鹿児島県では2008年度から離島地域出産支援事業が行われている。この事業では、常駐の産科医がいない離島地域在住の妊婦が島外の産科医療機関を利用する場合、妊婦健診や出産前の待機に要する交通費と宿泊費等の一部が助成される。このうち、宿泊費の助成対象額は、妊婦健診の場合が1泊5,000円上限の2泊まで、出産待機の場合が5泊相当の25,000円までで、助成対象額に対して3分の2(県3分の1、市町村3分の1)が助成されてきた。2016年度からは出産待機の助成対象額が15泊相当の75,000円までに拡充された。
妊婦に安全な出産環境を
鹿児島県には28島の有人島がある。種子島(たねがしま|鹿児島県西之表市)、屋久島(やくしま|鹿児島県屋久島町)、徳之島(とくのしま|鹿児島県徳之島町)、沖永良部島(おきえらぶじま|鹿児島県知名町)などには産科医が常駐しているが、計14島は無医島。[鹿児島県配布『第11次鹿児島県へき地保健医療計画』(2013年3月策定)より引用]
分娩施設のない島では、緊急時にドクターヘリコプターの出動が必要となるケースもあるため、出産環境としてはリスクが高い。県では安心してお産を迎えるためにこの事業を活用した早めの出産待機について、市町村を通じて妊婦へ呼びかけている。
2015年度では、妊婦健診で115人(436件)、出産待機で107人が冒頭の制度を利用。県の補助総額は約210万円で、2016年度は約270万円の補助額が出産支援に備えられている。
県の担当者は「この制度に加え、独自の助成制度を設けている自治体があることから、居住地の自治体に事前に確認してほしい」と言っている。
【関連サイト】
鹿児島県保健福祉部子ども福祉課ホームページ
かごしま子ども未来プラン