つくろう、島の未来

2024年12月07日 土曜日

つくろう、島の未来

能登島(石川県七尾市)の耕作放棄地解消やこれからの農業を考え、活動する農事組合法人ラコルト能登島。同法人の専務理事を務める洲崎さんにお話を聞いた。

■能登島の耕作放棄地解消を目指す、「ラコルト能登島」

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石川県七尾市にある能登島は、約3,000人が暮らす面積46.58平方キロメートルの島。半農半漁の島として知られ、1984年に能登島大橋が供用開始し、本土と陸続きになってからは、観光客も多く訪れている。

農事組合法人ラコルト能登島(以下、ラコルト)は、能登島を拠点に「耕作放棄地の解消」を目的に活動している。ラコルトはスタッフ4名と組合員3名で運営。島の中央部に位置する向田町(こうだまち)で、つくり手のリタイアにより休耕田になる恐れのあった田んぼを借り受けたことをきっかけに、2011年に法人を設立した。

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現在は、向田町に点在する100枚ほどの田んぼを管理しており、総面積は11ヘクタールに及ぶ。「島外の人と交流ができれば」という思いから、オリーブをはじめ、ズッキーニやイタリアンパセリなど十数種類のイタリア野菜といったさまざまな作物を栽培している。

農家の高齢化が進む能登島で「田んぼづくりの名人」と呼ばれる人は70歳近くなり、農業を継承する倅(せがれ)も少ない。農業の担い手を確保することが困難になるなか、ラコルトの専務理事を務める洲崎さんは「私たちは能登島での農業の可能性を追求している。将来、子どもたちに『能登島の農業も楽しいね』と思ってもらえれば」と話す。

法人設立から4年が経ち、島内ではうれしい動きも見られるようになった。ラコルトのメンバーが島内で活動する姿を見て、農家から「外から来た人たちが農業を一生懸命やっているから、わしらもやらんと」という声が挙がり、昨春には地元農家による営農組合が組織され、今年から活動を本格化させている。「向田の人が向田の田んぼを守るということが実現でき、とても嬉しかった」(洲崎さん)。

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最近では向田町で収穫された減農薬のコシヒカリを使用した「純米酢」づくりにも取り組んでいる。手間ひまかけた品物づくりを行う背景には「家族の集う、団らんのある食卓」をつくりたいという思いがある。

「どのような作物をつくり、どのような活動を行い、どんな人とネットワークをもっているかが、これからの農業にとって大切」と洲崎さんは話す。また、「島外の人間だからこそ持っているネットワークを活かして、能登島の商品の販路を開拓していきたい」と展望を語った。


【関連サイト】
農事組合法人 ラコルト能登島

     

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