令和7年10月台風の被災により、八丈島の末吉地区では住民生活を支えていた商店が休業となった。窮地を救うべく立ち上がった樫立地区の「富次朗商店」。2月28日を期限に、冷蔵・冷凍品も運べる「移動スーパー」実現に向けて挑戦がはじまったクラウドファンディング【創業90年の恩返し】台風被災の八丈島・末吉地区を移動スーパーで支えたい!を実行している
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「まるで家族」八丈島・末吉地区を支える商店
八丈島の樫立地区に創業し、今年で創業90周年を迎える富次朗商店は現在、4代目の伊勢崎唯さんがのれんを引き継ぎ、地元の人々が生鮮品や日用品を買い求める商店を営んでいる。
伊勢崎さんは島で生まれ育ち、大学では商学を学び、海運会社とweb制作会社を経て、30歳で八丈島にUターン。そんな伊勢崎さんにとって商店の機能は「買い物」ではない。
「『今日は誰々さん来てないけど』という話がでると、『あの人今上京中だよ』とか、みんなゆるくつながって、挨拶したり、情報交換したり。そういう場としては機能してると思います」
伊勢崎さんは商店を営むかたわら、カフェ・雑貨店「むかしの富次朗」や、元倉庫を活用したレンタルスペース「むかいの富次朗」を立ち上げてきた。
地域の声にふれ、住民の必要に応える日々のなか、令和7年10月に台風22号・23号が八丈島を襲う。富次朗商店も店舗の損壊や冷凍・冷蔵品の廃棄など数百万円に上る損失となった。
台風被害から住民を支える、末吉地区での週1回移動販売
しかし、八丈島で最も大きな被害を受けた末吉地区では、商店が損壊し休業。「買い物にいけない」という声を聞いた伊勢崎さんは、店舗の貨物車に商品を詰め込み、週1回の移動販売を始めた。
人口約200人の末吉地区は、伊勢崎さんにとって「地区全体がファミリー」という印象。週1回の移動販売では、約40人の地区住民とつながるLINEグループを使って、必要な商品を届けている。
そんな移動販売は末吉地区の住民にとって希望でもあるが、温度管理が必要な冷蔵・冷凍品を運ぶことができず訪問時間も限られる。そこで伊勢崎さんは「移動スーパー」を立ち上げることを決心した。
「もし、うちが何かやり始めた後に(あさぬま商店を営んでいた)浅沼さんが復活したら、ただの競合関係にしかならない」と懸念した伊勢崎さんが浅沼さんに連絡をすると「むしろお願いしたい」と背中を押されたという。
「はしる富次朗商店」実現に向け、ネクストゴールを目指す
伊勢崎さんにとって3つめの新規事業は「はしる富次朗商店」という仮称がつけられ、車両購入のためのクラウドファンディングを開始。2月20日に最低目標の250万円を達成したが、車両購入費だけでも350万以上かかる見込みのため、ネクストゴールを目指す。
被災がきっかけではあるものの、人口減少が続く八丈島では移動スーパーのような「柔軟な小規模インフラ」はいずれ必要だったと伊勢崎さんはみる。
クラウドファンディング【創業90年の恩返し】台風被災の八丈島・末吉地区を移動スーパーで支えたい!では2月28日迄まで支援を受け付けている。
災害から立ち上がる「家族のようなコミュニティ」と「お買い物だけではないインフラ」の実現を支えてほしい。
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