つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

72の有人島がある長崎県は、ヤマト運輸を中心とするヤマトグループと連携し、2016年2月10日から島の産品が全国販売される事業「ながさき『しまねこ』プロジェクト」を始動。

image

ながさき「しまねこ」プロジェクトの概念チャート

店舗単位の取引で「小ロット・多品目納品」を目指す

しまねこプロジェクトでは、島の産品の営業、販売、集金、輸送をヤマトグループが担当。同グループが島の産品の流通面を一手に担うことで、営業コスト、配送時間など、島での販路拡大の足かせになっていた不利な条件を改善することが期待されている。

特徴は、飲食店をはじめとする「店舗単位」で取引が行われること。離島地域の産品は生産量に限りがあるため、これまでスーパーマーケットや百貨店の注文数に応じることが難しかった。

しまねこプロジェクトを担当する長崎県企画振興部地域づくり推進課の山浦義次さんは「店舗単位なら小ロットが可能になります。また、多品目という島の産品の特徴を活かすこともできます。うまくマッチングして、継続的な取引につながれば」と期待を覗かせる。

長崎県では、2015年10月に五島地域、12月に壱岐・対馬地域で島の生産者向け説明会を実施。2月10日に東京商談会が開催され、18日、19日に実施される大阪のシーフードショーに出展。3月には、関東と関西から五島、対馬島、壱岐島に料理人が招待され、現地食材を味わうイベントを行う予定。「県としても、初の試みなので、期待する方がたくさんいました」(山浦さん)。

2016年1月に始動後、1年目は60店舗との契約、総売上2,600万円を目指す。山浦さんは「島の産品が売れて、地域雇用につながり、人口減少の歯止めにもなってほしい。そのため、島で暮らしていける環境も整えていきたい」と話す。

     

関連する記事

ritokei特集