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レポート

【島Report】「奥尻島の部活動を支えたい」仲間と力を合わせ、思いを形に。高校生の目標達成ストーリー

部活動で練習試合などに参加する際の遠征費負担は、離島地域にある学校にとって共通の悩み。奥尻島(おくしりとう|北海道)では、高校生たちがクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げ、遠征費負担の軽減に挑戦。目標金額を大きく上回る成果を達成しました。プロジェクトの反響や今後の計画について、高校生たちに話を聞きました。(写真提供:北海道奥尻高等学校)

「島の部活動を支えたい」3人の高校生が立ち上がる

船や飛行機で本土へ渡る島々の学校では、他地域へ遠征に出かける際の遠征費が保護者らの大きな負担となっています。

人口約2,800人の奥尻島では、高校は奥尻高等学校(以下、奥尻高校)の1校しかなく、練習試合では島外への遠征が必須。船や飛行機の便数も限られているため、宿泊が必要となることも度々だといいます。

この遠征費負担を軽減しようと、奥尻高校の生徒たちがインターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングに乗り出し、開始からわずか9日間で目標金額を達成しました。

「離島×CAMPFIRE」奥尻高校ページより

成功の秘訣は事前PRと目的をしっかり伝えることの大切さ

プロジェクトを立ち上げたのは、2年生の舩越未夢さんと邊見歩花さん、3年生の松前幸歌さんの3人。

奥尻島で地域の課題解決に取り組む一般社団法人イクシュンシリ・デザインや、奥尻高校の先生方など身近な大人たちのサポートを受けながら、自主的にプロジェクトを企画・実現させました。

立ち上げメンバーの3人と奥尻高校にとって、クラウドファンディングは初の試みでした。そこで、実施にあたり、3人は離島経済新聞社の「クラウドファンディング基本講座」を受講。学んだことを実際に活かしながら、離島専門クラウドファンディング「離島×CAMPFIRE」での資金調達に取り組みました。

「事前にプロジェクトの告知の仕方や、成功事例を勉強したのが、すごく役にたちました。成功していたプロジェクトは、サイトをこまめに更新して支援者とコミュニケーションを取り続けていました」と、2年生の邊見歩花さん。

3人は、奥尻高校の野球部、バレー部、卓球部、吹奏楽部などの部活動の様子を取材。部活動に取り組む生徒たちへのインタビューも行い、他校との合同練習で得たいものなど、部活動の遠征を必要としている生徒たちの思いを「離島×CAMPFIRE」のプロジェクトページで発信し続けました。

左:奥尻高校 野球部の公式戦の様子/右:奥尻高校 吹奏楽部のメンバー

左:奥尻高校 排球部のメンバー/右:奥尻高校 卓球部のメンバー

そして、奥尻高校のプロジェクトは「離島×CAMPFIRE」への掲載開始から9日というスピードで目標金額をクリアし、最終日までに182名の支援者を獲得。目標金額を大きく上回る、132%を達成しました。

メンバーは、プロジェクトが成功した理由を「資金調達の理由と目的をしっかりと伝えられたこと」「事前のPR」だと振り返ります。支援者へ向けてプロジェクトページで明確なメッセージを発信したことに加え、プロジェクト開始にあたり地元新聞社に情報を提供し、記事が掲載されたことの反響が大きかったといいます。

今回集まった資金は、支援者へのリターン(支援者へのお返し)のオリジナルTシャツを制作・発送するほか、奥尻高校の各部活動に分配され、4月からの新年度に活用される予定です。

自らの力を試し、仲間とやりきった達成感

プロジェクトの発起人で2年生の舩越未夢さんは、「自分がふと心に描いた計画が実際にどこまで通用するのか、試してみたい気持ちもあった。身近な人たち以外にも、インターネットを通じ、東京など遠方の方々からも反響をいただいたことに驚き、嬉しく思いました。今は感謝の気持ちでいっぱいです」と話します。

2年生の邊見歩花さんは、「初めての試みで、何をしたらいいか考えて行動するのが難しかったけれど、いい経験になった。先生たちの力もお借りし、多くの方々に支えていただいたことに感謝し、自分たちでやり遂げることができた達成感を感じています」と感無量の様子。

リターンのTシャツデザインを担当した3年生の松前幸歌さんは、この春に奥尻高校を卒業します。始めは「暇つぶしぐらいの軽い気持ち」で参加したといいう松前さんは、「デザインに迷い、途中で投げ出したくなる時もあったけれど、後輩たちや周囲の応援で完成する事ができた。1人の力だけでは良いものはつくれなかったと思う」と話し、「仲間と力を合わせたプロジェクトが目標を達成して嬉しい」と喜びます。

島の子どもたちにとって、部活動の遠征費用は継続的な課題。今後の計画については、「いろいろと話し合っていますが、まだ未定です。来年度は新しいメンバーの創造力に期待しています」(邊見さん)。後に続く世代も、新しい発想と行動力を発揮してハンデを乗り越えていけるよう、3人は後輩たちにエールを送りました。



【関連サイト】


【離島のハンデをゼロに!】奥尻島の高校生が“Tシャツ”で部活動を変える!


北海道奥尻高等学校


北海道奥尻高等学校公式Facebookページ


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