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寄稿コラム

離島の中の離島。与路島を巡る旅(前編)

鹿児島県は奄美大島の先のまた先にある与路島。「離島の中の離島」とも呼ばれ、緑豊かでのんびりした雰囲気の漂うこの島に初めて訪れた麓の現地ルポをお届けします。

■珊瑚の石垣が残る島

[請島と与路島の間にある半砂島「ハミャ島」]

 

奄美大島と徳之島の間に位置する加計呂麻島・請島・与路島は「離島のなかの離島」と称される。3島への交通手段は奄美大島最南端の町、瀬戸内町からの海路のみ。奄美大島の目の前である加計呂麻島へはフェリーで20分程度だが、その先の請島(うけじま)・与路島(よろじま)に行くとなると、定期船で片道45分~1時間半かかる。奄美大島の島民でもこの2島に訪れたことがあるという人は、なかなかのマイノリティー。

 

「気になるけど、なかなか行く機会のない島」

 

私もその一人だった。しかし、先日、ついに与路島へ上陸するチャンスが巡ってきたのだ。奄美群島有人8島のなかで、与路島はもっとも小さい島だ。2013年12月現在の人口は91人たらず。情報はあれど、実際に訪れてみないと島の印象は定まらない。それぞれの島が放つ雰囲気、魅力を体全体で感じ取りたい。

 

2013年12月某日、わくわくしながら当日を迎え、意気揚々と朝8時に奄美市名瀬を出発。瀬戸内町営船「せとなみ」が発着する瀬戸内町の「せとうち海の駅」へと向かった。

 「せとなみ」(52トン、旅客定員60人)は瀬戸内町古仁屋〜請島〜与路島を往復。毎日運行しているが、奄美大島からの日帰り観光ができるのは日曜日のみ。他の曜日の運航スケジュールでは観光が成立せず、どうしても1泊以上の滞在が必要となる。

 

請島や与路島に行くのに、民間の海上タクシーを使う方法もあるが、少人数の場合に海上タクシーはどうしても割高になってしまうため、旅費を抑えるためには「せとなみ」で行くことをおすすめする。

 

出航の10時が近づき、待合所を出て「せとなみ」に向かった。続々と人が乗り込むなか、3頭の仔牛も後方甲板に乗せられているのを発見。

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聞けば、与路島で繁殖牛にするため徳之島からやってきたのだという。長旅の疲れか、随分大人しい。デッキでじっと佇む彼らを横目に、私もいよいよ「せとなみ」へ乗り込んだ。

 

■島と島の間をすすむ航路

奄美の冬の空は大抵不安定だ。夏の青い空は見事に消え去り、短い冬は概ね曇り空と強く吹く北風、小雨に支配される。もちろん、本土と比べれば気温自体はそれほど低いものではないが、この雨風のせいで体感温度はひどく低い。 この日の天気は曇り。見上げる空は黒いが、なんとか持ちそうだ。

 

おだやかな波間をぬって、船は静かに出航。与路島までは瀬戸内町古仁屋から約35km。古仁屋〜与路島の直行便で約50分、通常の請島経由だと1時間半はかかる道のりだ。奄美大島と加計呂麻島の間に位置する大島海峡に出ると、一路東へ。加計呂麻島の険しい岸壁を沿うように太平洋へ進んでいく。途中、岸壁の隙間を発見。海からしか行くことができない洞窟に冒険意欲がかき立てられる。

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加計呂麻島の端に位置する「ヒヨコ岩」が見えてきた。昔から航海の目印となってきた。その名のとおり、ヒヨコにそっくりの丸いフォルムに、心が和む。そして、海に流れる小さな滝もあちこちに見られた。降雨後など水量が多い時にだけ出現し、海からしか見ることができない名もない滝。その後も合間合間に見える小さな無人島などを確認しいると請島に到着。

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まずは請島の東の玄関口である請阿室(うけあむろ)港、続いて西の玄関口、池地(いけじ)港に着岸。請島には島内交通がなく、集落ごとに港があって島民たちもこの船で移動する。そういった事情から船は時刻通りに来ることは少なく、港の近くまで来ると汽笛を鳴らし、集落に船が来た旨を伝えるそうだ。

 

請島の2つの玄関口を経由し、一路、与路島へ。しばらくすると、請島と与路島の間にある半砂島「ハミャ島」を見ることができる。島の半分側はさらさらの砂でできていて、あとの半分は岩山となっている奇妙で美しい島。与路島からごく近く、釣り場にもなっているようだ。

請島を離れて30分後、ついに与路島に到着した。

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1時間半振りの陸地に、足元の感覚が少しおぼつかない。

仔牛たちも、大きなクレーンで釣られ、無事上陸。

港の待合所の外壁には「いーおーちゃーどー」という大きな文字。与路島の方言で『よくいらっしゃいました』という歓迎の意味なのだという。

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いよいよ与路島の島内へと一歩を踏み出した。

 

 

〈後編へつづく〉

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