つくろう、島の未来

2024年12月11日 水曜日

つくろう、島の未来

11月22日、23日、今年で22回目の開催となるアイランダー2014が池袋で開催されました。今年は180の島々が出展。2日間で約1万4千人が訪れた当日の様子をインターン松本がレポートします。

■島々を知る各島のブースに、島文化を知るステージ

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11月22日・23日の2日間、池袋サンシャインシティ文化会館(3階展示ホールC)で開催された「アイランダー2014」(国土交通省、公益財団法人日本離島センター主催)に出掛けました。アイランダーとは、全国の島が一堂に会し、自然・歴史・文化・生活などのすばらしさを島人自らがPRするというイベント。22回目となる今年は180の島々が出展し、2日間で約1万4千人が訪れました。

会場内には各島のブースが立ち並び、島の味覚や島酒など個性豊かな特産品の販売や、定住相談や観光案内など、それぞれが趣向を凝らした展示を行っていました。

メインステージに目を向けると、島民たちが太鼓や島唄などの伝統芸能を披露したり、島々のゆるキャラが島を紹介するなど大変にぎやか。サブステージでは来場者と一緒になって踊る「しま体操」や、鹿児島県の口永良部島に1年間住んだ学生や、地域活性事業「島キャン」の島おこしインターンシップで島に行った学生らによる報告など、参加型のプログラムが多数組まれており、口永良部島で活動する学生と島民とのトークでは、自然と共に生きる生の声を話を聞くことができました。

島の文化に触れられる体験ブースには、小笠原諸島の「タコノ葉細工体験」や祝島の「シーグラス・クラフト」など、親子で楽しめるものも多く、幅広い年代の人が島文化を楽しんでいました。

■アイランダー初出展「沖島」「大津島」にインタビュー

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今年、初出展となった滋賀県沖島(おきしま)と山口県大津島(おおづしま)の方に、感想や島の見所について聞きました。

琵琶湖に浮かぶ沖島は、対岸の堀切港から10分で渡ることができる漁業が主産業の島。昨年6月の離島振興対策実施地域の見直しにより、新たに指定地域として追加されました。沖島漁業協同組合理事の北村さんは「今まで沖島はたくさん人が集まるイベントに出展したことがなく、今回のアイランダーが初めて。漁協の婦人部、湖島婦貴(ことぶき)の会が作ったウロリ(ヨシノボリの稚魚で、成魚になっても1.5cmほどの小魚)やホンモロコ(コイ科の琵琶湖固有種)、ビワマス(琵琶湖の固有種)の佃煮をたくさんの人に買ってもらえてうれしい」とアイランダー初出展の手応えを話しました。

沖島町自治会長を務める西居さんは「ぜひ沖島へ来て、島でしか食べられない新鮮なウロリやビワマスの刺身を食べてほしい」と島のおすすめを教えてくれました。

JR徳山駅徒歩4分の徳山港から大津島の馬島(うましま)港まではフェリーで19分。「今回のアイランダー出展の目標は、島の名前を覚えてもらうこと」と、大津島のIターン者で、馬島公民館主事の大友さんが意気込みを語ってくれました。大友さんら島民は今回のアイランダー出展に向けて、島内で会議を開くなど1年かけて準備を進め、当日はブースに訪れたおよそ700名にアンケートを行ったとのこと。「大津島は人口が約280人の島。いきなり島に移住するにはハードルが高い。まずは島のファンを増やしていきたい」と大友さん。「島に着いたらまず深呼吸して、のんびりしてほしい」と大津島での過ごし方も教えてくれました。

にぎわう会場内で元気な呼び声に誘われるまま、さまざまな島のブースを訪れました。そして、魚島、沖島、家島の佃煮や干物をいくつか購入。販売を担当する島の方からは「佃煮なんか家庭ごとに味がちがうのよ」「普段は島でしか売ってないのよ」といった話も聞くことができ「島でしか味わえない家庭の味ならば、ぜひ島で食べたい!」と思いを強くした2日間でした。

(離島経済新聞社編集部)

     

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