6月17日、姫島(ひめしま|大分県姫島村)に立命館アジア太平洋大学(APU)に通う世界8ヶ国の若者24名が来島し、第1回世界島会議が開催された。主催は姫島エコツーリズム推進協議会。APUの学生団体とともに、「環境」「観光」をテーマに世界の島嶼(しょ)国の事例発表や、姫島の取り組みについてのディスカッションが行われた。
グローバルな視点から島の環境・観光について議論
瀬戸内海国立公園の西側に浮かぶ姫島(ひめしま|大分県姫島村)は、国東半島の沖合約6キロメートルに浮かぶ1島1村の島。
約2,000人が暮らし、漁業や水産加工業を中心に、火山活動により形成された火山岩や地層を観察できるジオパーク巡りや、国選択無形民族文化財である姫島盆踊りなどを目玉にした観光産業が営まれている。
世界島会議を主催する姫島エコツーリズム推進協議会は、CO₂排出量ゼロの電気自動車や、新たなモビリティである電動ゴルフカートの利活用を推進する団体。環境に優しい地域活性化事業を展開している。
第1回世界島会議は、姫島へレンタカー事業のアルバイトで訪れていた立命館アジア太平洋大学(APU)の韓国人大学生とのつながりをきっかけに実現した。
別府市に立地するAPUは、約90国・地域から約5,800名の学生が集う大学。今回、姫島を訪れた学生はAPUの学生団体「アークス」の所属メンバーで、同団体が定期的に行っている野外授業を、姫島エコツーリズム推進協議会が誘致した。
姫島の空気に「なつかしい」という声も
6月17日、インドネシア、ネパール、インド、ベトナム、スリランカ、モルディヴ、アメリカ、韓国と日本を含む9ヶ国24名が姫島に来島し、地元ガイドの案内で島の歴史や自然を学んだ後、会議が行われた。
同会議では、アジア太平洋地域の島嶼(しょ)国であるハワイとモルディヴの学生が、自国で行われている観光や環境における取り組みや、国民の意識についてプレゼン。続いて、姫島の印象や可能性についてもグローバルな視点で語り合われた。
会議を主催した姫島エコツーリズム推進協議会の担当者は、「温暖化問題に対して先進的なモルディヴでは、週末は車に乗らず徒歩や自転車に乗ることが進められている。こうした事例は姫島規模であれば参考にできるかもしれない」と話す。
姫島の空気に触れた学生らのうち、島嶼国出身者からは「なつかしい」という声も挙がったという。同協議会担当者は「今回はグローバルな視点から姫島に対する意見をいただくこともできた。お互いの良い取り組みを共有し、島同士で支え合えあえたら」と展望を語った。
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