つくろう、島の未来

2024年11月22日 金曜日

つくろう、島の未来

多くの島で開催されている「島コン」。島内観光を通じた異性との交流が主流のスタイルに加え、近年は「島」そのものを知るきっかけになる新しい島コンに注目が集まっている。多様化する島コンを紹介する。

近年、多くの島で実施されている「島コン」が、目的・内容ともに変化をみせている。島コンは、2004年に宇都宮市が商店街活性化を目的にはじめた「宮コン」(街コン)をモデルに、島に暮らす男性と島への移住を希望する女性とのマッチングを目的に広がってきた。最近では、島暮らしの魅力を若い人たちに知ってもらい、島の魅力に触れてもらった結果として、移住者を増やし人口流出に歯止めをかけようとする工夫がなされている。

今年5月24日(土)~25日(日)と6月21日(土)~22日(日)に伊豆大島で企画されている『島コンin伊豆大島』は、「街コン」と船で行く「島旅」を融合させたもの。島外から募集した未婚男女が、伊豆大島(いずおおしま|東京都大島町)のおすすめ観光スポットを巡り島内ホテルでの宴会形式のコンパが楽しめる。1泊2日のゆったりとした時間のなか、「旅行」「出会い」「観光地巡り」をまとめて楽しめるのがポイントだ。

他島にも例がある。異性との出会いを全面に押し出さず、島の自然はもちろん、食文化・暮らし・仕事など、さまざまな角度から島の魅力に触れる島コンとして、広島県・因島(いんのしま|尾道市)では4月27日に発酵食品を開発する地元企業による「島コン in 万田発酵」を開催。参加費無料の同イベントでは、工場見学や参加者同士の料理対決が楽しめるなどユニークだ。

また、6月20日(金)~22日(日)には、長崎県・五島列島の福江島(ふくえじま|五島市)で「島男子がおもてなし 島ライフ体験ツアー ~暮らすように旅をする~」を開催。自分らしく生きる島の人々との交流を通じて本物の島の魅力を感じるこちができる地域密着型ツアーとして、参加者が募られている。参加条件は「島の生活に興味がある20歳以上の女性」。未婚・既婚問わず島への移住のきっかけ作りに特化した新しいタイプの島コンだ。

出会いの機会を提供するだけなく、島の未来に向けて進化する島コンに注目したい。

(編集部:盛川幹人)

     

関連する記事

ritokei特集