルディスカッションに続くレセプション「島の直会」は鏡開きとともに開宴。海士町の岩ガキ「春香」をはじめ、トカラ列島(とかられっとう|鹿児島)のサワラのカルパッチョなど、全国の離島地域の食材を使った料理や島々の酒が振る舞われた。

左:岩ガキ「春香」/右:奥尻ワインや壱岐焼酎、奄美黒糖焼酎など島々の酒が並んだ

島々の情報の一元化と連携体制づくり

離島百貨店プロジェクトでは、全国の離島地域が連携して事業に取り組み、離島地域と島ファンをつなぐことのできる拠点づくりに取り組む。

島々を活性化させるためのプラットフォームとして、インターネット上に島々の情報を集めたポータルサイトを開設。全国5カ所の離島キッチンと連携させ、島々に関する情報を一元的に発信していく。

2018年度中に開設予定のポータルサイトでは、全国の島々の求人情報を集める「離島人材サービス」をはじめ、「離島メディアサービス」「離島情報サービス」「離島商事」「離島不動産」「離島旅行社」などの情報カテゴリーを想定。短期の求人情報と空き家情報を連携させ「ワーキングツーリズム」を募るなど、情報の相乗効果を狙う。

また、全国の離島自治体に共同出資を募り、2018年度中をめどにプロジェクトの推進を担う株式会社離島百貨店の設立を目指す。

元海士町長で離島百貨店発起人の山内道雄さんは、「『ないものはない』小さな島同士が協力することで、大きな力になる。まずは気の合う者、気のある者と共に進んでいきたい」と話した。

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