つくろう、島の未来

2024年11月21日 木曜日

つくろう、島の未来

離島の課題と可能性を学ぶオンライン勉強会開催中

11月14日(木)、東京ミッドタウン八重洲カンファレンスで「未来のシマ共創会議」が開催されます。

国内417島の有人離島は、人口減少・高齢化・地球沸騰化等の課題に対し、新旧の知恵とテクノロジーを活用した取り組みが展開される「日本の未来の先進地」。そんな離島を舞台に持続可能な世界をつくる共創を生み出す参加型イベントです。詳細は特設ページをご覧ください。

▲クリックすると別タブで開いて拡大できます

当日まで、毎週木曜20~21時半に、共創会議の参加者を対象に、実践者や有識者から離島の課題と可能性について事前にインプットできるのオンライン勉強会を開催しております。テーマは、インフラ、資源の活用、医療、子育て魅力化、お金の話など……離島の持続可能な社会において直面するものばかり。

島々で現実に起こっている状況や取り組みを知っていただくことで、当日のセッションやワークショップがより立体的なものになるかと思います。そこで、勉強会の様子が分かる短めのレポートをご紹介。勉強会は共創会議終了前後までアーカイヴ視聴できますので、安心してご参加ください。

文:ネルソン水嶋

日本の島の基本情報と、島を支える制度たち。

9月5日に行われた第2回目の勉強会のテーマは、「日本の島を知る(基本と制度)」。

登壇者は、NPOリトケイ代表理事・統括編集長の鯨本あつこと、編集部の松本一希。松本は、島にまつわる情報のリサーチや、沖永良部島や利島村などの離島地域の教育事業を担当。リトケイ内部でも、とくに島のデータ関係で頼りにされる存在です。次回からインフラや地域資源などの個々の課題をテーマとする前に、頭に入れておくとより理解が進む、離島の基本知識や制度などについてお話します。

今回の勉強会の内容は、『季刊ritokei』42号の「島を支える仕組みのキホン」に沿って進められました。こちらは、ウェブ記事のほか、リトケイサポーターの方は電子版でも閲覧できます。

島×制度・法律 アーカイブ – 離島経済新聞(ウェブ版リトケイ)
特集:なつかしくてあたらしいミライの島を共につくろう(『季刊ritokei』電子版

まずは、日本の島しょ構成を説明。日本の本土は北海道・本州・四国・九州・沖縄本島で、それ以外はすべて島。それが14,120島、うち有人離島は417島あり、日本が島々の集合体という意味でもまさに「島国」だということが分かります。また、日本の排他的経済水域は、世界第6位の面積。これは日本周辺の海洋に点在する離島によるところが大きく、なんと小笠原諸島で面積の3割を占めています。これが日本の国土を国土たらしめており、日本という国において離島がいかに重要かということが伝わります。

そんな離島地域は、1950年代から日本の人口が増え続けてきた一方、減少の一途をたどってきました。しかし、国土を維持するという観点からも、島の実情に合わせてさまざまな制度があります。たとえば、ガソリン代の値引きや、地域の各産業の繁閑期に合わせて労働力の需給を調整する組合制度、観光客が多く来る島にはごみ処理や施設維持のための入島税、ドクターヘリや子育て支援などなどです。

島の情報を知るためのツール

ここで、そんな日本の離島の基本と制度を知るおすすめサイトを紹介。

離島振興を担当する国土交通省の国土政策局のページでは、各自治体がどのような制度を活用しているか調べることができます。また、同省が2024年から取り組む、デジタル技術を活用した産学官の離島振興の情報交換・発信プロジェクトの『スマートアイランド推進プラットフォーム』も注目です。

有人国境離島法(排他的経済水域の保全が目的)を管轄する内閣府では、「日本の国境へ行こう!」というウェブサイトもあります。こちらは、データや事例の紹介というより、島に行きたくなる読み物的な性格が強く、個人的にもこれから時間が空いたときにでも読んでみたいと感じました。また、離島でも知名度は高いのではないでしょうか、昭和28年創刊の季刊『しま』。離島専門メディアとしてリトケイの大先輩。こちらは、離島振興に関わる記事についてはサイト上で公開しているというありがたさ。

そして今回の勉強会で、個人的にもっとも驚いたものが、日本離島センターの公式サイト上で見られる「地図から調べる」機能。国土地理院の地図をベースに日本の島々を検索できます。拡大するとより細かく島が現れ、島名が表示されます。大小の島々が集まっている瀬戸内地域が見ごたえがありました。

普段、リトケイの仕事で離島関係の情報を追うものの、どちらかといえばミクロな、島々の取り組みについて記事にすることが多い私。さらに私自身が島に暮らしているため、そちらに引っ張られるところもあるのですが、情報収集においてこんなに便利なサイトがあったんだなーと大変勉強になりました。

ぜひ、未来のシマ共創会議、そして事前勉強会に参加される方は、これからの個別のテーマで気になったことがあれば、今回紹介されているツールを駆使して関わりのある島について調べたり、さらに深堀りしてみてください。

未来のシマ共創会議、参加受付中です。

未来のシマ共創会議への参加チケットは、イベント前日の11月13日23:59まで販売中です(オンライン参加は上限なし、会場参加は完売し次第終了)。繰り返しになりますが、すでに終了した勉強会についても、共創会議の終了前後までアーカイヴ視聴が可能となります。

離島経済新聞社が、「なつかしくて あたらしい ミライの島を 共につくろう」をテーマに、産学官などの垣根を越えて語り合い共創するまたとないイベントです。オンラインでの参加や後日視聴も大歓迎。奮ってご参加ください。

「未来のシマ共創会議」チケット販売ページ
「未来のシマ共創会議」特設ページ

     

関連する記事

ritokei特集