つくろう、島の未来

2024年12月03日 火曜日

つくろう、島の未来

粟島(あわしま|香川県三豊市)の「粟島海洋記念館(旧国立粟島海員学校)」で、粟島を拠点に、海運業の船員として世界を股にかけて活躍していた元船員たちの記憶に触れることのできる「島のじいちゃんが行った世界の港町」展が、11月6日(日)まで開催されています。

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粟島在住の船員OB、企画者のAP通信 津田千枝さん、香川高等専門学校 詫間キャンパスの藤井先生と学生たち

会場の「粟島海洋記念館(旧国立粟島海員学校)」は、日本初の海員養成学校として1897年(明治30年)に旧粟島村(現 三豊市詫間町)が設立した「粟島海員補修学校」に由来する「香川県立粟島航海学校」の校舎として、1920年(大正9年)に建造された建物。その後、官立に移管され、校名も「粟島航海学校」、「粟島商船学校」と改称されましたが、戦後の1946年(昭和21年)廃校に。

時を同じくして、この廃校舎に国立宮崎海員養成学校が移転され、1952年(昭和27年)に「国立粟島海員学校」として再スタートを切ります。以来、1987年(昭和62年)の廃校までここで数多くの船員たちが育成され、粟島から世界の海へ旅立った歴史背景を持ちます。

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写真展会場の「粟島海洋記念館本館(旧粟島海員学校本館)」(国指定登録有形文化財)

展覧会の開催にあたり、香川高等専門学校 詫間キャンパスの学生たちが、粟島の元船員が所有する写真を預かり、仕分けしてデジタルデータ化。学生たちが元船員らに写真にまつわるエピソードを聞き、展覧会に向けて合計18枚のパネルに分かりやすくまとめました。

企画者の1人で香川高等専門学校 詫間キャンパス講師の藤井宏行先生は、「学生たちのインタビューは、孫がおじいちゃんの家に遊びに来たような感覚で、元船員の皆さんは、ご経験を若い方々に話す機会ができたことをとても喜んでくださいました。最初はなかなか思い出せなかった記憶が、話しているうちに鮮明に思い出されてくることもあったそうです」と話します。

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香川高専詫間キャンパスの学生たちが元船員らの自宅を訪問し、インタビューを行った

今回の展示会は2014年に三豊市の共催により粟島で開催されたAP通信報道写真展で同時開催された企画展をきっかけに、当時の運営に携わった粟島住民の協力により実現したもの。

貴重な写真と体験談が散りばめられた「島のじいちゃんが行った世界の港町」展。瀬戸内国際芸術祭と併せて、粟島の歴史と元船員たちの記憶に触れてみてはいかがでしょうか。

「島のじいちゃんが行った世界の港町」展 概要

会期:2016年10月8日(土)〜11月6日(日)
展示時間:9時30分~16時30分
会場:粟島海洋記念館(香川県三豊市詫間町粟島1541)
入場料:500円
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
お問い合せ:香川高等専門学校 詫間キャンパス 藤井宏行研究室
      TEL 0875-83-8559

     

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