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レポート

東京の島々の食を堪能!「島グルメ美食の会」レポ

昨年12月、東京の島の玄関口、竹芝客船ターミナル内の「東京あいらんど」で行われた「島グルメ美食の会」というイベントに、リトケイ新人編集部員 小野が参加してきました。島食材が次々に目の前にあらわれるおいしい会は、島ビギナーの自分にとっては予想以上に学びの多い会でした。

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■島グルメ美食の会ってなに?

格安でおいしいものが食べられる!という食いしん坊かつ島グルメへの好奇心から気軽に申し込んでみた「島グルメ美食の会」。定員30人ということで、大丈夫だろうとタカをくくっていたら、まさかの落選のメール…。なんと1,000人以上の応募があったそう。運良くキャンセル待ちで滑り込み、どうにか参加が叶いました。危ない、危ない。新聞広告を出すようになってから、最多7,800人の応募が殺到したこともあったとか。新聞効果、恐るべし。

美食ラインナップの前に、「島グルメ美食の会」についてのお話しを。
会場である伊豆・小笠原諸島のアンテナショップ「東京あいらんど」を運営するのは、公益財団法人東京都島しょ振興公社。2町7村が共同で、島の自立を目指した取り組みをしようと設立した団体です。

島しょの食材を活かした「島料理」を体験してもらうため、2009年にスタートした「島グルメ美食の会」。約3ヵ月に1度の開催で、今回私が参加した会で12回目をむかえた人気のイベントです。島食材にクローズアップした企画が基本で、過去には「島食材だけのフレンチフルコースの会」という豪華な会も。島ビギナーな私としては、フルコースがつくれちゃうほど食材が豊富なことに驚きました。「島=海産物」な短絡的なイメージではいけませんね…。今回のテーマである「新島の鮮魚と採れたて野菜」で作られた料理を目の前にして、さらに実感しました。

■新島づくしのコースメニュー

今回クローズアップされた「新島」は、島へのアクセスもよく、東京都調布飛行場からは新中央航空が運航する飛行機が1日往復4便就航し、約35分でひとっ飛び。竹芝旅客ターミナル(東京都港区)からは、東海汽船が運航する高速ジェット船で約2時間20分と、東京に住んでいる人にとっては気軽に行ける離島のひとつです。連絡船で約10分のお隣の式根島と合わせて約3,000人が暮らしているこの島は、海の幸はもちろんのこと、温暖な気候を活かした農業も盛んです。

それでは、お待ちかね!島の恵みたっぷりのメニューをご紹介します!
1.パッションフルーツジュース
2.アシタバのツナサラダ(明日葉/新島産)
3.伊勢海老とサザエ、きのこのアヒージョ(伊勢海老・サザエ/新島産)
4.アシタバのジェノベーゼ風パスタ
5.おつまみ4種盛り合わせ
  焼きくさや・ムロアジのたたき揚げ(新島産)、ところてん・赤イカの塩辛(神津島産)
6.赤芽芋・あめりか芋の大島バター添え(赤芽芋・あめりか芋/新島産)
7.サザエとアシタバのかき揚げ
8.大根のてっぱつ漬け(三宅島産)
9.島寿司(シマアジ/式根島産)
10.アシタバと島のりのおにぎり(島のり/神津島産)
11.アシタバとたたきのお椀(すり身/新島産)
12.あめりか芋のタルト-生クリーム&ひんぎゃの塩クッキー添え-(ひんぎゃの塩/青ヶ島産)

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なんて豪華!さらに14種類の島酒とジュースが飲み放題で3,000円。メニューを見て、「こんなに食べられないよー」と嬉しい悲鳴を上げてしまいました(結局ぺろりと食べましたけれど)。

4〜5人ずつ着席したテーブルで相席した中には新島出身の方も。私にとって、目新しい料理でも、新島の方からすれば、おなじみの料理だったりします。私がくさやの香りに「やっぱり強烈ですね…」とたじろぐと「いやいや、この臭いがたまらないんですよ」とにこにこ。こわごわ噛みしめると、確かにじわじわと複雑なうま味が出てきて、ついつい手が伸びます。しかし、くさやの味は通常の「おいしい」の範疇を逸脱した、独特の「ウマさ」だと思うのです。強烈な香りを発する料理が、生活になじんでいるのは不思議な気もします。ちなみに5・11番目に登場する「たたき」とは魚のすり身のことで、新島の伝統的な郷土料理だそうです。

■新島の食事情

ここで、新島の食材について少し考えてみます。
どんな土地の郷土料理にも、必然性があります。例えばくさやも、江戸時代から新島で製造されていたムロアジやトビウオを原料とした干物の一種ですが、「くさや液」という魚醤の一種である発酵液に浸して干すことで、独特の香りが醸し出されます。もともと塩水に漬けて保存性を高めていたものの、塩が貴重なため、塩水を使い回すうちに「くさや液」になったとか。今は飛行機を使えば東京までひとっ飛びの道のりですが、交通の便が悪かった時代に運搬するには保存が要。そこから発した知恵と知ると、くさやの強烈な個性にも納得できます。

あめりか芋は、島のやせた砂地だからこそねっとり甘く育ち、しかも保存性が高いために飢餓を救ったと言われる新島の救世主。アシタバはもともと自生していた完全土着の食材。「自家用だから」、「どこにでも生えているものだから」と見落としていたものが、実はすごく価値があるものだということもある。そんな島独自の食材の魅力を再発見する動きが徐々に広がっていることを知りました。( 新島ふれあい農園 小林さんの島農夫月報も参照!

さて、話を美食の会に戻しますね。
コース料理が順番に運ばれてくるたび、生産者や流通に関わる方々からの解説が入り、新島の風土や郷土料理のこと、新しい取り組みなどについて教えていただきました。食べるの半分、聞くの半分くらいの体感で、お話しのボリュームもなかなかのものでした。

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写真は左から、新島アシタバ部会の森田房江さん、小林久子さん、宮川ゆみ子さん。新鮮なアシタバをたくさん携えて、新島からおいでになった3人の話からはアシタバへの愛を感じました。

料理の中で、もっとも多く使われていたのがアシタバ。天ぷらやごはんもよいけれど、マイベストは「アシタバのツナ和え」でした。ツナとマヨネーズという鉄板の組み合わせにアシタバのひとクセが効いていて、後引くおいしさ。都内でアシタバが手に入る場所は増えているそうなので、見かけたらつくってみたい料理です。

よく「胃袋を掴まれると敵わない」って言いますよね。くさやづくりを見てみたいし、もう一度甘い島寿司が食べたい!と、がっちり島食材の美食にやられた私。今度はちゃんと島に行って食べてみようと、新島行きをあれこれシュミレーションしつつ、帰路についたのでした。

shop info

東京あいらんど
東京都港区海岸1-12-2竹芝客船ターミナル内
☎03-5472-6559
営業時間7:30〜22:30 ランチタイム11:30〜14:00
年中無休
JR浜松町駅/都営地下鉄大門駅 徒歩7分
ゆりかもめ竹芝駅 徒歩1分

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